動画版
○ 今日は2点あります。まず、1点目はインドネシアにおける国際緊急援助活動の終結についてです。インドネシア共和国における山林火災に対する国際緊急援助活動について、インドネシア政府との協議の結果を踏まえ、本日、私から統合作戦司令官に対し、その終結を命じました。本日計画している消火活動をもって、部隊は現地での活動を終了し、陸上自衛隊のCH-47輸送ヘリコプター3機を搭載した、海上自衛隊輸送艦「くにさき」は、準備が整い次第、本邦へ帰国する予定です。今回の派遣に当たっては、インドネシアとの平素からの友好関係、とりわけ、私とシャフリィ国防大臣をはじめとする両国国防当局の間で培ってきた信頼関係が、その基盤となりました。私自身、シャフリィ大臣から自衛隊による協力を検討してほしいとの連絡を直接受け、派遣後も、現地の状況や自衛隊の活動について緊密に意思疎通を続けてきました。今般の活動では、CH-47輸送ヘリコプター3機により、昨日までに40回以上の消火活動を実施し、約220トンの水を放水しました。シャフリィ大臣からは、現地で任務に当たる隊員に対する感謝と敬意が繰り返し伝えられています。また、自衛隊の活動に対するインドネシア国防省からの高い評価の表れとして、現地で任務に当たった隊員に対する表彰も予定をされています。私も、厳しい環境の中で任務を遂行した隊員の皆さんを、心から誇りに思います。また、自衛隊に寄せられた感謝や信頼は、国防当局間にとどまるものではありません。派遣された隊員からは、現地の方々から、一緒に写真を撮ってほしい、握手をしてほしい、そんな声を掛けられるなど、温かくインドネシアの皆さんに迎えられ、自衛隊に対する親しみや信頼を強く感じたという報告を受けています。今般の活動は、一人一人の隊員の献身と、それを支えた両国の国防当局間の強固な協力関係によって、着実に遂行することができました。防衛省・自衛隊としては、今回培われた信頼を礎として、インドネシアとの防衛協力を一層深めていきたいと思います。そして、今後とも、国際社会の一員として、人道的観点から必要な支援に積極的に取り組んでまいります。
○ そして、2点目ですが、日本・モンゴル防衛大臣会談の実施についてです。明日9月30日、モンゴルのダンバ・バトロト国防大臣が来日し、防衛省において、2024年2月以来となる日本・モンゴル防衛相会談を実施する予定です。モンゴルは、ロシアと中国に挟まれた戦略的要衝に位置し、自由、民主主義、法の支配といった価値や原則を共有する、平和と繁栄のための特別な戦略的パートナーであります。今回、バトロト大臣と初めて会談できることを大変うれしく思います。モンゴルとのこれまでの協力は、能力構築支援、部隊による相互訪問、陸自・空自の「カーンクエスト26」への参加などがあります。今回の会談では、日・モンゴル防衛協力・交流の進展に向け、率直かつ具体的な議論を行いたいと考えています。また、この機会を通じて、バトロト大臣との信頼関係を深めていきたいと考えています。冒頭、今日は2点で以上です。
記者:
台風25号による、神奈川県と千葉県への自衛隊の災害派遣について、27日には神奈川県での任務を終了しましたが、活動を振り返っての受け止めをお伺いします。また、現在も千葉県では人命救助活動等に当たられているとのことですが、千葉県での活動状況についても教えてください。
大臣:
まずは、この台風25号で被災された皆様に心からお悔やみとまた御見舞いを申し上げたいと思います。そして、今回の大雨によって、神奈川県と千葉県では土砂崩れによる行方不明者が発生しました。両県から人命救助の災害派遣要請を受け、自衛隊は迅速に現場に入り、活動を開始しました。神奈川県では、横須賀にある武山駐屯地の第31普通科連隊などが、消防・警察と連携し、また、私も、新田連隊長と直接お話をさせていただきましたが、地元の建設業界の皆さんなどとも協力をした上で、行方不明者の捜索にあたり、9月27日に活動を終了しました。非常に一体感のある、官民連携があったおかげで、迅速に、スムーズに活動できたというところもありますが、一方で、行方不明者の方の生存につながらなかったと、こういったことについては非常に無念を感じておりますし、現場の皆さんも同じような思いでいました。ただ、同時に厳しい環境の中、私も現場の状況を詳しく聞きましたけれど、雨もまだ降っていますので、二次被害のリスクも非常に高い、そういった現場であったと聞いています。