MAMOR(マモル)2021年4月号

MAMOR(マモル)は、防衛省が編集協力をしている唯一の広報誌です。
防衛省の政策や自衛隊の活動を分かりやすく紹介し、国民とともに防衛を考える広報誌を目指しています。

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FEATURE

特集

精強で誠実な隊員をつくる教育の秘密は言葉にあった
自衛官を育てる言葉

Military Report

未来装備のプロトタイプ機
Xを実証する熟練集団、その名は
陸上自衛隊 飛行実験隊

編集後記

編集長 高久 裕

高久 裕 プロフィール

 災害派遣活動や広報活動などで、自衛官に初めて接した人の多くは、自衛官の「献身的で謙虚な態度」に心を動かされるといいます。町で遊びに興じる若者たちと同じような年齢の彼ら彼女らは、なぜ、そのような印象を人に与えるのでしょう? それは、自衛隊の教育にある、とマモルは考えました。自衛官は一生勉強、というほど、資質、能力、技能を高めるための教育・訓練制度が整っています。マモルは、その制度だけでなく、教官から学生へ、上官から部下へ、先輩から後輩へかけられる「言葉」に注目しました。リモート社会で、人と人の距離が離れがちな現代だからこそ、自衛官が実際に発した、相手の心に届く言葉の数々を集めました。外出自粛などで、うつうつとした毎日を過ごされている方も多いと思います。ぜひ、一読して、自衛官の言葉から元気をもらいましょう。

特集

精強で誠実な隊員をつくる教育の秘密は言葉にあった
自衛官を育てる言葉

ライター 真嶋 夏歩

 今回、陸・海・空、それぞれの教育現場を取材させていただきました。入隊直後に行われる自衛官候補生課程から幹部高級課程までと、教育課程の対象やその目的は幅広いものでしたが、すべてに共通していたのは、教官、学生たちの、学びに対する熱意と真摯な姿勢です。
  自衛官は自衛官である限り、部隊と学校を行き来し、「一生が勉強」であると言います。大手民間企業を例としても、自社の将来を担う人材を育てるために、これ程までの時間と経費をかけられる組織は少ないのではないでしょうか。
 国防に必要な人材はいかにして育てられるのか。
 特集「自衛官の教育」では、教官や学生たちの言葉から、その根幹に迫ります。

フォトグラファー 近藤 誠司

 今回の特集では新人の教育訓練や幹部学校の様子を垣間見ることができました。
 3日間の撮影中、一番印象に残ったのは幹部学校の学生達です。
 どうしても学生=若者という先入観しかなかったのですが幹部学校での生徒は全国の部隊から集まった様々な制服の隊員達。みんな経験と年齢を重ねているので結婚指輪をされている方も多い。そして何より講義に対する真剣な態度が自分の大学時代の授業風景との大きな違いでした。自衛隊という組織は階級のある組織なので、訓練だけをしていればいいのでなく常に向上心を持って勉強をしている者が上の階級に行けるのです。
 考えてみればすごくシンプルで、民間の会社に置き換えてみてもそれは同じことです。
 彼らの態度に触発され、自分も向上心を絶やしてはいけないと思わされました。

Military Report

未来装備のプロトタイプ機
Xを実証する熟練集団、その名は
陸上自衛隊 飛行実験隊

ライター 臼井総理

臼井総理 プロフィール

 陸上自衛隊飛行実験隊は、一般にはその存在をあまり知られていない。いわゆる第一線の部隊でもないし、新しく導入される航空機や各種装備の試験を行うという任務の性質上、守るべき機密が他部隊にも増して多いことも、部隊が目立たない理由だろう。
 しかし、取材して感じたのは「彼らがいなければ陸上自衛隊の航空科部隊は成り立たない」ということ。記事でも取り上げた通り、彼らが新たな装備の「粗(あら)」を出し尽くし、現場部隊で使いやすいように試験と提言を重ねてはじめて、全国の隊員たちが安心して装備を活用し、任務に集中できるようになるのだから。
 そんな縁の下の力持ちである飛行実験隊の姿、そしてテスト中の新型機をじっくり見ることができた今回の取材は、個人的にも非常に面白く実りあるものだった。部隊各位には、取材中のご協力に改めて感謝したい。
 余談だが、取材後、伊勢志摩の隠れた名物「さめたれ」(さめのたれ)という、サメの干物に出会った。「マジウマ」である。知らない方は、ぜひ試してみてほしい。酒飲みの方には、特におすすめだ。

カメラマン 花井 健朗

 2020年の取材納めは陸自の明野駐屯地となった。新型コロナウイルスで大変な1年を強いられることとなった同年の取材始めが、実は明野駐屯地で、40年近く自衛隊取材をしてきた自分にとっても、その年の最初と最後が同じ駐屯地での取材というのも初めてのことだっただけに、驚きと僅かな面白さも感じてはいたが、もともとここ明野駐屯地とは、若い頃から因縁浅からぬ場所だっただけに、令和の現在もそんなことを引きずっているのかもしれない‥‥。
 ただ、同じ駐屯地とはいえ、取材始め時の部隊は、航空学校をはじめ、第5対戦ヘリ隊や第10師団の飛行隊などだったのに対して、取材納め時は、開発実験団 飛行実験隊と、その性格は大きく異なっていた。
 しかも飛行実験隊(以下飛実隊と略)は、名称こそ知ってはいたが、自分としては初めて取材をする部隊だったのである。
 今だから話してしまうが、昨年の取材始めに明野に行ったのは、ヘリ好きの自分にとって、XUH-2を見たかったが為だと言っても過言ではなく、幸か不幸か、それが叶わなかっただけに、取材納め時の明野には、大いに感激させていただいた。

 さて、XUH-2はさておき、部隊でのインタビュー時、ある隊員の方に「飛実隊のイメージを聞かせください?」の問いに「堅気です!」と答えられたのが印象的だった。
 それまでの取材の中で見えてきていた飛実隊のイメージを実に的確に言い表していた。
 そうなのだ、飛実隊は地味な部隊ではあるが、皆職人気質の集団で、フィギュアスケートや新体操などのスポーツに例えるならば、実動部隊が自由競技とすれば、飛実隊は規定 競技専門のアスリート集団と言えるだろう。
 今回の取材は、数ある自分の明野取材の中でも、とびきり興味深い取材となった。
 余談ながら、食事に行った老舗の店(大衆割烹)で、お品書きに不思議な、これまで見たこともない一品「鮫たれ」なるモノを見つけた。聞けば鮫の干物(焼き)とのこと。物珍しさもあり注文したところ、これが絶品の美味さ!これまで三重県内には何度も行ってはいるが、出会ったことのない珍味に驚いたのだった!情報化が進んだ現在でも、日本国内、まだまだ地元人しか知らない珍味も少なくはないのだろうな‥‥。

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