米空軍嘉手納飛行場所属F-15C戦闘機の墜落に関する調査結果について

平成31年4月24日
防衛省・外務省

 平成30年6月11日に米空軍嘉手納飛行場所属のF-15C戦闘機が、嘉手納飛行場(沖縄県)の南方約70マイル付近の太平洋上に墜落し、乗員が重傷を負った事故について、米国政府から日本政府に対して以下のとおり、調査結果等に関する情報の提供がありました。

1.事故の概要・原因

  • 本件事故は、パイロットのミスによるものであり、機械的欠陥や設計、あるいは航空機の整備に起因するものではなかった。
  • 事故機のF-15Cのパイロットは、対戦機であるF-22と共に、異機種間基礎戦闘機操縦訓練を実施中、F-22に集中していたこと等により、空間識失調(※)に陥ったと考えられる。
    (※空間識失調:機体の姿勢について、パイロットの認識と実際の機体の姿勢が不一致な状態。)
  • パイロットは、F-22に対する防御態勢をとるために、垂直上昇を開始したものの、推進力が不足したため、機首は大きく下降した。
  • パイロットは、機体が思うとおりの速度で飛行していないと感じ、空間識失調の状態のまま、右ラダーペダルを一杯に踏み込みながら、操縦桿を前方へ押すという誤操作を行った。
  • 機体は、偏揺れ及び横揺れを伴いながら下降し、マイナスの重力による飛行制御の喪失に陥り、急激な横転後にスピンしながら、緊急脱出可能最低高度(地上6,000フィート)を下回った。
  • パイロットは機体を立て直すことができず、高度約1,100フィートで緊急脱出した。
  • 当該機については、機体の整備記録の確認、整備士の証言、警告灯の表示や兆候はなかったというパイロットの証言、操縦に関するパイロットの証言と機体の航跡の一致、シミュレーターによる誤作動の有無の再現、脱出後の軌道についての専門家による分析の結果などから、飛行前から事故までの一連の流れの中で、機体の誤作動は確認されなかった。
  • 今回の事故は、下降した機体を立て直そうとしたパイロットが、空間識失調の状態であったため、機体の操縦を誤り、結果、飛行制御の喪失に陥ったものである。

2.再発防止等

  • 機体の特性を踏まえた高度な訓練と評価の項目を増やし、訓練内容を強化した。
  • 類似の状況に置かれた場合に、パイロットが判断する時間を増やせるよう訓練の規則を見直した。