令和2年 河野防衛大臣 年頭の辞

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令和2年 河野防衛大臣 年頭の辞

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令和2年 河野防衛大臣 年頭の辞

 明けましておめでとうございます。
令和2年の年頭にあたり、自衛隊の全隊員諸君に新年のお慶びを申し上げます。防衛大臣の河野太郎です。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。私が自衛隊と初めて関わりを持ったのは、小学校4年生の時、ボーイスカウトの一員として駒門の駐屯地を訪問しました。駒門駐屯地の中の様子の事は、もうほとんど覚えておりませんけども、お昼ご飯に種なしぶどうが出て、おいしかった、それを今でも覚えております。

 昨年の9月の夏に防衛大臣を拝命いたしました。皆さんと一緒に国民の平和な暮らし、そして日本の領土・領海・領空をしっかり守っていく、皆さんと共に努力をして参りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 この年末年始も24時間365日、本当に多くの隊員諸君が、一瞬の隙もなく警戒監視にあたってくれています。どのような事態が起きても万全の態勢がとれるように備えてくれています。ソマリア沖、アデン湾、南スーダン、あるいはシナイ半島において、遠く家族の元を離れ、国際社会の平和と安全のために、そしてシーレーンを守るために、最前線で任務にあたってくれている多くの隊員がいます。また、昨年は台風や豪雨、こうした自然災害、あるいは豚コレラのような事案で災害派遣、本当に多くの隊員に出動してもらいました。隊員諸君が被災された方々に寄り添って、本当に真剣に行動してくれた、その姿が自衛隊に対する国民の皆様からの信頼に今繋がっています。防衛大臣として、隊員諸君の勤務環境、そして生活環境をしっかりと改善できるように努力をしていきたいと思っております。災害派遣の視察をした時に、多くの隊員が自分の私物の簡易ベッドを持ち込んでいることを見て驚きました。命令で出動する以上、しっかりと国が責任をもって、そうした物品一つ一つを揃えるのは当然であります。今回も予備費や補正予算、あるいは2年度の予算でそうしたきっちりとした整備ができるように努力をしていきたい、そう思っているところであります。

 日本を取り巻く安全保障環境は非常に速いスピードで変わっている、悪化していると言って良いと思います。厳しさと不確実性が増えている。お隣の中国は、防衛大臣として10年ぶりに私も年末に訪中をいたしましたが、依然として透明性を欠いたまま非常に速いスピードで軍事費を増やしています。尖閣諸島をはじめ、東シナ海での海空領域における活動を非常に活発化させている、こうした日常の様子を国民の皆さまにもっともっとはっきりと認識をしていただかなければならないと思います。この東シナ海の現状をどのように国民の皆さまに知らせるために発信をしていくか、しっかりと考え、今年から新たな情報発信を始めていきたい、そう考えております。北朝鮮のミサイルが昨年5月から二十数発発射をされております。レーダーサイトやイージス艦、あるいは高射隊、多くの隊員が24時間365日緊張を途切れさせることなく、この問題に対処してくれています。北朝鮮の危機から国を守る、これも大きな任務であります。自分の手で自らを守り抜く、そういう気概の無い国を他の国は守ってくれません。いかに日本の防衛を自衛隊がしっかりとやることができるのか、それが問われています。有事の時に、しっかりと国を守る、国を守るために戦える、そういう自衛隊でなければなりません。正面装備だけでなく、部品や弾薬、その補給、整備、あるいは輸送、そうしたところに欠けているところは無いのか、机上の空論になってしまっているものは無いのか、一つ一つ点検をしなければなりません。そして、欠けているものがあれば、それをきちんと埋めていく、その努力を今日から始めていかなければなりません。今までの陸・海・空といった区分、あるいは既存の予算、人員に対する考え方、古い前提から脱却をし、新しい情勢にいかに対応していくか、大胆な発想を持ってこの課題に取り組んでいかなければなりません。

