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委嘱作品Commissioned Work


日本遺産「呉鎮守府」開庁130周年記念
海上自衛隊呉音楽隊 委嘱作品
曙光の波をきって/八木澤教司
Across the Horizon 
 海上自衛隊呉音楽隊第50回定期演奏会にて初演
 <曲目解説>
 第1楽章:街のいしずえ 第2楽章:渚のひかり 第3楽章:造船と職人
 日本遺産「呉鎮守府」開庁130周年記念海上自衛隊呉音楽隊委嘱作品として作曲し、本日は全楽章としての世界初演となります(第1楽章は2019年9月に同隊が先駆けて初演、各楽章は単独でも演奏できるように設計)。
 呉鎮守府は広島県呉市にあった大日本帝国海軍の根拠地で、艦隊の後方を統轄した機関です。開庁130周年に相応しい作品を念頭に、石田敬和隊長からのコンセプトに基づいて作曲しました。特に、毎朝8時に自衛艦が国旗を掲揚する際や日没時に奏でられる「ラッパ君が代」を重要なモティーフとして作品に挿入していることが特徴です(艦船が停泊している街の人たちは聴いたことがあるでしょう)。
 第1楽章「街のいしずえ」は、明治時代の穏やかな海辺とのどかな田園風景、鎮守府を設置するために一年で一万人もの労働者が集まり急激に発展した街の様子、やがて東洋一の軍港として世界最強と言われる艦船と潜水艦を建造、造船に至るまでの発展を描写。『戦争で破壊され産業も経済も大きな被害が出ましたが、呉の人たちの弛まぬ努力と助け合いで瀕死の街から活気ある街へと発展しました。海軍から自衛隊へと変わり、国民を守る防人が住む街になりました』という石田隊長の言葉からインスピレーションを受けて作曲しました。
 第2楽章「渚のひかり」は、瀬戸内海の情景を描写した緩やかな楽章。波しぶきが輝く海辺や潮の香り、段々畑にレモン、オリーブ、みかんなどの特産品が数多く作られ、海と山の幸が味わえる街であることを讃えた内容です。
 第3楽章「造船と職人」は石田隊長と隊員の皆様と共に見学した造船所で、実際に船の造られる様子を間近に見たイメージを基に作曲。第1楽章の造船のシーンをクローズアップした楽章です。造船に携わる職人の魂と共に、繁栄と衰退を経験した呉が、これからも変わらず発展し続ける未来を願って作曲しました。
 「呉鎮守府」開庁130周年記念という貴重な機会に作曲家として関わることができて嬉しく思います。そして、この作品が自衛隊と地域の方々とを繋ぎ、絆をより育む一助となれば幸いです。(八木澤教司)
(第50回定期演奏会プログラムノートより)



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