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第III部 わが国防衛の三つの柱(防衛の目標を達成するための手段)

2 大量破壊兵器の不拡散などのための国際的な取組

北朝鮮やイランなどが大量破壊兵器・ミサイル開発を行っているとして強く懸念した米国は、03(平成15)年5月、「拡散に対する安全保障構想(PSI:Proliferation Security Initiative)6」を発表し、各国に同構想への参加を求めた。同構想に基づき、大量破壊兵器などの拡散阻止能力の向上のためのPSI阻止訓練などをはじめ、政策上、法制上の課題の検討のための会合を開催するなどの取組が行われている。

PSI海上阻止訓練における海自による容疑船への乗船の様子(18(平成30)年7月)

PSI海上阻止訓練における海自による容疑船への乗船の様子
(18(平成30)年7月)

防衛省・自衛隊は、関係機関・関係国と連携し、第3回のパリ総会(03(平成15)年9月)以降、各種会合に自衛官を含む防衛省職員を派遣するとともに、04(平成16)年からは、継続的に訓練に参加している。

現在まで、防衛省・自衛隊は、外務省、警察庁、財務省、海上保安庁など各関係機関と連携しつつ、わが国主催による3回のPSI海上阻止訓練に参加するとともに、12(平成24)年7月にはわが国として初主催となるPSI航空阻止訓練にも参加した。18(平成30)年7月にわが国主催のPSI海上阻止訓練「パシフィック・シールド18」を実施し、大量破壊兵器などの拡散阻止にかかる活動要領をオーストラリア、ニュージーランド、韓国、シンガポール、米国とともに演練した。

防衛省・自衛隊としては、わが国周辺における拡散事例などを踏まえ、大量破壊兵器などの拡散防止や、自衛隊の対処能力の向上などの観点から、各種訓練や会合の主催や他国の実施する同種活動への参加など、PSIを含む不拡散体制の強化に向けて取り組んでいる。

参照図表III-3-4-2(PSI阻止訓練への防衛省・自衛隊の参加実績(平成24年度以降))

図表III-3-4-2 PSI阻止訓練への防衛省・自衛隊の参加実績(平成24年度以降)

6 大量破壊兵器及びその関連物資などの拡散を防止するため、既存の国際法、国内法に従いつつ、参加国が共同して取り得る措置を検討し、また、同時に各国が可能な範囲で関連する国内法の強化にも努めようとする構想