防衛大綱などにおいて、「事態対処時における救急救命措置に係る検討を行い、第一線の救護能力の向上を図る」とされたことを受け、防衛省・自衛隊として米軍などにおける取組を調査し、適確な救命のための検討を進めてきた。この検討を深化させるため、15(平成27)年4月、防衛省において部外の有識者からなる「防衛省・自衛隊の第一線救護における適確な救命に関する検討会」を開催し、16(平成28)年9月、検討会における議論などを踏まえた報告書2がとりまとめられた。防衛省・自衛隊は、本報告書も踏まえつつ、第一線において負傷した隊員の生命を最大限に守るための態勢の整備を進めている。具体的には、准看護師かつ救急救命士の資格を有する隊員が、第一線において負傷した隊員を自衛隊病院などに後送される前の現場において専門的な救護処置3を実施できるようにするため、平成29(2017)年度から当該資格を有する隊員に対して、必要な知識・技能を身につけさせるための教育・訓練を開始している。また、この教育訓練課程を修了した「第一線救護衛生員4」の部隊への配置についても開始された。併せて、「第一線救護衛生員」の携行衛生資材の整備も行っている。