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第IV部 防衛力を構成する中心的な要素など

➏ 東京オリンピック・パラリンピック競技大会への取組

1 これまでのオリンピックにおける自衛隊の協力及び自衛官選手等の実績など(1964年東京オリンピック以降)

1964(昭和39)年、東京で開催された第18回オリンピック競技大会の開会式では、ブルーインパルスが五輪のマークを東京の空に大きく描き、音楽隊がオリンピック・マーチやファンファーレを演奏するなどの協力を行うとともに、防衛大学校学生が選手団入場時に各国のプラカードを掲げるなどの協力を行った。また、同オリンピックにおいて自衛官21名が選手として参加し、ウエイトリフティングにおいては三宅義信選手が第1位、陸上マラソンにおいては円谷幸吉選手が第3位に輝くなどの成果を挙げた。

以降、自衛隊は、各オリンピックに参加し、自衛官の選手は、これまで金メダル8個、銀メダル4個、銅メダル8個を獲得している。

2 東京オリンピック・パラリンピック競技大会への協力など

13(平成25)年9月、2020年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会(以下「東京2020大会」という。)への防衛省・自衛隊としての取組を強化することを目的に、防衛大臣を長とする「防衛省・自衛隊2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会特別行動委員会」を設置した。第1回委員会においては、小野寺防衛大臣(当時)から、防衛省・自衛隊が協力・参加する意義とともに、自衛隊員全てが参加しているという気概のもと、これからも日本の安全保障のために全力で働き、しっかりと、大会の成功に向けて努力していく旨述べた。

19(令和元)年12月の第12回委員会においては、防衛省・自衛隊として、セキュリティ対策については、競技会場周辺を含むわが国上空・海域の警戒監視、大規模テロ等が発生した場合の被災者救援、サイバー攻撃等への対処に関する支援等に取り組むことを決定した。また、式典等大会運営への協力については、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と調整を行ってきた協力項目(聖火到着式への協力、国旗等掲揚への協力、射撃競技会場における医療サービスへの協力、セーリング競技における海上救護への協力、会場内外の整理への協力及び競技(アーチェリー、射撃、近代五種)における運営協力)について、同組織委員会から正式に依頼を受け、実施することを決定した。20(令和2)年3月、東京2020大会は延期され、2021年夏の開催とされたことから、引き続き同組織委員会と連携し準備を進めることとしている。