 また、これからは、宇宙、サイバー、電磁波という新しい領域にも自衛隊が取り組んでいかなければなりません。そのために、自衛隊を担っていく新たな人材の確保、この育成が大切になって参ります。また、様々な形での国際協力を担うことができる新たなリーダーとしての人材も必要になって参ります。人的基盤の強化、これをしっかりとやっていく必要があります。時代は変わり、昔のやり方ではなかなか新しい人材は入ってきません。若者がついて来られません。時代の変化に応じた制度やルールを変えていく、それも必要だと思います。そして、これからいかに女性自衛官に様々な場面で活躍をしてもらうか、これも大きな課題の一つです。昨年、女性のイージス艦長も誕生し、戦闘機のパイロットも誕生しました。今年はいよいよ潜水艦に女性自衛官が乗り組みます。女性自衛官にできないことはありません。この女性の力を活用しながら、自衛隊の水準をしっかりと維持していきたいと思っております。そして、もう一ついざという時に有事の際に自分の背中を預ける、この自衛隊の仲間に対するいじめ、パワハラ、セクハラ、これを見逃してはなりません。いじめやパワハラやセクハラを見逃したやつは、やったやつと同じくらい悪い、私はそう思っております。こうしたことにきちんと処分をしていく、自衛隊の規律を守る上でも大変重要だと思っております。是非皆さんにもこの自衛隊からいじめ、パワハラ、セクハラを根絶する、一緒に取り組んでもらいたいと思っております。

 そして自衛隊に人材を集めるためにも我々自衛隊が日頃どんなことをやっているのか、自衛隊の一人一人が何を毎日やっているのか、そういう情報を的確に国民の皆さんにお知らせをすることも重要だと思っています。広報の役割はこれからますます重要になってきます。今、様々な部隊、駐屯地、基地Twitterのアカウントを立ち上げて日々情報の発信をしてくれています。大変良い試みだと思います。機密の保持には十分気を付け、また炎上には気を付け、しかしそれぞれの個性のある発信をお願いしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。そして、有事の際に日本を守る自衛隊と在日米軍をはじめとする米軍が共同してこの日本を守る、東アジアの平和と安定を守る、そういうことになってまいります。 

 在日米軍の即応性の維持、そして在日米軍の安定した駐留をいかに維持していくか、これも課題であります。在日米軍が必要な訓練をきちんと行えるように、そして地元の自治体、地元の皆さんのご理解を得られるように安全な運用ができるように、自衛隊としてもしっかりと協力をし、取り組んでいきたいと思っています。米軍の他にも、基本的な価値観を共有する、あるいは安全保障上の利益を共有する様々な国々との二国間、多国間の協力がこれから求められていきます。しっかりとそうしたことに取り組んで行きたい。また、グローバルな安全保障上の課題についても、ソマリア湾、アデン湾における海賊対処行動、あるいはエジプト、イスラエルの間の停戦監視を行う多国籍部隊監視団、あるいは南スーダンのPKOなど、国際的な取り組みを続けて行かなければなりません。そして、いよいよ中東に新たな自衛隊のアセットを調査・研究のために派遣をする、そうしたことにもしっかりと取り組んでいきます。

 最後に自衛隊の環境に対する取り組みについても、申し上げたいと思います。昨年、災害派遣で多くの隊員諸君に出動してもらいました。気候変動が今や自然災害に繋がっている、
全世界的にそういう認識があります。災害派遣に出動する我々自衛隊としてもこの気候変動の問題に、前向きに積極的に取り組んでいく必要があると思っています。駐屯地・基地を初め、自衛隊の全ての施設でなるべく再生可能エネルギーを利用した電力を調達する。なるべく駐屯地・基地の所在する地域の電力会社から調達をする。そういうことをやっていきたいと思っております。初めての試みですから、なかなか上手くいくかどうかわかりません。しかし、前向きに取り組んでいきたいと思っています。そして、もう一つ自衛隊として、地球上のプラスチックごみの問題にも、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。市ヶ谷地区では1月20日から店舗のレジ袋を廃止して、マイバックを持って買い物をしてもらうことになります。それぞれの駐屯地・基地、あるいは様々な施設、同じような試みを是非続いて頂きたいと思います。それぞれの地域で、しっかりと相談をしながら、無理なく進めていって頂きたいと思います。

 今年も、厳しい安全保障の環境は変わらないかもしれません。しかし、その中にあっても、万全の態勢をしっかりと維持していきたいと思います。防衛大臣として皆さんの先頭に立って、国民の平和な暮らしと、領土・領海・領空を守る、そのために努力をしてまいりたいと思います。

 どうぞ今年一年間、よろしくお願いします。

令和2年1月6日
防衛大臣 河野 太郎