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<解説>領域横断作戦について

現在の戦闘様相は、技術の進展を背景に、陸・海・空という従来の領域のみならず、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域を組み合わせたものとなっています。

例えば、現代の軍事活動は、宇宙空間の利用に依存しており、人工衛星を用いた部隊間の通信や測位が、陸・海・空における戦力の円滑な機能発揮に不可欠です。また、こうした軍事活動は、サイバー空間を利用した情報通信ネットワークにも極めて高度に依存しています。

このような状況において、脅威に対する実効的な抑止及び対処を可能とするためには、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域を活用して攻撃を阻止・排除することが不可欠であり、このような新たな領域における能力と陸・海・空という従来の領域の能力を有機的に融合した「領域横断作戦」を行うことが死活的に重要となっています。

こうした「領域横断作戦」は、その相乗効果により全体としての能力を増幅させるものであり、個別の領域における能力が劣勢である場合にもこれを克服し、全体としては優位に立ち、わが国の防衛を全うすることが可能となります。

領域横断作戦のイメージ(例:防空作戦)