写真コンテストの最近の傾向として、コロナ禍により日常活動に大幅な制約を受けることで、むしろ応募点数が増え作品的にも充実している傾向が見られます。外出を控えることでこれまでに撮影した写真とじっくり向き合う機会を持てるようになった、ということでしょう。本展応募作品においても、主に自衛隊活動を題材とした前回までの傾向から作品の幅が広がり充実してきたという印象を受けました。じつは私たちプロ写真家にとって、海外取材には全く行けず大変な困難を強いられている反面、過去に撮影し未整理のままだった厖大な写真をじっくり見直す機会となり、写真の持つ力をあらためて実感しているところです。やがて迎えるコロナ後の自由な空気の中で、新たな視点で向き合った皆さんのすばらしい写真に期待しています。
「鎮魂の海~水深36mに眠る天山~」
対潜資料隊
谷口 剛
海中の藻屑と化して75年以上の歳月を経ているはずなのに、なぜか原形が保たれたままの艦上攻撃機、天山。防衛任務にたずさわる作者が、鎮魂の思いを込めてシャッターを押した切実な思いが伝わってきます。写真の持つ力を実感させられる一枚。
「目指すべき道」
第10通信大隊
大蔵 浩二
完全武装で匍匐前進の訓練でしょうか?部外者には確かなことはわかりませんが、何処にでもいる、未だあどけない面影の娘さんが、炎天下で汗だくになりながら必死の思いで向き合っているのが痛いほど伝わってきます。
2021年8月2日更新