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第III部 国民の生命・財産と領土・領海・領空を守り抜くための取組

第3節 衛生機能の強化

自衛隊が、その任務を遂行するためには、隊員の健康を適切に管理することを通じて、部隊の壮健性を維持していくことが必要である。また、各種事態に対応する隊員の生命を最大限に守れるよう救護など衛生機能の充実に不断に取り組んでいくことが重要である。

加えて、自衛隊の任務が多様化・国際化する中で、災害派遣や国際平和協力活動などにおける医療などの衛生活動に適確に応えていくことが重要である。

このため、防衛省・自衛隊としては、各種事態や国際平和協力活動などを含め任務を適切に遂行できるよう衛生に関する機能の充実・強化を図っているところである。

1 自衛隊病院の拠点化・高機能化

自衛隊病院は、各種事態においては、活動地域から後送された隊員などを収容・治療する病院としての役割を果たし、また、平素においては、隊員やその家族などの診療を行う病院としての役割を果たしている。このほか、医療従事者の技量の維持・向上及び養成のための教育機関としての役割も有している。

現在、防衛大綱などに基づき、全国16か所に所在する自衛隊病院を10か所程度に集約し、効率的かつ質の高い病院を整備する「自衛隊病院の拠点化・高機能化」を推進するなどの施策を進め、質の高い医療体制の確立を図ることとしている。例えば、自衛隊病院の一部においては、地方公共団体の二次救急医療機関の指定を受けて、救急患者の受け入れを積極的に行うなど、医療の高度化を進めている。