「第12回日ASEAN防衛当局次官級会合」及び「日ASEAN環境安全保障セミナー」について

令和5年3月15日
防衛省

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令和5(2023)年3月15日(水)、防衛省・自衛隊は、東京において「第12回日ASEAN防衛当局次官級会合」及び「日ASEAN環境安全保障セミナー」を開催しました。

我が国からは、岡防衛審議官が議長を務め、ASEAN各国(※)の防衛当局及びASEAN事務局の次官級等が参加しました。また、今般の会合に併せて、参加各国などとの間で二国間会談等を行いました。

防衛省・自衛隊としては、「日本ASEAN友好協力50周年」を迎える本年、日ASEAN防衛協力をさらに強化し、地域の平和と安定により一層貢献していく考えです。

(※)今般、ASEAN各国からは、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ及びベトナムが参加

1.第12回日ASEAN防衛当局次官級会合

「第12回日ASEAN防衛当局次官級会合」は、令和元(2019)年10月の第11回会合以降、約4年ぶりに対面での開催となりました。

  1. 冒頭、井野防衛副大臣から歓迎の挨拶があり、「日本ASEAN友好協力50周年」を迎える今年、日ASEAN防衛協力をより一層推進していきたい旨述べました。
  2. 本会合では、地域情勢や各国の安全保障・防衛政策などについて、率直な情報共有や意見交換が行われました。我が国からは、昨年12月に策定された新たな「国家安全保障戦略」などについて説明し、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向け、自由で開かれた国際秩序の維持・強化と同志国等との連携を強化していく旨表明しました。
  3. また、我が国からは、FOIPと「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」は、本質的な原則を共有しているとの認識に改めて言及するとともに、日ASEAN間の防衛協力・交流を一層強化していく旨重ねて強調しました。
  4. さらに、今般、我が国がASEANの域外国として初めて「ASEAN・ダイレクト・コミュニケーションズ・インフラストラクチャ―(ADI)」の運用を開始したことを公表しました。

2.日ASEAN環境安全保障セミナー

「日ASEAN環境安全保障セミナー」は、気候変動が安全保障上の脅威であるとの認識の下、我が国とASEAN間の知見の共有を図り、この共通の課題に効果的に対応できるよう、我が国の新たなイニシアティブとして、今般初めて開催したものです。

  1. 我が国からは、気候変動の問題は「連鎖するリスク」であり、一国の問題ではなく、世界の平和と安定を脅かしているとし、ASEAN地域でも、気候変動が安全保障にもたらす影響は、一層大きくなってきているとの認識を示しました。
  2. その上で、昨年8月に防衛省・自衛隊が策定した「防衛省気候変動対処戦略」について説明するとともに、この戦略に基づく具体的な取組みなどについても紹介しました。
  3. 参加各国等からも、それぞれの国が直面する気候変動に伴う自然災害等の影響や軍による取組みについての発表や意見交換が行われたほか、米インド太平洋軍司令部の専門家から気候変動と安全保障の関係について、オンラインで発表が行われました。