そんな中でも、最後まで任務にあたった自衛隊員、また、一緒になって連携をしていただいた消防・警察、そして建設業界の皆さん、こういった関係機関や関係の民間の皆さん、その方々に深く敬意を表する次第です。一方で、千葉県では、本日も長柄町において、下志津駐屯地の高射学校の隊員約20名が、行方不明者の捜索を継続しています。また、昨日、千葉県から新たな要請を受けました。具体的には、停電が続く地域のうち、倒木により道路啓開を行う重機が入れず、電気事業者が現場に入れない場所があります。こうした県内7個所の7個の市、11か所において、習志野駐屯地の第1空挺団が倒木を撤去し、電力の早期復旧につなげる活動を実施しています。引き続き、消防・警察などの関係機関と緊密に連携し、行方不明者捜索に全力で対応してまいります。また、台風26号が関東方面に接近するおそれもありますので、被災地の安全を第一に、緊張感をもって対応していきたいと思います。
記者:
昨日のBS番組での大臣の発言について伺います。核兵器や原潜についての議論が必要との見解を改めて示されましたが、安保三文書の改定の中で非核三原則の見直しや原潜保有も議論するという趣旨か教えてください。また、米軍による原爆投下を経験した国として、核兵器をめぐって議論するにあたり、国民に対する情報発信や説明を尽くす必要性についてどのように考えておられるか、あわせて教えてください。
大臣:
これまで、被爆地や被爆者の方々が訴えてこられた、核兵器のない世界を願う切実な思いに、私も強く共感していますし、昨年末、長崎市の平和公園を訪れて、献花を行いましたが、その際にも、核の惨禍を決して繰り返してはならないとの思いを、改めて強く胸に刻みました。核兵器によってもたらされた広島、そして長崎の惨禍は決して繰り返されてはならないとの強い決意は、これまでも、これからも決して変わることはありません。同時に、だからこそ、新しい戦争を起こさせないために、我が国に侵攻しようとする相手に対し、侵攻の目的を達成することは容易ではない、侵攻はやめた方がよいと思わせる体制を整えることが不可欠であるとも考えています。御指摘の私の発言でありますけれど、防衛政策に関する一般論として、我が国として、国民の命と平和な暮らしを守り抜くための政策について、タブーなく、あらゆる選択肢を排除することなく、国民に丁寧に説明しながら議論していくことが重要であるという趣旨を述べたものです。番組の中で見ていただければ分かるとおりですね、世界で取り巻く、様々な安全保障の、各国の政策変更や、我々を取り巻く、北朝鮮・中国・ロシア、こういった周辺国の様々な動き、これについても丁寧に説明をさせていただくことで、我々が持っている危機感というものを皆さんと共有できるように、これからも丁寧に説明したいと思います。我が国を取り巻く安全保障環境も楽観視できる要素は皆無だと言っていいと思います。この危機感の下に、あらゆる選択肢を排除することのない議論の必要性を国民の皆さんにも御理解いただけるように努めていきたいと思います。三文書の改定ということも迫っていますが、現時点で、何かを決め打ちした議論をするつもりはありません。今後の防衛力の具体的な内容、そして、防衛費の水準、また、我が国の主体的な判断の下で、こういったものは、国民の命や暮らしを守るために何が必要かは、現実的に、具体的に議論を積み上げた結果だと思っています。今の思いを基にですね、これからも具体的な内容、そして背景となるような安全保障環境の厳しさについても、防衛白書、SNS、様々な発信をしていますから、これからも国民の皆様に、可能な限り真摯に丁寧に御説明していきたいと考えています。
記者:
米軍普天間飛行場代替施設の事業費についてお伺いいたします。2006年から2025年度までの支出額が7,835億円となり、防衛省が試算した総事業費9,300億円の84%に達しています。直近3年間では単年度で1,000億円を超える支出が続いており、今後数年で見積額を超過する可能性がございます。見積額の再試算をする予定はありますでしょうか。
大臣:
