沖縄県による米軍施設・区域への立入申請等に対する米側回答について

令和7年12月19日
防衛省

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嘉手納飛行場、普天間飛行場及びキャンプ・ハンセン周辺の河川等からPFASが検出されていることを受け、汚染源特定のため、平成28年6月以降4回にわたり、沖縄県から米側に対し、1973年の日米合同委員会合意に基づき、これらの米軍施設・区域への立入りを申請するとともに、米側において普天間飛行場の環境調査を実施するよう要請されていると承知しています。

今般、米側から日本政府に対し、これらの立入申請等に対する回答が下記及び別紙のとおりありましたので、お知らせします。政府としては、沖縄県が今般の米側回答を踏まえて改めて立入申請を行う場合には、更なる検討が円滑に行われるよう、外務省、環境省など関係省庁と連携し、可能な限り協力してまいります。

  • 沖縄県は、米軍施設・区域周辺で自ら実施した水質調査の結果を踏まえ、1973年の環境に関する協力に関する日米合同委員会合意の規定に基づき、同県による嘉手納飛行場、普天間飛行場及びキャンプ・ハンセンへの立入りを米側に申請するとともに、米側による普天間飛行場の環境調査を要請した。
  • 在日米軍は、PFAS汚染に関する最大の懸念とは、米軍施設・区域内外に居住する人々のための飲料水への影響であるとの点で、沖縄県に同意する。
  • さらに、飲料水の安全性は、在日米軍の最も重要な環境上の懸念であり、飲料水の安全性を確認することが目的である立入りについては、米軍施設・区域への立入りを許可する可能性のある主な基本原則である。
  • その上で、立入許可に当たっては、1973年11月15日の「環境に関する協力について」と題する日米合同委員会合意に従い、以下の基準やデータを示すことが必要である。
    • サンプル調査の結果を日米双方が適切に評価することができる環境基準
    • 米軍施設・区域が汚染源であることを示す科学的根拠が明確なサンプル調査のデータ
  • 沖縄県の申請にはこれらの基準やデータが示されておらず、また、別紙の理由により、在日米軍としては、沖縄県による米軍施設・区域への立入りを許可しないとともに、米側による普天間飛行場の環境調査も行わないと判断した。
  • いずれにしても、在日米軍としては、PFOS及びPFOAの問題は、米軍施設・区域外に居住する住民や米軍施設・区域内に居住する米軍人、軍属及びその家族の飲料水の安全に関する最も重要な課題であると認識しており、引き続き高い関心を有しているため、米軍施設・区域内に適用される日本環境管理基準(JEGS)の見直しを繰り返しながら厳しく取り組み、不断に努力していく考えである。
  • なお、在日米軍としては、2024年10月までに、沖縄県内に所在するものを含む全ての米軍施設・区域において、PFOS及びPFOAを含む旧式の泡消火薬剤の廃棄を完了し、原料としてPFOS及びPFOAが含まれない新式の泡消火薬剤に交換していることを付言する。

以上

別紙内容

【普天間飛行場】

  1. 採水及び土壌採取の地点について
    • 沖縄県は、普天間飛行場北東部を流れる排水路の流入口及び流出口、北東端のフェンス沿いにある湧水、消火訓練地区の4地点での採水、消火訓練地区1地点での土壌採取を申請するとともに、これらの地点における米側による調査を要請している。
    • 採水・土壌採取の全ての地点で地理的座標が欠如しており、湧水及び消火訓練地区での採水・土壌採取地点は正確に確定できるものでない。
  2. 排水路での採水について
    • 2016年2月に米海兵隊が実施した水質調査の結果、PFOS及びPFOAの合算値の濃度は、普天間飛行場を横断する排水路の流入口で約7ng/L、流出口で約6ng/L。この結果は、普天間飛行場が排水路の排水にPFOS及びPFOAを加えていないことを示している。
    • PFOS及びPFOAの濃度に関する日米の排出基準はない。
    • 普天間飛行場からの排水は、日本環境管理基準(JEGS)に従っているところ、当該排水に含まれるPFOS及びPFOAの濃度が日本の排水基準に準じていないこと、かつ、それが普天間飛行場外の汚染源に起因するものではないことを証明するデータが示された場合、在日米軍は、沖縄県の立入申請を再考する。
  3. 消火訓練地区での採水について
    • 消火訓練地区の水は、基地内外において、飲料水として使用されていないことから、消火訓練地区での採水を行う必要はない。
  4. 湧水での採水について
    • 当該湧水の名称や当該湧水が飲料水源として使用されているか、また、沖縄県民にとって歴史的及び文化的に重要な資源であるかの詳細情報が提供されなかったため、立入りの可否に係る判断ができなかった。
    • 上記追加情報の提供があった場合、在日米軍は、沖縄県の立入申請を再考する。
  5. 土壌採取について
    • 土壌採取の目的が立入申請書に明記されていない。
    • 土壌中のPFOS及びPFOAの濃度に関する日米の環境基準もない。

【嘉手納飛行場】

  1. 採水及び土壌採取の地点について
    • 沖縄県は、嘉手納飛行場内の大工廻川4地点での採水、嘉手納弾薬庫地区内の比謝川3地点での採水及び嘉手納飛行場内の3地点での土壌採取を申請している。
    • 大工廻川地点番号4は実際に大工廻川と関係なく、採水するような地点もない。
    • 比謝川地点番号1は、嘉手納飛行場外にあるため、立入許可の如何に拘わらず、立入りは可能である。
    • 採水・土壌採取の全ての地点で地理的座標が欠如しており、土壌採取地点は正確に確定できるものでない。
  2. 採水について
    • 立入申請後、沖縄県は、飲料水源として大工廻川及び比謝川からの取水停止を決定したこと、また、嘉手納飛行場及び嘉手納弾薬庫地区の排水口で採水を行う能力を有していることから、もはや立入申請は有効な要求ではなく、嘉手納飛行場内で採水を行う必要はない。
    • 沖縄県は、採水のため、嘉手納飛行場内の井戸群へ立入り可能である。
  3. 土壌採取について
    • 土壌採取の目的が立入申請書に明記されていない。
    • 土壌中のPFOS及びPFOAの濃度に関する日米の環境基準もない。

【キャンプ・ハンセン】

  1. 採水及び土壌採取の地点について
    • 沖縄県は、キャンプ・ハンセン内の4地点での採水及び4地点での土壌採取を申請している。
    • 採水・土壌採取の全ての地点で地理的座標が欠如している。
  2. 採水について
    • 立入申請後、沖縄県は、金武町に飲料水を供給するための送水管を設置した。その後、金武町は、飲料水源としての井戸の使用停止を決定し、沖縄県から供給される浄水に切り替えたことから、もはや立入申請は有効な要求ではなく、キャンプ・ハンセン内で採水を行う必要はない。
    • 沖縄県から提案のあった採水4地点には確認できる水源はない。
  3. 土壌採取について
    • 土壌採取の目的が立入申請書に明記されていない。
    • 土壌中のPFOS及びPFOAの濃度に関する日米の環境基準もない。

以上