CH-53Eの飛行再開に当たっての安全確認等の内容について

平成29年10月26日
防衛省

 今月11日に沖縄県国頭郡東村(くにがみぐんひがしそん)に緊急着陸したCH-53Eの安全確認について、防衛省は、現地に専門的知見を有する自衛官を派遣するなどして、今回の事故を受けた米側の初期調査結果を踏まえた安全確認等の内容について、米側より以下の1から5のとおり説明を受けた。

1 事故概要について

  • ・ 平成29年10月11日(水)、米海兵隊普天間基地所属のCH-53Eヘリ1機が通常の訓練を実施中、飛行中の火災により、沖縄県国頭郡東村高江地区の車集落(くるましゅうらく)で、緊急着陸した。現場は、米軍施設・区域外の牧草地であり、パイロットは地上の人員及び財産への危険を回避するため、当該地点に慎重に着陸した。
  • ・ 搭乗員7名に負傷者等なし。民間に人的被害はないが、物損については確認中。

2 事故原因について

  • ・ 事故原因については引き続き米側において調査中であり、CH-53Eの機体の構造上の不具合に起因する火災であったと判断する材料は初期調査においては、見い出せなかった。本件固有の事故であると考えられる。
  • ・ これは、米海軍安全センター、事故機の製造会社(シコルスキー社)及び第1海兵航空団等の専門家の意見等を総合的に勘案して得られた結論である。なお、海軍安全センターの任務は、海軍及び海兵隊の事故を防ぎ、命を救い、そして安全及び戦闘即応性についての組織文化を強化することである。
  • ・ CH-53Eは、日本を防衛する上で重要な役割を担っている安全で信頼できる機体である。
  • ・ 特に、この間、全世界の米軍艦隊所属のCH-53Eの運用は続けられ、特筆すべき事故は発生していない。沖縄県における飛行停止は、機体の安全、搭乗員の練度、整備において順守すべき手順及び沖縄に配備されている全てのCH-53Eの機能・安全点検を確実なものとするためにとられた自主的措置であった。

3 機体について

  • (1)日本に残っているCH-53Eの全機について、10月12日から同月17日までの間、徹底的な安全点検を実施した。
  • (2)安全点検は、米海軍航空整備プログラムに基づき、初期調査で判明したエンジン火災に関係する全ての機体系統に関して実施された。点検を実施した機体系統は、以下のとおりである。
    • ・ エンジン本体
      搭載する3つのエンジン本体及びエンジン区画に流体が過剰に流入していないか確認
    • ・ 燃料系統
      燃料タンクからエンジンに至る燃料経路に沿った構成品(燃料タンク、燃料フィルター、ブースターポンプ、燃料配管等)の点検を実施
    • ・ 熱による損傷がないかエンジン区画に配置された配線を確認
  • (3)具体的には、全ての検査は、検査資格を有する整備員が実施し、その内容は機材を使用した詳細検査、目視検査、エンジン試運転及びローター回転を伴う地上試運転であり、米海軍航空整備プログラムに基づき行われた。
  • (4)飛行再開に先立ち、全ての同型機の安全点検を実施した。これらの安全点検の結果、当該事故機以外の機体が米海軍航空整備プログラムで定められた品質を確保していることが確認された。
  • (5)事故機の機器来歴簿、整備記録等を確認した結果、当該機の整備は適切に実施されたことを確認した。

4 搭乗員及び整備員について

  • (1)事故機に搭乗していた搭乗員に対して、航空医学的な検査を実施した結果、身体・精神的な異常は認められず、訓練管理も適切に実施され、適正な資格を有していた。
  • (2)日本国内に所在するCH-53E搭乗員全員について、飛行手順及び飛行安全確認を徹底するため、フライトハンドブック、飛行標準化図書等の関連マニュアル類の再教育、飛行安全に関するブリーフィングを10月12日から同月17日まで実施した。
  • (3)搭乗員の安全意識及び必要な知識の定着を確認するため、全搭乗員に対し、10月12日から同月17日まで集合教育及び第465飛行隊長による面接を実施し、内部規則で定める搭乗員の技能基準を満たしていることを確認した。
  • (4)日本国内に所在するCH-53E整備員全員について、整備規則、定期整備要領、品質管理要領及び整備安全確認を徹底するため、米海兵隊航空整備マニュアル等の関連マニュアル類の再教育、品質管理・整備安全に関するブリーフィングを10月12日から同月17日まで実施した。
  • (5)更に、整備員の安全意識及び必要な知識の定着を確認するため、全整備員に対し、10月12日から同月17日まで第465飛行隊長による面接を実施し、内部規則で定める整備員の技能基準を満たしていることを確認した。

5 その他

  • (1)飛行前準備及び飛行は、規則に従って適切に実施されていることを確認した。
  • (2)事故発生時の天候は、飛行制限内であることを確認した。

6 防衛省としての評価

  • ・ 事故機は、エンジン火災発生後、着陸する際、搭乗員によって完全にコントロールされていたことを米側への聞き取り及び着陸後における同機のメインローターブレード、降着装置及びテールスキッドの状況から確認した。
  • ・ 米側において本件事故の調査が引き続き行われていることから、現時点において、米側から事故原因の詳細について提供はなかったが、米側は、調査終了後に事故原因に関する情報を共有することに同意した。
  • ・ その一方で、上記3のとおり、沖縄に配備されている残りの全てのCH-53Eの点検が実施されたことを確認し、少なくとも事故機以外のCH-53Eの機体については、問題がないことを確認した。
  • ・ また、上記4のとおり、搭乗員及び整備員についても、人的要因に関する再発防止対策がとられていると考えられる。
  • ・ 以上により、米軍がCH-53Eの飛行を再開するまでに飛行の安全を確認するための一定の合理的な措置がとられたと認められる。一方、事故原因については、米側において本件事故の調査を行っているところであり、その結果を待ちたい。

ページの先頭へ戻る