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第32回「隊長のつれづれなるままに」(令和4年8月第18回)

 
 自分の名前が「友樹」であることに小学生の頃は何故か違和感がありました。「樹」が書けなかったことも大きな理由かもしれませんが、ひらがなで書くと「ともき」となり、「と」も「も」も「き」も丸いイメージがあり、その柔らかい曲線に自分らしさを感じることができず、それが違和感の根源だったと記憶しています。今思えばひらがなのすべてが丸っこいのに、当時は自分の名前だけが丸っこいと気にしていたのが今となってはお恥ずかしい話です。あの頃の自分は真剣に悩んでいました。私は、過去については余りこだわらないようにしています。それは、過去は変えることができないからです。教訓としての過去はありますが、ありのままの今を大切にしていくことが、未来を変えていくエッセンスだと考えています。
 私が通っていた高校は、幕張西高等学校で現在はこの名称はありません。私が卒業してから、幕張東・幕張西・幕張北高校が統合されて幕張総合高等学校になったからです。大学も、洗足学園大学だったのが卒業した後に洗足学園音楽大学と名称が変わっています。私自身の名字も、初芝から真道へ変わりました。変わったのは名称だけではなく、大学進学時に二浪したので大学・自衛隊の人間関係も複雑化し、自分の中にあった価値観が大きく崩れることとなりました。高校までに築かれていた先輩・後輩・同期の価値観や関係性が大学入学以降、説明しにくいほど厄介なものとなりました。あの頃は、大分苛立っていたことを思い出します。幹部になってからも人間関係には悩みました。どう立ち居振る舞えばいいのだろうと。そんな時、一本の大きな木を眺めていた時に「友樹」という自分の名前を思い出しました。「木」と「樹」の違い(令和3年10月第6回参照)や、巨樹・大樹について思いを馳せると、樹は「ありのまま」を受け入れてその生き様が樹形となり、今の私に多くの事を語りかけてくれているように感じました。自分の悩んでいた立ち居振る舞いに関することの答えが、この樹形にあったような気がします。背格好、見て呉れや他人の評価を気にするよりも、自分がどのように生きていき、自分の置かれた環境をありのままに受け入れて変化していくことが、自分の真の姿になっていくことを・・・。
 小学生の時は違和感のあった名前ですが、今となっては自分の人生の指針になっています。ドライブも巨樹探しが増えてきています。カメラのレンズも魚眼レンズを装着し、山の中へと探検する日々。巨樹を発見したときなどは、私の眼はギョぎょ魚!となります。