海上自衛隊とロシア海軍は、平成10年より共同の捜索・救難共同訓練を実施

しています。平成9年4月の日露首脳会談の合意を踏まえ、平成10年7月に

海自艦艇が訪露し、第1回の訓練を実施しました。さらに、平成11年8月に

「日露防衛交流発展のための覚書」が署名されたことから、同覚書に沿って、

平成11年度以降、過去11回に亘り実施しています。

今回で12回目となる同訓練参加のため、ロシア海軍太平洋艦隊の「ヴァリャーグ」

「イルクート」「MB−61」が訪日、京都府の舞鶴港に入港しました。

第1護衛隊群は同訓練のホストスコードロンとして、当群隷下の「あけぼの」、

第15護衛隊「ちくま」、第44掃海隊「ながしま」を指揮し各種訓練に従事、

捜索・救難に関する技量の向上を図るとともに、寄港地行事等を通じてロシア

海軍との友好を深めました。今回はその模様をお届けします。

 

若狭湾沖でのロシア海軍「ヴァリャーグ」との初会合です。

ロシア海軍に敬意を表し、乗員が礼装(第1種夏服)に身を包み甲板上に整列する「登げん礼」を実施しました。

 

Добро пожаловать в Японию!(ようこそ日本へ!)

舞鶴入港時のロシア艦隊旗船「ヴァリャーグ」

4つに連なるミサイルが印象的です。

同艦はロシア帝国海軍の武勲艦の名称を引き継いでいます。

「ヴァリャーグ」入港時、同艦のヘリ甲板ではロシア海軍軍楽隊による演奏が実施されました。

自衛艦と異なり、ロシア海軍軍艦の艦名は右艦尾あります。「ВАРЯГ」(ヴァリャーグ)の文字がわかりますか?

入港後、早速ヴァリャーグの艦内見学を行う第1護衛隊群司令と舞鶴地方総監部幕僚長

日露の各スタッフは、捜索・救難訓練のための事前調整会議を連日実施しました。

護衛艦「あけぼの」では、舞鶴地方総監主催の艦上レセプションが実施され、ロシア海軍乗員のほか、ロシアのナホトカ市と姉妹都市関係を結んでいる舞鶴市長、その他関係各位をご招待致しました。

写真は鏡割りを実施する日露指揮官と舞鶴市長です。

レセプションでは「あけぼの」乗員による空手演武も披露され、大きな拍手喝采を浴びていました。

日本だけでなく世界各国でレセプションを実施する護衛艦部隊ではこのような日本の伝統文化を披露する武芸者・芸達者の隊員が大活躍します。

腕に覚えがある方、護衛艦乗りになって各国でその腕を披露しませんか?

言葉がいらない交流、それがスポーツ交流です。「あけぼの」「ちくま」がそれぞれチームを編成し、バレーボールでロシア乗員チームと対戦しました。

ロシア側の申し出により、サッカーの試合を実施しました。勝負を申し込んでくるだけあってかなり手強い相手でした。結果は・・・お察し下さい。

大混雑の写真は「ヴァリャーグ」でのレセプションです。会場のあちこちで、ロシア式の乾杯が繰り広げられ、話に花を咲かせました。

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いよいよ訓練開始です。

ロシア艦艇に対し発光信号をおくるあけぼの航海科員

 

本訓練では「日露海上事故防止協定」に定められた信号に従い、発光、無線通信、旗りゅう信号等を使用して実施しました。

今回の訓練のシナリオは、日露両国の部隊が、航行中火災を生じた民間船舶からの遭難信号を受信したという想定で、両国の艦艇等が当該遭難船を共同で捜索し、これを発見後、遭難者を救助するとともに消火活動を実施するというものです。

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想定遭難船舶である「ながしま」に放水するロシア海軍所属の海洋曳船「MB−61」

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遭難船舶より遭難者を救助し、「あけぼの」に搬送する「ヴァリャーグ」搭載艇

日露の3艦によるフォーメーション航行です。手前から「あけぼの」「ヴァリャーグ」「ちくま」

訓練終了後、洋上での再開を祈ってお互いに見送りました。

 

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