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第28回「隊長のつれづれなるままに」(令和4年4月第14回)

 
 子供の頃からよく、トンカチやノコギリを持って訳の分からない物を木で作っていました。
クギを打つ時など、よく左手の親指を叩いて唇を噛みしめたものです。ノコギリも同じく、よく口をあんぐりしたものでした。今でも、自分の手でいろいろなものを作るのが好きで、桜の
木で指揮棒用のケースや、檜の板でスコア(指揮者の楽譜)を入れて持ち歩くためのアタッシュケースを日曜大工で作ったりしています。最近ではDIYと言うのかな?設計図も作らずに目の前にある木と睨めっこしながら「どうしたら目的を達成できるのか」を考え作業を進めています。発想と完成形はあるのですが、手順とか設計図のようなものを準備するのが苦手で、いつも、木と物を手に取りながら「あ〜でもない、こ〜でもない」と苦戦しながら手順を想像し組み立てていくのが、子供の時からの流儀となっています。「三つ子の魂百まで」とはよく言ったもので、今でも仕事の進め方はそのままのようです。隊員が可哀そうですが・・(TnT)
 最近は、少し気持ちと時間にゆとりができて、休日に自分の手でいろいろなものを作るようになりました。大湊では、ねぶた祭りのお手伝いをしたり、木工の工房に弟子入りをしてステーショナリーをヒバの木で作ったりしました。今でも私の机には、この時作ったペン&カッター&印鑑立て(朱肉付き)を使っています。佐世保では、革細工工房の教室に通い、カメラを携行するためのクイックシュー付きストラップを作成し、散策の時などで大活躍しています。自分の手では作れない物は、その工房の匠にお願いしてオリジナルのものを作ってもらいました。湯飲み(波佐見)、ステンドグラス(嬉野)、木の器(武雄)など〔( )内は地名〕、作者の手のぬくもりを感じる温かい作品にいつも心癒されています。波佐見焼の匠からは、ろくろを体験してみないかと誘われ一輪挿しとお湯割り用の湯飲みを自分の手で作ってみました。(焼き、釉、仕上げは匠がやりました)。また、樹で慣熟させた梅の実で作る梅酒や梅ジュースの手作り教室(武雄)ではそれらを一瓶ずつ漬け込み、我が家で1年以上熟成させ、自分の手で作ったこの湯飲みで、香りとともに味わうのが今の私の贅沢な時間となっています。
 ここ呉に来てからは、木でカメラのグリップを削って作ってみたり、ミシンで買い物袋を縫ってみたりといろいろなものを手作業しています。また、地元の情報誌に帆布でお洒落なカバンなどの日用雑貨を制作している工房が紹介されていたので、ここでは趣味の写真を撮るときにレンズ交換がしやすくなるような、大きなポケットの付いたオリジナル・エプロンを仕立ててもらったり、ステージ用の革靴を入れるシューズケースを作成してもらったりと、我が儘を言いながら使い勝手の良い私のお気に入りを手に入れています。
 「手の技」から作り出されたものは、手触り・肌ざわりが良く、使い込んでいくほどに味わいが深まっていき、作って(作ってもらって)おいて良かったなぁ〜と愛着とともに作品とその作品にまつわる思い出が、春風の香りに乗って心地よく心に響いています。