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第24回「隊長のつれづれなるままに」(令和4年2月 第11回)

 
「行ってしまう(1月)。逃げてしまう(2月)。去ってしまう(3月)。」「光陰矢の如し」を実感する季節が訪れました。先日まで、年末だ!正月だ!!!とワクワクしていたのに、気が付くともう2月になっていて、ソワソワしている自分に驚きます。経験上、この時期は定期演奏会に向けて猛烈な準備をしていたので、12月に定期演奏会を終了している今回は、少し変な気持ちになっているのも否めません。加えて、コロナが収束するのが何時(いつ)(コロ)()のか・・・。
 カメラを首からぶら下げて徒歩圏内をブラブラ散策していると、日ごろ気が付かない古の建造物に目が向きます。特に赤レンガでできた倉庫や橋脚は、明治時代からのものなのかなぁ〜とシゲシゲと眺めては、シャッターをポンポン押しています。「このレンガの積み方は、イギリス式か?」などと、無い知識を巡らせては当時の設計者と技術者の手から生まれた賜物に感服しています。ドライブの目的地も若いころとは違い、古い町並みがある小さな街にプラプラ行くことが多くなりました。そこは、観光の人は少なく、旅人がゆっくりと静々と散策をしているような印象を受けます。観光と旅人の違いは「何かを見つめて、何かに思いを馳せている。」度合でそう感じるのかもしれません。また、地元の方々と会話をする機会が増えたことと、丁寧に説明をしてくれる方々の熱量が、自分が「観光」をしていた時よりも「旅」を意識させてくれている要素のように感じています。
 思いを馳せる。「これは、なんだろう?」「これは、どういうことだろう?」と好奇心から生まれる素朴な疑問。自分の知識や経験だけでは分からない、得体のしれないもの。そうしたものが沢山あることで、多くの人との交流や出会いが生まれると感じています。しかし、便利になった現在は自己完結してしまうことも多いため、人との交流や会話の機会が減ってきているようにシミジミ感じています。
 指揮者が使う楽譜(スコア)には、一ページに総ての楽器の楽譜が20〜30段(吹奏楽の場合)で書かれています。よく、「楽譜を見ると、その音(響き・音程・和音)が頭の中でイメージする(音楽が流れる)ことができると聞きますが、残念ながら私にはその能力がなく、唯々五線の川の中でオタマジャクシが泳いでいるだけの絵に見えます。そのためスコアの分析は重要な作業になります。スコアをシゲシゲと見つめ、思いを馳せていると、そこに書かれている作曲者の意図が何となく感じることがあります。普段、当たり前のように聴いている音楽も、分析をしてみたらチョットした工夫が所々に隠されていたりします。単純に聞こえている名曲には、そうしたチョットしたエッセンスがあるのかもしれません。
 古からあるものには、目に見えないそうしたものがあり、ふとそれを感じ取った時に、そのものに携わった方々の熱い思いに触れることができると分かる年齢に、年を重ねて見えてきたと感じる節分のころ。