MAMOR(マモル)
2019年11月号

MAMOR(マモル)は、防衛省が編集協力をしている唯一の広報誌です。
防衛省の政策や自衛隊の活動を分かりやすく紹介し、国民とともに防衛を考える広報誌を目指しています。

FEATURE

特集

1607年、陸自普通科連隊は
熊本城を落とせるか?

自衛隊の
基地と駐屯地はどう違うの?

Military Report

よりディープにより安全に
日本で一番深く潜る男たち

編集後記

編集長 高久 裕

高久 裕 プロフィール

 主に戦国時代に建てられた日本の城は、どれくらいの防衛力をもっていたのか?
 という単純な興味から今月号では、現代の自衛隊が城攻めするシミュレーション特集を組みました。城郭専門家や、元自衛官の戦略アナリストらの分析を基に、元自衛官のお笑い芸人トッカグンが率いる総勢800人の普通科連隊が、 小銃と手りゅう弾だけの装備で熊本城を(真面目に)攻めてみたのです。その結果は本誌を見てのお楽しみ!
 特集のほかにも、深度450メートルの深海に潜って作業する自衛官を育成する海上自衛隊潜水医学実験隊の訓練リポートなど、ほかでは見られない興味深い記事が満載です。

特集 取材後記

自衛隊の
基地と駐屯地はどう違うの?

ライター 魚本 拓

魚本 拓 プロフィール

 自衛隊の基地・駐屯地の取材で昼食を摂るようなときにはたいてい厚生棟の食堂のお世話になります。食後に用を足そうと思い他のスタッフに「皆さん先に行っていてください」などとつい言ってしまったりすると後できっと後悔します。厚生棟から取材先の部隊がご用意してくれた控室のある建物まで一人でたどりつくのが困難を極めるからです。自衛隊の基地・駐屯地内にあるのはどれも白くて高さも似たりよったりの建物で、さっきまで自分がいた控室のある建物がいったいどれなのかがわからなくなります。ほぼ正確に縦横に区画化された敷地内の道路のどこをどう曲がって厚生棟についたのかもすでに記憶にないので、ウロウロするばかりで基地・駐屯地内のどこかわからないところで呆然として立ち尽くす――といったような事態に陥るわけですが、今回の特集がその基地・駐屯地ということなので、自分で執筆を担当しておいてなんですが、本誌を熟読し、その構造等について改めて一から勉強し直したいと思います。特集内では基地・駐屯地の他に類を見ないユニークな施設や設備などもご紹介しておりますので、ご興味のある方はお手にとっていただければ幸いです。

Military Report 取材後記

よりディープにより安全に
日本で一番深く潜る男たち

ライター 古里 学

 ガラス越しに見えるバレーボールの表面がくぼんだかと思うと、あっという間にぺっしゃんこに。加圧中の高気圧酸素治療装置の内部の模様です。
「これで何気圧ぐらいかけているんですか?」
「4気圧ぐらいですかね」
 と装置を操作している隊員の答え。
 水深10メートルあたり1気圧だから、地上が1気圧として4気圧は水深30メートルにあたる。となると、飽和潜水450メートルの時の気圧は……。考えただけでも胸が苦しくなるような数字です。
 そんな環境にある深海潜水訓練装置内で、飽和潜水員は1か月近くも過ごすのですから、フィジカルはもとよりメンタルもとてつもなく強靭でないと務まりません。装置内にいる時は髭も剃れないので、訓練終了後の皆さんの写真をみると、全員山賊のように髭ぼうぼう。でもみんなやり切った感に満ちた清々しい顔をしているのが印象的でした。

カメラマン 長尾 浩之

長尾 浩之 プロフィール

 「MAMOR」での潜水医学実験隊への取材は2度目である。
 前回はまだ部隊が久里浜地区に所在していた時であった。少々老朽化した建物を覚えているが、今回は移転新設の横須賀基地田浦地区での取材。
 深さ11mの恒温水槽はいつ見ても圧巻。深海潜水訓練装置の制御パネルにはびっしり液晶モニターが並び、さながらSFアニメのコントロールルームのようでもあった。
 運よく前回の取材でお話を聞いた隊員の方と再会した。その方はすでに部下を指導し先人から受け継いだ『飽和魂』を伝えてゆく立場になっていた。設備が更新されても次世代へ引き継がれる飽和潜水技術の数々、船の転覆事故など海難事故が発生した場合には人知れず『潜医隊』の猛者たちが出動準備に取り掛かっていると聞く。
 世界屈指の飽和潜水技術は海洋国家であるわが国にとって必要かつ枯らしてはならない技術であると今回の取材であらためて確信した。


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