■ 乗組員
砕氷艦「しらせ」艦長 1等海佐 日孝次(ひだか こうじ)
乗員約170名
■ 行動の概要

■ 協力の概要
第55次南極地域観測協力では、次のような協力を行います。
・人員輸送
【往路】 第55次越冬隊員24名、第55次夏隊員22名、第55次夏隊同行者12名の計58名を、オーストラリアのフリーマントルから南極基地へ輸送します。
【復路】 第54次越冬隊員30名、第55次夏隊員24名、第55次夏隊同行者12名の計66名を、南極基地からオーストラリアのシドニーへ輸送します。
・物資輸送
【往路】 観測器材、設営資材、食料等の物資約593トン、燃料約567トンの計約1,160トン、の物資を輸送しました。
【復路】
廃棄物、大型車両等約500トン(過去最大量)の持ち帰り物資を輸送しました。
・支援作業
観測隊の計画する海洋観測等、艦上で行われる定常観測及び研究観測の支援、観測隊の計画する野外観測における人員及び機材等の空輸、昭和基地における建設作業等の支援を実施します。
砕氷艦「しらせ」 3年ぶりに昭和基地沖に接岸
平成26年1月4日(土)に砕氷艦「しらせ」は3年ぶりに昭和基地沖に接岸しました。ここ数年、昭和基地周辺では厚い氷と降り積もった雪のために砕氷航行が非常に厳しい状況が続いておりましたが、今年はその一部が流れ去っていたことで若干改善が見られました。幸運にも沖合の流水域を約1.5日(例年3〜5日は要する)で突破できたことと、例年より3日早く日本を出港したことも功を奏し、一昨年の53次行動において接岸を断念した位置まで短期間に進出することができました。それでもそれ以降は厚さ約6メートルの氷と2メートルに及ぶ雪のために往路で2227回のラミング(注)を行い、氷との格闘には18日間を要しました。
注:ラミング(「チャージング」とも言う)とは、艦を一旦200〜300メートル後退させたのちに前進し、助走をつけて艦首を氷の上に乗り上げて、その重みで氷を割って進む方法です。「しらせ」は、厚さ約1.5メートルの氷を時速約5キロメートルで連続して割って進む能力がありますが、氷が厚くなって連続砕氷ができなくなるほどの抵抗が増加した場合、ラミングにより砕氷航行を行います。
 |
南極基地の位置昭和基地は概ね南緯69度、東経39度の位置にあります。昭和基地から最も近い都市はケープタウンですが、直線距離で約4,000kmあります。また、昭和基地は南極の大陸上にあるのではなく、大陸の沖にあるオングル島にあります。「しらせ」はこのオングル島を目指して航行します。 ※オングル:釣り針(ノルウェー語)
|
 |
昭和基地接岸(昭和基地沖の停留点)接岸という言葉を使用していますが、オングル島に岸壁があるわけではなく、昭和基地の沖で輸送可能な距離に停留することを接岸と言います。通常は、しらせから昭和基地まで1000m程度の距離まで近づいています。
|
 |
リュツォ・ホルム湾流氷縁から定着氷縁「しらせ」は、流氷がまばらな状態の時、流氷を押しのけるようにして航行できます。
流氷の密接度が高まると、氷と氷の隙間が狭くなってきます。氷を押しのけるか、割って進むかは
氷の厚さや密接状況、流氷1枚の大きさなどから艦長が判断します。
定着氷域では、
流氷域と異なり隙間がまったくありません。定着氷とは海岸に接して定着して動かない氷でその場の海水が凍結するか、流氷が海岸に押しつけられ、凍結して形成されるものを言います。
「しらせ」は厚さ1.5mの定着氷域であれば連続的に氷に乗り上げて進むことができますが、それ以上になると連続的には進むことができなくなります。
その際ラミングを実施し航行します。
この定着氷域を何日間で突破できるかが、以後の「しらせ」の行動を左右することになります。
|
 |
融雪用散水装置で海水を撒く様子大容量のポンプで汲み上げた海水を20本の散水ノズルから海水や積雪の上に散水し、積雪を湿らせることで雪の圧密抵抗と摩擦抵抗を小さくし、氷を割りやすくします。計画散水量は15.600u/h(1分間に260トン)と膨大な量を撒くことが出来ます。 |
 |
昭和基地沖を進む「しらせ」昭和基地は東オングルに位置し、南極大陸とは幅約4kmオングル海峡で隔てられています。海岸に近い昭和基地は、年平均気温約−10℃、夏期(12月〜2月)の平均気温約−2℃で、南極地域でも暖かい方に属し、夏の日中気温はプラスになることが多い。
|
 |
アイスアンカーの設置昭和基地沖に接岸すると、錨は使えないため、ロープを結んだ角材を氷に開けた穴の中に入れてアイスアンカーを設置し、艦の位置を固定します。 |
 |
燃料ホースの展開昭和基地には燃料を備蓄するための金属タンク群があり、ここと艦をパイプラインで結んで燃料を転送します。パイプラインの展張距離は、700〜1600メートルに及びます。昭和基地への燃料転送には丸3日程度を要し、輸送物資重量の約半分を占めています。 |
|