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<解説>自律型致死兵器システム(LAWS)について

LAWS(Lethal Autonomous Weapons Systems)については、現時点でその定義について国際的なコンセンサスは得られておらず、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組みにおいて国際的な議論が続いています。

19(平成31)年3月、CCWの枠組みのもとで行われるLAWSに関する政府専門家会合に先立ち、わが国は作業文書を提出しました。この作業文書は、本年の政府専門家会合において、人道と安全保障の観点も勘案したバランスの取れた議論を行い、国際社会が将来目指すべき取組の方向性を示すことに貢献すべく提出したものであり、重要な論点である①LAWSの定義、②致死性、③有意な人間の関与、④ルールの対象範囲、⑤国際法や倫理との関係、⑥信頼醸成措置についてのわが国の考え方を記述しました。会合においては、重要な論点に関して活発な議論が行われる一方、引き続き各国の立場には隔たりが見られました。

防衛省としても、これまでも表明してきたとおり、人間の関与が及ばない完全自律型の致死性兵器の開発を行う意図はなく、また、当然のことながら国際法や国内法により使用が認められない装備品の研究開発を行うことはありません。

一方、自律性を有する兵器システムは、ヒューマンエラーの減少、省力化・省人化といった安全保障上の意義を有することから、今後も、主要国を含め、広く国際社会において共通認識が得られるよう、日本の安全保障の観点も考慮しつつ、わが国の考え方をしっかりと示しながら、引き続き、国際的なルール作りに積極的かつ建設的に参加していく考えです。