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第16回「隊長のつれづれなるままに」(令和3年8月下旬 第3回)

呉音楽隊長 1等海尉 真道友樹(しんどうともき)


 日本の夏は、緊張の夏。
 今年も、昨年に引き続きコロナ禍により帰省せずに勤務地で夏を過ごしました。昨年までの3年間は佐世保で夏を迎えていましたが、九州では毎年、台風のコースを気にしながら夏から秋の季節を過ごしていた記憶があります。実際に、佐賀県、福島県に災害派遣のため生活支援隊(入浴支援)に音楽隊員を派出させ、被災された方々に寄り添った活動をしていました。今年も、日々テレビで各地の様子が映し出されるたび、これは本当の映像なのかと目を疑いたくなるようなシーンを見て、心に大きな衝撃と動揺を感じていました。
 夏の初めの晴れた日に、近隣のひまわり畑にカメラ片手にドライブに行ったとき、青青とした山々を見ながら走っていると、所々の山肌に豪雨でできたと思われる爪痕があるのに気が付きました。
「あ〜そうか、何年か前に広島も…。」私も何年か前の台風で、実家の屋根が飛んで行ってしまったことがあり、この時も私の心の動揺はかなり大きかったと記憶しています。今回、この山肌を見た時、改めて自然の力の大きさを思い知らされたような気がしました。
 ある時テレビで「禍いを転じて福となす」ということわざを知る機会がありました。多くの困難を乗り越えて強い絆が育まれ、共に未来に向かって歩んでゆく。音楽は、そのようなシーンで必要とされているようです。私たちもその一助になれたらと感じた呉(暮れ)の夏でした。
(令和3年8月第3回)