活動情報

ソマリア沖・アデン湾における海賊対処

派遣海賊対処行動部隊

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派遣海賊対処行動 第38次水上部隊

                        

派遣海賊対処行動航空隊  42次要員 / 支援隊 15次要員

ソマリア沖・アデン湾における海賊対処の概要

ソマリア沖・アデン湾の海域は、年間約1,600隻の日本関係船舶が通行するなど、日本の暮らしを支える重要な海上交通路です。ソマリア沖・アデン湾及びその周辺の海域では、平成20年以降、海賊事案が多発し、その発生件数は、平成21年から平成23年まで年間200件以上となっていました。近年は、自衛隊を含む各国海軍等による海賊対処等の国際社会の様々な取組の結果、海賊事案の発生件数は低い水準で推移しています。しかし、海賊を生み出す根本的な原因とされているソマリア国内の貧困などはいまだ解決されておらず、また、ソマリア自身の海賊取締能力もいまだ不十分である現状を踏まえれば、国際社会がこれまでの取組を弱めた場合、この状況は容易に逆転するおそれがあります。このように、わが国が海賊対処を行っていかなければならない状況に大きな変化はありません。

自衛隊は海賊対処法(平成21年7月施行)に基づき、派遣海賊対処行動水上部隊(護衛艦1隻(平成28年11月までは2隻))を派遣し、この海域を通航する船舶の直接護衛を実施するとともに、広大な海域における海賊対処をより効果的に行うため、派遣海賊対処行動航空隊(固定翼哨戒機2機)を現地(ジブチ共和国)に派遣して海域の警戒監視を実施しています。
 平成23年6月からは、航空隊を効率的かつ効果的に運用するため、ジブチ国際空港北西地区に活動拠点を整備し運用しています。

平成25年7月、海賊対処を行う諸外国の部隊と協調して、より柔軟かつ効果的な運用を行うため、それまでの直接護衛に加え、CTF151(Combined Task Force151)に参加してゾーンディフェンス(アデン湾内の特定の地域で警戒に当たる方式)を実施することを決定し、水上部隊は、同年12月からゾーンディフェンスを開始しています。
 また、平成26年2月からは航空隊もCTF151に参加し、各国の航空部隊の運用方針や海賊対処に資する情報分析など、それまで接することのできなかった情報を入手することが可能となり、各国の部隊との連携が強化されることとなりました。
 さらに、同年7月には、自衛隊からCTF151司令官と同司令部要員を派遣する方針を決定し、同年8月から司令部要員を派遣しているほか、平成27年5月から8月までの間には、自衛隊から初めてCTF151司令官を派遣し、その後、平成29年3月から6月、平成30年3月から6月及び令和2年2月から6月までの間もそれぞれCTF司令官及び司令部要員を派遣しました。また、CTFの上級部隊であるCMF(Combined Maritime Forces)にも、情報収集等のための連絡要員を派遣してきました。

令和3年6月に、CMF及びCTF151が、効率的な部隊運用を目的とした組織改編を実施しました。引き続き国際社会と連携して海賊対処行動に取り組むため、組織改編後のCMF及びCTF151から改編されるCTG151(Combined Task Group151)に司令部要員を派遣しています。

派遣部隊の編成

自衛隊が海賊対処行動を行うために必要な業務を行う派遣海賊対処行動支援隊は、海上自衛官と陸上自衛官により編成され、陸上自衛官は活動拠点におけるP-3C哨戒機やその他の装備品の警備を行っているほか、同隊の司令部要員としても活動しています。このほか、航空自衛隊も、本活動を支援するため、C-130H輸送機やKC-767空中給油・輸送機等からなる空輸隊を編成し、輸送任務を行っています。

警戒・護衛について

活動海域

       

水上部隊は、護衛艦1隻により、アデン湾を往復しながら民間船舶を直接護衛するエスコート方式と、状況に応じて割り当てられたアデン湾内の特定の区域で警戒にあたるゾーンディフェンス方式により、航行する船舶の安全に努めています。
 直接護衛では、まずアデン湾の東西に一か所ずつ定められた地点に、護衛艦と護衛対象の民間船舶が集合します。
 アデン湾を護衛船団が航行する際には、船団を護衛艦が守るとともに、護衛艦に搭載された哨戒ヘリコプターも上空から船団の周囲を監視しています。
 このように昼夜を問わず船団の安全確保に万全を期しつつ、アデン湾約900kmを2日ほどかけて通過していきます。
 また、護衛艦には8名の海上保安官が同乗し、必要に応じて司法警察活動ができるよう、自衛隊は海上保安庁と協力して活動しています。

一方、ゾーンディフェンスでは、CTG151司令部との調整に基づき護衛艦が担当する海域が割り振られ、護衛艦がその海域の中にとどまって警戒監視を行うことで、わが国を含む各国船舶の安全を高めることに貢献しています。
 なお、令和3年5月31日現在で、延べ4,051隻の船舶が、自衛隊による護衛のもとで、1隻も海賊の被害を受けることなく、安全にアデン湾を通過しています。

ジブチ共和国に活動拠点を置く哨戒機(P-3C)も、優れた航続力を発揮して、広大なアデン湾の警戒監視を行っています。
 飛行区域はCTG151司令部との調整により決定されており、ジブチを飛び立ったP-3Cは、アデン湾を航行する無数の船舶の中に不審な船舶がいないかどうか確認作業を行っています。同時に、護衛活動に従事する護衛艦、他国の艦艇および周囲を航行する民間船舶に対して情報提供を行い、求めがあればただちに周囲が安全かどうか確認するなどの対応をとっています。
 2機のP-3Cを派遣している自衛隊は、同様に哨戒機を派遣している各国と協調しつつ、アデン湾において警戒監視を行っており、この活動は、同海域における警戒監視の約7割から8割を占めています。

自衛隊のP-3Cが収集した情報は、常時CTG151や関係機関などと共有され、海賊行為の抑止や、海賊船と疑われる船舶の武装解除といった成果に大きく寄与しています。
 平成21年6月に任務を開始して以来、令和3年5月31日現在で飛行回数は2,737回を数え、延べ飛行時間は約20,100時間に及んでいます。識別作業を行った船舶は230,375隻であり、周囲を航行する船舶や、海賊対処に取り組む諸外国に情報の提供を行った回数は15,328回となっています。

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