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第33回「隊長のつれづれなるままに」(令和4年9月第19回)

 
 今年の夏も、音楽隊の周りは賑やかな蝉の声に包まれていました。梅雨が明けたころは蝉の声が聞こえず、空梅雨だと蝉が少ないのかな?と気にしていましたが、今年の梅雨明けが滅茶苦茶早かっただけのようでした。時を迎えたら、昨年通り朝早くから蝉の大合唱で目が覚める8月を過ごしていました。子供の頃の記憶より派手に賑やかな呉の蝉。私の中の蝉の声は「みぃーん・ミィーン・みぃーん・ミィーン・・・エンドレス」でしたので、ここでの蝉の声は爆音に聞こえます。「ぐぅゎぁ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^」のように。どうやらクマゼミの声に私自身、馴染みがないのかもしれません。入船山公園に蝉の写真を撮りに行ったとき、アブラゼミはアブラゼミと認識できましたが、ここのヒグラシは滅茶苦茶デカいなぁ~と思いながらシャッターを切っていましたが、のちにこれがクマゼミだと知りました。
 8月の後半になると、「っくつくほーし・っつくつくほーし・・・」の声が聞こえ始め、やっぱり、つくつくほーしだよなぁ~と、安堵な思いをしました。佐世保で勤務していた時は、「ほーしっくっく・ほーしっくっく・・・」とイントネーションの違いに驚いた記憶があります。また、最近はヒグラシの声も聴いていないような気がします。夕方になると、遠くの方からちょっと涼しげな「カナカナカナカナ・・・」という声は、幼いころの原風景を思い起こさせてくれます。
 管楽器で音を出すときには、舌を使って音を出します。専門用語で、タンギングと言いますが、最近、Jポップなどの歌ものを演奏するときに、その管楽器の発音に違和感を感じることがあります。言葉を発音するときにも舌を使いますが、言葉によって舌を当てる位置が違うのと、舌自体を使わないで発音する言葉もあります。例えると、「わたし」の「わ」は、舌を使わずに唇を中央に集めてから広げるような動きをして「わ」と発声していると思いますが、管楽器で演奏するときは必ずと言っていいほどタンギングをして発声します。歌詞を読んだりすると「わたしは・・・」とか「きみは・・・」とか「ぼくが・・・」、「あなた~」などなど、舌を使わずに始まる発音が多く、これが私の感じている違和感なのではないかと感じています。また、「しんどう」という私の苗字も、舌を打つのは一ゕ所だけ(ど)になりますが、これを管楽器で演奏するときは♩♩♩♩となり、舌を4回打つことになり、声で出すときと大きな違いがでてきます。メロディーが自然に入ってくるには、この違いをどう埋めていくかがカギとなるような気がしていますが、なかなか表現するのが難しいのが現実です。いまは、メロディーラインのイントネーションを工夫して、管楽器で歌のような印象をもたせられたらと滅茶苦茶悪戦苦闘しています。