MAMOR(マモル)
2019年9月号

MAMOR(マモル)は、防衛省が編集協力をしている唯一の広報誌です。
防衛省の政策や自衛隊の活動を分かりやすく紹介し、国民とともに防衛を考える広報誌を目指しています。

FEATURE

特集

航路啓開から日本初の国際貢献など機雷を排除して70余年
伝統的お家芸、自衛隊の
「掃海」

Military Report

空からの侵入者を最後に迎え撃つ!
「愛国者(ペトリオット)」 という名のミサイル、
その配置方法から仕組みまで

編集後記

編集長 高久 裕

高久 裕 プロフィール

 水中で爆発する兵器の総称を水雷と呼び、水中に敷設され、艦船が接近または接触したときに、自動または遠隔操作により作動する兵器を機雷といいます。この機雷を排除することを「掃海」と呼び、実は、この「掃海」という任務は、海上自衛隊誕生の上での重要なエレメントになっているのです。
 終戦直後の日本近海には、日本とアメリカが敷設した機雷が6万個以上残り危険な状態でした。それを海上自衛隊の前身となる航路啓開隊などが掃海したのです。
 今月号は、この「掃海」任務を引き継いだ海自の掃海部隊を紹介しています。この部隊は、1991年には自衛隊初の海外実任務としてペルシャ湾にも派遣されています。掃海実任務の経験数は、世界でトップクラスともいわれ、それによって技術が培われ、今や「掃海」は日本のお家芸といわれるようになりました。
 機雷の仕組みや種類などの基本的な知識から、水中カメラマンを動員して取材した訓練リポートまで満載で、これを読めば、あなたも機雷が好きになるかも?

特集 取材後記

航路啓開から日本初の国際貢献など機雷を排除して70余年
伝統的お家芸、自衛隊の
「掃海」

ライター 鈴木 千春

 機雷ってこんなに種類があるの?? 処分するのはこんなに大変なの?? 私は心底、掃海部隊を尊敬しています。今回の取材でその気持ちは一層、強くなりました。機雷掃海はドンパチとは異なる、海中に潜む強敵との静かな戦いです。水中処分隊、EODの不発弾処理訓練にも同行させていただきました。危険が待つ海中へ挑む勇気、高い技術、チームワーク、どれをとっても素晴らしいプロ集団でした! 機雷掃海は「日本の生命線」である航路の安全のため、命がけの任務であり、まさしく国民生活に直結しています。彼らの活躍のおかげで、私たちは日常を平穏に暮らせます。本当に感謝あるのみ・・・最敬礼!誌面では、写真と図版で、機雷掃海をわかりやすく説明しています。日本人が知っておくべき掃海部隊の歴史も学べますので、是非ご覧ください。

フォトグラファー 尾崎 たまき

 横須賀水中処分隊の皆さんと一緒に潜水し、不発弾処理の予行訓練の様子を撮影させてもらいました。海中の透明度は決してよくはなく、少し離れるだけで目の前にいるはずの隊員さんを確認できないほどでした。そのような中、阿吽の呼吸で危険物を運び、爆破処分用の爆薬を設置する緊張感のある作業を手際よく進める隊員の皆さんたち。作業の素早さに感動すら覚えました。作業中泥が巻き上がってしまうこともあり、顔を近づけても何も見えないこともありました。日頃からの訓練があってこそできる作業であるとつくづく思うとともに、何が起きても冷静沈着に対応できる選ばれた隊員の方でないとできない仕事だと改めて感じた次第です。浮上直前、長い触手に毒があるアカクラゲを見ました。透明度の悪い中での危険生物との遭遇にも、きっと動じることなく冷静なのだろうと思いながら、優雅に漂うアカクラゲの姿も、貴重な取材の記念にカメラに収め浮上しました。


ミリレポ 取材後記

空からの侵入者を最後に迎え撃つ!
「愛国者(ペトリオット)」 という名のミサイル、
その配置方法から仕組みまで

ライター 野岸 泰之

野岸 泰之 プロフィール

 今回取材に伺った第1高射群でもっとも印象に残ったのが“1発の重み”という言葉。航空自衛隊の高射部隊は海上自衛隊のイージス艦とともに日本を弾道ミサイルの脅威から守る大切な役割を担っているのに、国内の訓練では実弾を撃てません。高射隊単位でアメリカの演習場で実弾を撃てる機会はありますが、毎回参加できるわけではなく、すべての隊員が行けるわけでもありません。実任務として与えられる、弾道ミサイルへの対処も、一度展開したらあとはただひたすら待機、そして万一の場合には、決して失敗は許されない……とても地道で忍耐力の必要な部隊なのです。普通の人なら「やってられないなぁ」と感じてもおかしくないはずなのに、皆が日々黙々と訓練に励んでいます。それは、隊員それぞれがアメリカでの実射訓練や、先輩から脈々と受け継がれる経験談によって“1発の重み”を理解しているからだ、と感じました。実際に撃てる機会は少なくても、自分たちの1発が国土を守る最後の盾であり、砦なんだ……その意思の下での結束が、この部隊の精強さを支えているのだ、と思います。弾道ミサイルのニュースを見たら、その陰でしっかりと備える隊員たちがいることを、どうか忘れないでください。

カメラマン 楠堂 亜希

 航空自衛隊の入間基地に初めて入らせていただき、あれほど間近で装備をみる機会があまりないものですから、まず大きさに圧倒され、全てが新鮮な撮影でした。また全員が協力して行う設置作業を、順を追って見せていただきましたが、訓練された無駄のない動き、隊員同士の連携は素晴らしいものでした。インタビューでも若い隊員たちの仕事に対する真摯な気持ちと若さ溢れる話を聞き、大変頼もしく感じました。取材に伺った両日ともに楽しく撮影させていただきました。

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