令和5年12月22日
防衛省
英語版/English
(以上)
2023年12月20日
於:フィリピン空軍基地
テオドロ国防大臣、パレーニョ空軍司令官、御臨席の皆様、
本日、このような場に臨席でき、大変光栄に思います。残念ながら木原防衛大臣は参加が叶いませんでしたが、代わって私からご挨拶させていただきます。
本日は、FPS-3ME警戒管制レーダー納入記念式典にお招きいただきありがとうございます。本レーダーは、我が国として最初の完成装備品移転案件です。本日まで、比空軍と日本政府及び三菱電機は、緊密に調整を行ってきました。日比すべての関係者の協力を得て、こうして本日無事、1基目レーダーの納入式典を迎えることができたことを大変喜ばしく思います。改めて、日比関係者の皆様方のご尽力に対し、心より感謝と敬意を表したいと思います。
さらに、航空自衛隊及び陸上自衛隊におけるフィリピン空軍レーダー要員への教育は、レーダーに関する知識を提供しただけでなく、両軍種間の関係深化にも繋がりました。このように、本事業を契機として育まれた人と人との信頼関係は、今後の両国関係進展の礎となるものと確信しています。彼らが、今後のフィリピン空軍における警戒管制レーダーの運用や維持整備において、大いに活躍してくれると思います。日本は引き続き、比軍の発展を支援します。
我が国とフィリピンとの関係は、かつてないほど強固になっています。マルコス大統領の就任後、既に4回の首脳会談が実施されており、直近では11月に岸田総理大臣の訪比、先週にはマルコス大統領の訪日が実現しました。
フィリピンは、我が国にとって基本的価値を共有する戦略的なパートナーであり、インド太平洋地域において多くの安全保障上の課題が存在する中、両国が協力する意義はますます高まっています。
最近の中国海警局に所属する船舶等によるフィリピン船舶への妨害活動が頻繁に報告されているということを承知しております。我が国としては、こうした地域の緊張を高める行為を深刻に懸念しております。我が国は、南シナ海における力による一方的な現状変更の試みや、緊張を高めるいかなる行為にも強く反対します。また、防衛省としては、南シナ海に限らず、いかなる地域においても、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序が重要であるというふうに考えています。日本国の防衛大臣もその旨対外的に明らかにしています。その中で、本レーダーの移転は、日本製装備品によりフィリピンが周辺空域に向けた新たな「目」を持つことを意味し、これは両国の協力がインド太平洋地域の平和と安定に貢献することの確固とした証左です。我が国は、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」のビジョンの下、引き続き、我々の親しい友人であるフィリピンの安全保障能力の向上に寄与していく考えです。その意味で、日比防衛当局間の協力・交流が、ハイレベル交流、二国間・多国間訓練、能力構築支援、防衛装備・技術協力などを通じ、様々なレベルでの信頼醸成が促進していることを大変嬉しく思います。
最後になりましたが、防衛装備技術分野を含む全ての日比防衛協力の益々の深化と、ご列席の皆様方のご健勝、ご多幸をお祈りし、私の挨拶とさせて頂きます。