本文へスキップ

ようこそ、呉音楽隊のホームページへ。

TEL.0823-22-5511

〒737-0028 広島県呉市幸町6-6

第49回「隊長のつれづれなるままに」(令和5年12月 第34回)

 

 あ~あぁ。11月の1日の家の車のカーナビの声は、一体、何の記念日と言ったんだろう。気が付いたら12月になっていました・・・。トホホ・・・。

 
寒い季節になると、私の体のある部分はシクシクと泣き始めます。兎角、年を重ねると痛みや調子の悪いところが出てくると聞いていましたが、正にその通りでした。この膝の靭帯は高校生の体育祭で痛めたところだな・・・この手首は二十歳の時のあの事故でかぁ~・・・。とこんな感じで、目には見えない若気の至り的なものが今となって声を出し始めていることを実感しています。痛みが目立つようになってからは、その痛みが気になってなかなか物事に集中することができませんでしたが、最近では、一人でいるときに「シクシク」と話しかけてくれる仲の良い友達のような存在になってきています。ものは考えようとはよく言ったもので、一生懸命生きてきた証として、この「シクシク」を受け入れられるようになってからは、私の頭の中にあった煩わしさは消え、さほど痛みが気にならなくなりました。

 
さて、音楽隊の演奏会はコンサートホールでの演奏と、屋外での演奏があります。コンサートホールでは、空調管理のおかげで快適な環境での演奏ができますが、屋外となると・・・その季節や時間帯で大変過酷な状況となります。気候が良い春は、花粉症の演奏者は涙もので鼻は詰まるしくしゃみも出る。鼻の頭は真っ赤っか!(トナカイは冬に登場ですが。) 夏は夏で、日差しの暑さは勿論ですが、白い制服の海上自衛官の体自体が眩しくて、眉間にしわが寄り笑顔が無くなるのが玉に瑕。秋は秋で芸術の秋になりますが、乙女心と秋の空、雨が降るとエレキベース奏者は感電するそうです。さて、これから迎える冬ですが、さすがに屋外での演奏はないと思われますが、式典とか行われる体育館は暖房があるのか?分からないぐらい外気温と同じ状況です。吐く息は白く、指はカチコチ。音を出すとピッチ(音程)は低くなっていて(管楽器は、楽器が冷たいと音程が下がり、熱くなると音程が上がります。)、その上、音が出ないときもあります。なぜ、いつも通り楽器に息を入れても音が出ないのか不思議でしたが、だいぶ前にテレビのCMを見ていて答えを発見しました。そのCMでは、「振動エネルギーを熱エネルギーに変えて、免震します。」と!!そうか!振動エネルギーは熱エネルギーに変換されるのか~、だから唇やリードを振動させて演奏する管楽器は、冷たくなった楽器に、振動エネルギーが熱エネルギーとして楽器自体に吸収されてしまうため、その結果、音が出なくなるのかと腑に落ちる(科学的証明はなく、個人的感覚にすぎません。)経験をしました。そのお陰で、寒いところの演奏で、アインザッツ(音の出はじめ)がそろわなくてもイライラすることが無くなり、科学的視点が音楽の面でも人間関係の面でも助けになると感じました。兎角、如何なる状況の中でも演奏する音楽隊は、寒さの中クリスマスプレゼントを贈るサンタさんのようなものなのかもしれません。