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第III部 わが国防衛の三つの柱(防衛の目標を達成するための手段)

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第3節 宇宙領域及びサイバー領域の利用にかかる協力

国際社会においては、一国のみでの対応が困難な安全保障上の課題が広範化・多様化しており、宇宙・サイバーといった新たな領域の利用の急速な拡大は、これまでの国家の安全保障のあり方を根本から変えるため、国際的なルールや規範作りが安全保障上の課題となっている。防衛省・自衛隊は、関係国と情報共有、協議、演習、能力構築支援などを通じて連携・協力を強化することにより、宇宙領域及びサイバー領域における優位性を早期に獲得するとともに、国際的な規範の形成にかかる取組を推進することとしている。

参照1章3節(宇宙・サイバー・電磁波の領域での対応)

➊ 宇宙領域の利用にかかる協力

宇宙領域の利用については、関係国との協議や情報共有、多国間演習への積極的な参加などを通じ、宇宙状況監視(SSA:Space Situational Awareness)や宇宙システム全体の機能保証などを含めた様々な分野での連携・協力を推進している。

防衛省・自衛隊はこれまで、米軍が主催するSSA多国間机上演習「グローバル・センチネル」及び宇宙安全保障に関する多国間机上演習「シュリーバー演習」に参加し、多国間における宇宙空間の脅威認識の共有、SSAにかかる協力や宇宙システムの機能保証にかかる知見の蓄積に努めている。

参照2章2節(日米同盟の抑止力及び対処力の強化)

米国以外との協力についても防衛省・自衛隊として取り組んでおり、オーストラリアと安全保障分野における日豪宇宙協議及び日米豪宇宙協議を開催し、宇宙政策にかかる意見交換を実施している。また、フランスとは15(平成27)年3月、日仏「2+2」において、宇宙における両国政府間対話を強化することについて一致したことを受け日仏包括的宇宙対話の立ち上げを決定し、17(平成29)年3月の第2回日仏包括的宇宙対話では日仏間のSSA協力を強化するため、「日本国の権限のある当局とフランス共和国国防大臣との間の宇宙状況把握にかかる情報共有に関する技術取決め」に署名し、具体的な協力を促進することで一致した。EUとは14(平成26)年5月、日EU定期首脳会議において、日EU宇宙政策対話の立ち上げを決定し、これまで4回の協議をしている。インドとは18(平成30)年10月の日印首脳会談において、政府間での宇宙対話を立ち上げることを決定し、19(平成31)年3月に実施された第1回会合に防衛省からも参加した。

参照本章1節2項(各国との防衛協力・交流の推進)