防衛省・自衛隊70周年にあたっての木原防衛大臣談話

70年前の今日、防衛庁設置法と自衛隊法が施行され、防衛庁・自衛隊が誕生しました。

これまで防衛省・自衛隊の活動に御理解と御協力を賜ってきた皆様に対し、防衛大臣として、心からの感謝を申し上げます。

発足直後、木村( とく )太郎( たろう ) 初代防衛庁長官は、職員は皆、防衛庁・自衛隊の「新しい伝統」を自分たちで作っていくという希望に燃えていると語りました。

終戦後の独立回復から2年、戦争の記憶も色濃く残る中、自衛隊は我が国の防衛という崇高な任務を担い、その完遂に努めてきました。

そして、国際情勢が目まぐるしく動く中で、自衛隊の任務は次第に拡大していきました。21世紀に入ってからも、防衛省への移行や平和安全法制の成立などにより、防衛省・自衛隊に期待される役割はより一層重くなってきています。

今日、1つの節目を迎えるに当たり、木村長官が語った「新しい伝統」とは何かと考えました。

それは、いついかなる時も「国民のための自衛隊」である、ということではないかと思います。

今では国民の9割が自衛隊を信頼していると言われていますが、それは、隊員1人ひとりがこの「新しい伝統」を胸に、ひたむきに任務に励んできたからこそです。

現在、我々は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中で、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、防衛力の抜本的強化に取り組んでいるところですが、これからも国民の信頼と期待に応え続けられるよう、防衛大臣として、隊員諸君とともに一層努力していく所存です。

伝統とは、長い歴史を通じて培っていくものです。「存在する自衛隊」から「行動する自衛隊」と言われて久しいですが、任務が増大する中で、我々自身もまた、新たな伝統を作っていかなければなりません。

本年秋には創設70周年を記念する自衛隊観閲式を実施するとともに、来年以降、隊員の使命の自覚や士気の高揚を図りつつ、新たな形を模索していきたいと思います。

こうした取組も含め、皆様におかれましては、引き続き、防衛省・自衛隊の活動に御理解と御協力をいただければ幸いです。

令和6年7月1日
防衛大臣 木原稔