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第IV部 防衛力を構成する中心的な要素など

4 医官・看護官などの確保・育成

任務の多様化に伴い、医官など衛生部門に携わる者に求められる能力が高まっている中、医官の充足率は年々改善傾向にあるものの、約8割程度である。この要因は医官の離職であり、その主な理由の一つとして「医師としての研修・診療機会の不足」があげられる。防衛省・自衛隊では、防衛医科大学校を中心とした卒後の臨床教育の充実や、医官の診療機会を確保するための各種取組の促進、感染症や救急医療をはじめとした専門的な知識・能力の取得・向上、モチベーションの向上など、離職を防止するための様々なキャリアを想定した各種施策を継続して講じることで医官の充足向上を図りつつ、医療技術の練度を維持・向上させている。新中期防においては、医官の充足向上を引き続き図るほか、今後増大が見込まれる任務所要に対応できるよう、医師である予備自衛官の任用を一層推進することとしている。

また、看護官についても、医官と同様、部内外病院などにおける実習など、知識・技術を維持・向上するための施策を講じている。

さらに、国際平和協力活動、大規模災害などを含む多様な任務や特殊な環境での任務を遂行するため、衛生科隊員及び診療放射線技師、臨床検査技師や救急救命士などの医療従事者を自衛隊の病院や学校などにおいて教育・養成している。