メンタルヘルスに関するFAQ

3 服務指導・上司等によるカウンセリング等

身上(心情)把握ってムズカシイ・・・

Q:着任して間もなく、現在部下の身上(心情)把握中であるが、プライバシーの問題で本人の心情や家族の状況を把握するのが難しい。
Q:身上(心情)把握にあたり面接(面談)を実施しているが、本音の部分は話さないのでなかなか掌握できない。本音を引き出す方法はないか。
Q:服務指導について、身上把握の徹底が取り上げられているが、最近はきめの細かな身上把握が強調されている。今、部下の数が大人数であり、きめの細かな身上把握は困難である。
Q:内務班長として、班員の身上把握をどのようにやっていけばいいのか常に悩んでいる。
A:プライバシーの問題を抱えて身上(心情)把握は大変と思うが、面接は傾聴に努め、また日常業務を通じ声かけや現場に進出して部下とのコミュニケーションをしっかり図ることに努力されたらよいかと思う。傾聴して信頼ができてこそ本音が吐けるものである。
隊員一人ひとりの身上(心情)把握は直接面談を行うと共に、ある程度の信頼関係が出来ないと難しいと思う。焦らず、普段のコミュニケーションをよくとった上で面談をし、傾聴に努めればそれなりに身上(心情)が把握できると思う。
今の若い隊員はコミュニケーションが苦手で話が出来ないといわれ、そんな状況において身上(心情)を把握することは大変なことである。面談をする場合に相手の気持ちに沿って話を聴くことによって、自分の気持ちを開示する場合もあると思うし、アンテナを広く張り巡らせることによって多くの情報が入ってくる場合もある。「気配り、気づき、声かけ、傾聴」に努めることが重要である。

身上把握は事柄の把握、心情把握は傾聴から
対応に悩んだときは、一人で抱え込まずに、周囲の人に相談してみたり、あるいは部外相談窓口(さぽーとダイヤル)に相談してみましょう。

メンタルヘルスって服務担当者の仕事?衛生じゃないの?

Q:メンタルヘルスとか傾聴とか、本来なら衛生隊が行うべきのような気がする。
何で服務関係者が力を入れるのか。
A:衛生隊は予防対策や治療をする専門家である。
服務担当者や、上司、同僚は、予防するための気づき、相談受け、専門機関へのつなぎ役である。心の健康作りに、セルフケア、ラインケアは不可欠である。

服務指導担当者と部内カウンセラーを兼務してるが適当か?

Q:現在、服務指導担当とカウンセラーを担当しているが、この体制はカウンセリング体制として適当なのか。もし、適当でないとすれば、小世帯の部隊なのでどうしたらよいか。
A: 服務指導とカウンセリングはその性格がことなるので、できれば担当者を別々にした方がよい。カウンセラーや相談受けをする隊員は、階級等にとらわれず、相談しやすいと感じる人や、相談をよく受ける実績のある人にお願いするのが望ましい。ただし、人員的にまた適格者的に無理であれば、服務指導時とカウンセリング時の対応要領を明確に分けることが必要である。なお、服務指導とカウンセリングは、その置かれた立場と技法が異なるだけであり、その狙いとするところは最終的には「隊員の健全化」にあるので、その接し方に注意すればよいと思う。

傾聴ってそんなに重要なの? 指導した方が効果的では?

Q:傾聴して相手を受け入れることが大切だと習ったが、指導、教育があるからこそ人は伸び、育つと考える。ただひたすら傾聴して果たして問題が解決するのか。
A:人格、性格は一様ではない。信頼関係が無ければ話は聴けないし、指導、教育にも限界が生じる。
カウンセリングにおいても傾聴から問題解決(支持、アドバイス等)へ進む。
まずは、受容、共感に努め、本人を支持してやることが先決である。指導してしまうと、本人は萎縮して本音が言えなくなる。本人が本音を言うまでは、忍耐強く傾聴してやって欲しい。

相談にこいといってもこない時は、どうしたらよい?

Q:相談に来いと言っても相談に来ない。それなら部外の相談機関にいかに相談させるか指導した方がよいと考えるがどうか。
Q:相談しようと思っても黙ってしまい、何も話さない隊員が多い。どうしたらよいか。
A: 相談に行くと指導されたり、上司に報告されて評価を下げるのではないかと非常に不安に思って相談に行かない場合が多い。服務指導のやり方では、個人的な悩み、困りごとをすぐには話さない。
普段からの声かけやコミュニケーションによる信頼関係を構築することが必要で、その上で服務指導的な面談でなく、カウンセリングの技法を使用し、本人の苦しい辛い気持ちを先ずは受容、共感に努め、本人を支持してやることが先決である。本人の気持ちが支持されれば、本音が出てくるし、いろいろなことを話すと思うので、忍耐強く傾聴してやって欲しい。
ただし、相談に来なくても隊内に相談できる場所があるということが隊員には大きな安心感を与えるので心配することはないと思う。
防衛省が契約している部外相談機関である「さぽーとダイヤル」で相談を受けるのは、カウンセリングの専門家である産業カウンセラーが相談を受け、必要に応じ専門家のアドバイスを提供するシステムになっているので安心して相談できることを隊員に周知させて欲しい。

仕事のガス抜き要領はどう指導したらよいか?

Q:特に30代前後の隊員が仕事を抱え込んでしまい、それを発散(ガス抜き)出来ない状態の者を散見するが、うまく発散させるコツはないか。
A:仕事を抱え込む人は、真面目な性格の人が多い。そのような人は、自分から言い出すのが苦手である場合が多いので「声かけ」をしてやってもらいたい。(待ってても相談に来ない)
相談(カウンセリング)は、必ずしも決められた場所でやるばかりではない。
時間も短時間で良いと思う。声かけして一緒にジョギングしながらでも、立ち話でも良いから少しずつ何度か接触してガス抜きをしてやればよい。
とにかく、苦しさ、辛さ等の気持ちをしっかり聴いて、事柄の正否よりも本人の言い分を受容、共感して欲しい。

目安箱を設置して、面談につないでいるが、この方法は適切か?

Q:目安箱方式で数通の相談が来て、その後本人と面談しているが、この方法はいかがなものか。
A:相談者は、いきなり相談することにためらいや勇気が必要で、そういう面から考えると目安箱方式は一つのよい方法だと思う。いかに相談に来てくれるかが最も大事なことなので、その気にさせる意味でも大いに活用して欲しい。