ペトリオット・ミサイルの米国への移転について

令和5年12月22日
内閣官房
外務省
経済産業省
防衛省

印刷用

  1. 我が国がライセンス生産を行っているペトリオット・ミサイルの我が国から米国への移転(以下「本件海外移転」という。)について、「防衛装備移転三原則」(平成26年4月1日閣議決定、令和5年12月22日一部改正)及び「防衛装備移転三原則の運用指針」(平成26年4月1日国家安全保障会議決定、令和5年12月22日一部改正)に従い、国家安全保障会議で審議した結果、海外移転を認め得る案件に該当することを確認した。
  2. 厳しさを増す安全保障環境の中で、日米安全保障体制を中核とする日米同盟は、我が国の安全保障及びインド太平洋地域を含む国際社会の平和と安定の実現に不可欠な役割を果たしている。この観点から、同地域に展開する米軍を含む米国政府以外に更に提供されないことを米国政府との間で確認した上で、米国政府からの要請を踏まえ、米軍の態勢を支えるべく、自衛隊が保有するペトリオット・ミサイルを米国に移転し、米軍の在庫を補完することは、米国との安全保障・防衛協力の強化に資するとともに、我が国の安全保障及びインド太平洋地域の平和と安定に寄与するものであることを日米間で確認しており、我が国の安全保障の観点から積極的な意義を有する。さらに、本件海外移転の仕向先は米国であり、最終需要者は米軍であるため、適正管理の確実性は高い。加えて、ペトリオット・ミサイルは米国から要求仕様が明示されているライセンス生産品であること等を考慮すれば、我が国の安全保障上の問題はないと認められる。
  3. 本件海外移転については、日米相互防衛援助協定の下で、目的外使用及び第三国移転について、我が国の事前同意を米国政府に義務付けることとなるため、ペトリオット・ミサイルの米国への移転後の米国政府による適正な管理が確保されると認められる。
  4. 経済産業省においては、上記の国家安全保障会議での審議の結果を踏まえ、本件海外移転に関する許可申請があった場合には、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)に基づき、適切に対応することとする。

【参考】ペトリオット・ミサイルの概要

ペトリオット・ミサイルは、弾道ミサイル等を迎撃するために米国が開発した地対空誘導弾であり、我が国においては、ライセンス生産を実施し、現在も航空自衛隊が運用している。