総評(野町 和嘉氏のコメント)
前回、令和4年度と比較して、写真部門の応募総数が約2倍に増え、家族等の部23点を含む、総応募点数が137点に達したことをまず喜びたいと思います。写真というアートは、作者の視点が定まり、あるいはシャッターチャンスに恵まれた機会に、ファインダーを見つめ、あ〜私が表現したかったのはこれだったのか!という気づきと発見に目覚めることで、がぜんモノが見えるようになること、私なども何度も気づかされてきたことです。
上位入賞作3作品のうち、航空ショー2点が入賞作品となりました。バラエティーという観点からも、どちらか1点を風景なり人物写真に差し替えられないかと何度も見直し比較してみたのですが、作品が放つ力強さ、訴えかける熱量という基準からしてこのようになりました。強烈な爆音と上空を一瞬で通過する驚異の飛行体、職業柄隊員のみなさんがハイになってのめり込むのは当然のことでしょうが、他の入賞作である、ネコやサルといった生きもの、あるいは人々とのささやかな交歓のなかにも美しい瞬間と気づきが潜んでいること、発見があることに気づいていただきたいと思います。それこそが写真の持つ醍醐味でもあります。
内閣総理大臣賞
「大空に舞う」
大臣官房広報課
森田 舞
【講評】
ブルーインパルスのデモフライトを絶妙のアングルから捉えた力強い作品です。何といっても反逆光で捉えたことで飛行機雲のディテール、ボリューム感、スピード感が見事に表現されていて、動画では見逃してしまう希有の一瞬が定着されています。逆光のためにいぶし銀の光沢を放ち輝いている6機の機体の存在感も際立っています。画面左右をギリギリまで切り取った画面構成も迫真の一瞬を際立たせました。
文部科学大臣賞
「家宝」
陸上自衛隊衛生学校
村西 桃佳
【講評】
「家宝」のタイトルをつけ、家族の一員として、それでいて単にペットとして“かわいい”の溺愛ぶりで一方的に愛情を注いでいる、ありふれた猫の場合とはやや違った微妙な距離感と飼い主が日頃注いでいる尊厳の眼差しが、このネコには通じている様子で、ネコ自身のプライドも感じさせてくれるすばらしい一枚です。毛の質感を際立たせた、柔らかな光の捉え方もすばらしいです。
防衛大臣賞
「見えぬ壁」
航空自衛隊西部航空方面隊
亀山 豪太
【講評】
航空ショーでマッハの壁に挑戦する迫真の一瞬を見事に捉えたベストショット。超越したスピードによって生じた減圧によりヴェイパーが発生した一瞬を真下から捉えることに成功した希有の一枚。隊員による公募コンテストであるため、戦闘機飛行の雄姿に挑んだ作品が多く寄せられていた中でも迫真のショット。
防衛大臣賞(家族等の部)
「森を見つめる」
元隊員等・家族
髙橋 忠照
【講評】
先ず、しっとりと落ち着き静謐な空気感の一枚に結集してシャッターを切った、作者の姿勢を褒めたいと思います。背景のほどよいボケ具合の淡い緑、そして手前にはディテールを感じさせる大木があり、柔らかな森の空気感のなかでの穏やかな息遣いが感じられる優れた作品です。
入選作品一覧
「ラストチャンス」
航空自衛隊第6航空団
中村 恭介
「急上昇中の北陸の
ファイティング・ドラゴンズ」
陸上自衛隊千葉地方協力本部
川島 要
「まったりスイッチON」
沖縄防衛局
金城 紀陽
「鎮魂の海
~USS Emmons DMS-22~」
海上自衛隊補給本部
谷口 剛
「国を護る、自衛隊」
大臣官房広報課
森田 舞
「黄昏」
陸上自衛隊第10師団
大蔵 浩二
「都会のターンテーブル」
陸上自衛隊第10師団
大蔵 浩二
「穂高 秀麗の風」
陸上自衛隊基礎情報隊
工藤 裕司
「黄昏の狩人」
航空自衛隊西部航空方面隊
亀山 豪太
「梅雨明けて、夏盛り」
海上自衛隊沖縄海洋観測所
明石 昌悟
「モットチョーダイ!」
航空自衛隊第3航空隊
羽生田 峰裕
「ひとを投げる気持ち」
陸上自衛隊中部方面システム通信群
森川 遠生
「夕景に祈る」
九州防衛局
遠原 隆広
「水あそび」
海上自衛隊4整備補給隊
坂本 荘司
「門出」
防衛大学校
林 泰聖
「秋桜とP-1哨戒機」
海上自衛隊第4航空群司令部
江田 天平
「硫黄島の息吹」
海上自衛隊硫黄島航空基地隊
浜野 剛
「枝の上の小さなまなざし」
航空自衛隊警戒航空団
上村 雄一郎
「朝日に映える」
陸上自衛隊第6音楽隊
吉田 誠
「冬の雪裡川」
元隊員等・家族
山崎 廣
「雪化粧」
陸上自衛隊第6音楽隊
吉田 誠
「夏の思い出」
元隊員等・家族
中島 綾乃
2025年4月10日更新