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呉音楽隊長　１等海尉　真道友樹(しんどうともき)

Jリーグ・サンフレッチェ広島との協力イベントで
サンチェくん・フレッチェちゃんと

　言霊（ことだま）。若いころ、心に感じたことをストレートに相手にぶつけていた頃がありました。多くの失敗と、大切なものも失いました。ある日、先輩から「言葉で失敗をしているよ。」と言われました。そのころから、言葉について考え始めました。
　自分が発した言葉が成って実を結ぶで「誠実」という漢字が出来上がっているのかもと知ったとき、今まで自分が発していた言葉が、結果として「失敗」という実を結んでいたことに気が付きました。誠実とは・・・・。テレビを見ていた時、「言霊」という言葉を知りました。今までの自分を振り返ると、やはり言葉の選び方を間違えていたのかもしれないと思いました。以前は、理想や夢を見て、現実を言葉にしていましたが、今では、現実を見て、夢や理想をかなえるために必要な言葉を、「声」にするようになりました。そうすると不思議に多くの仲間の意見や新しい発想が集まり、自分が思い描いていた結果よりもはるかに大きな成果を上げることができました。


　天気予報は雷を伴う雨・・・。野外広場での演奏会、選手入場時の演奏、ハーフタイムでのパレード。すべて屋外での演奏、雨は天敵です。Jリーグ、サンフレッチェ広島との協力イベントで久しぶりにお天道様にお願いをしました。広場での演奏会はなんとか曇り空の中で終了することができました。しかし、頬を触れる風は何となく冷たい・・・、もしや・・・。控室に入ると同時に、外は音を立てての大雨！「助かった。」と思ったと同時に、これからのメインの選手入場時の演奏などどうしたら・・・、再びお天道様に祈る。予定時間になると雨は小降りになっていて、雨衣を着用して会場へ。屋根のある所で時間調整をしていると、突然、猛烈な音を立てた雨が、スタジアムのライトに無情にも姿を露にしているではありませんか。スタッフの方も、この雨でも演奏できますか？と心配そうな顔をしていましたが、私の口は「この雨は止みます。」と突然口走りました。「言霊ですから。」と付け加えて・・・。時間になり行進、整列、演奏へ。雨は止み、私たちの演奏で選手も登場です。ハーフタイムのパレードも、雨衣を脱いで観客の拍手に迎えられ行進できました。
　「お天道様は何から何までお見通しだよ」・・・小さいころに言われた言葉だったなぁ〜。
（令和３年９月第４回）