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活動レポートActivities Report

2019.2.23(土) 海上自衛隊呉音楽隊第49回定期演奏会



 呉地方隊(総監・杉本孝幸海将)は2月23日(土)、呉市文化ホールで呉音楽隊(隊長・石田敬和1尉)による第49回定期演奏会を開催しました。
  普段儀式や式典、広報等の目的で各地において演奏活動を行っている私たちですが、その中でも定期演奏会は、1年の集大成を披露する場であるということで、特に入念な準備を行って臨む演奏会です。
  演奏会は2部形式で、前半の第1部は呉音楽隊副隊長・田中孝二2尉の指揮で幕を開けました。オープニングに演奏した曲は、天皇陛下御即位30年を祝し、團伊玖磨作曲の祝典行進曲です。この曲は今上天皇のご成婚を記念して作曲されたということもあり、気品溢れるメロディーを祝福の気持ちに満ち溢れて演奏しました。2曲目の『語りつき音楽「ごんぎつね」』では、物語の朗読を司会者である丸子ようこさんが務めました。物語の主人公である、「ごん」を始めとする様々な登場人物の心の描写を、感情のこもった朗読とそれにぴったり寄り添った音楽の融合で、絵本とは一味違う良さでお届けすることができました。特に物語後半の悲しい結末を迎える場面では、丸子さんの熱い朗読に哀愁漂う音楽が折り重なり、私自身演奏をしながら、自然と涙が込み上げてきました。
 第2部は、隊長・石田1尉の指揮で、スッペ作曲の「軽騎兵序曲」に始まり、チャイコフスキー作曲の「弦楽セレナード」を演奏しました。この2曲はオーケストラの作品を吹奏楽用に編曲したものであり、オーケストラの原曲の良さを消さずに吹奏楽で表現するということは大変困難なことでした。指揮者を交え隊員同士でも試行錯誤を重ね迎えたこの演奏会では、聴いている人に原曲の良さと吹奏楽の良さが伝わる演奏ができたのではないかと自負しております。次に、モンティ作曲の「チャルダッシュ」を中串誠士長のコントラバスのソロで、お送りしました。妖艶なメロディーを色気たっぷり奏でたかと思うと、超絶技巧を必要とする難しいメロディーを難なく披露し、音楽隊員である私たちをもグッと惹きつける演奏で聴衆を魅了していました。プログラム最後は、清水大輔作曲の『シー・オブ・ウィズダム「知恵を持つ海」』です。海をテーマにしたこの曲に対する想いはひとしおであり、私たちがこうやって舞台に立っている今も、海の上で過酷な任務についている仲間の姿を想像して下さればという想いを込めて、お贈りしました。
 暖かい拍手とともにアンコールの行進曲「軍艦」を演奏した後、今年呉音楽隊が演奏指導を行った、呉三津田高校、清水ヶ丘高校、呉市立宮原中学校との合同ステージを披露しました。若いエネルギッシュな音を迎えた合同ステージ演奏曲目は「宝島」と「一度きりの人生」です。3つの学校がこの演奏会のために集まり、私たちとともに音楽を奏でられることは、まさに「一度きりの人生において一度しかない瞬間であり、一期一会だな」という思いが込み上げました。
                                         3等海曹 中西 彩乃