この普天間飛行場代替施設建設事業等の経費の概略については、令和元年12月に沖縄防衛局が地盤改良工事の追加に伴う工事計画の見直し結果や当時の工事の状況等を踏まえ、約9,300億円とお示ししたところです。公表した当時も御説明しているように、この経費の概略については、その時点での検討を踏まえたものであり、今後の検討等によっては変更があり得るものです。その上で、この経費の概略については、工事の進捗等を踏まえつつ検討する必要があることから、現時点では具体的に見直す段階にはなく、今後の大浦湾側の工事の進捗等を踏まえて検討してまいります。辺野古移設にかかる経費は、普天間飛行場の一日も早い全面返還、そして、地元の基地負担の軽減を図るために不可欠な経費であると考えています。防衛省としては、引き続き、経費の抑制に努めながら、辺野古移設に向けた工事を着実に進めてまいります。
記者:
米軍嘉手納基地にタイフォンとハイマースが保管される件について伺います。地元嘉手納町の當山町長は昨日28日に、沖縄防衛局に対して保管計画の即時完全撤回を求めました。町長は抗議要請文書で、町民の過重な基地負担を顧みない日米両政府の姿勢には、極めて強い不信感を抱かざるを得ないとして、保管は言語道断で容認できないと訴えています。地元の理解を得られない形での保管について、大臣はどのようにお考えでしょうか。また、嘉手納に保管されるタイフォンとハイマースのそれぞれの数量、嘉手納で保管されることになった経緯と戦略的な意義についても教えてください。最後に、保管期限についても決まっていないとのことですが、そうであれば嘉手納での暫定配備、もしくは恒久配備にならないでしょうか。大臣の見解をお願いします。
大臣:
今般、アメリカ陸軍のミサイルシステムであるタイフォンとハイマースを嘉手納飛行場に保管することとなりました。保管先の検討に当たっては、アメリカ側から大型輸送機による輸送が可能な施設を備えているか、アセットが保管できる施設を備えているかなどの観点から総合的な検討を行ったという説明を受けています。その上で、防衛省としては、本件の戦略的意義について、嘉手納飛行場に高い機動性を有するこれらのアセットを保管することで、米軍の機動展開能力を一層効果的に示すことができると考えています。また、在日米軍基地への保管により、自衛隊がこれらのアセットとの共同訓練を一層柔軟に実施しやすくなります。こうしたことが、日米同盟の抑止力・対処力の強化につながるものと考えています。また、今般保管されるタイフォンとハイマースの数量、そして保管期間についてもお尋ねがありましたが、米軍の運用の詳細に関することでありますから、お答えすることは差し控えます。その上で、アメリカ側からは、今般の保管に伴って嘉手納飛行場に当該アセットを運用する部隊は配置されず、日本への恒久的な配備ではないとの説明を受けています。そして、御指摘のとおり今般の保管について、嘉手納町をはじめ、地元の皆様から厳しい御意見もいただいておりますが、我が国を取り巻く安全保障環境が更に厳しさを増す中であっても、沖縄を含む我が国の国民と平和な暮らしを守り抜く。そのために日米同盟の強化は必要不可欠であるということを御理解いただきたいと思います。その上で、防衛省としては、アメリカ側に対して保管に当たっては、安全確保に万全を期すことと、地元の皆様の生活に与える影響を最小限にとどめることを求めるとともに、引き続き、関係自治体への丁寧な説明や適切な情報提供に努めてまいります。
記者:
防衛省は10月に始まる日米共同統合演習「キーン・ソード」で、熊本県の健軍駐屯地に配備されている長射程ミサイルを大矢野原演習場に展開する方向で調整しているとの報道がありますが、運用部隊や発射車両を演習場に移動するのは事実でしょうか。また、この共同訓練への説明会は開かれるのでしょうか。開かれる場合の日時や場所、対象者など現時点で決まっていることがあれば教えてください。熊本では長射程ミサイル配備への懸念もありますが、共同演習の意義を改めてお聞かせください。
大臣:
お尋ねの日米共同統合演習「キーン・ソード」については、あらゆる事態に備え、日米の共同統合運用能力の維持・向上を図ることを目的としているものです。我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、防衛省・自衛隊としては、本演習を通じ、地域の平和と安定に積極的に貢献するための態勢と能力を維持・強化していく考えです。その上で、本演習の実施場所、期間、参加する装備品などの具体的な内容に関し、公表に向けた最終的な調整を行っており、調整が整い次第、速やかに公表いたします。そして説明会についてもお話がありましたが、通常自衛隊の訓練について、防衛省として説明会を開催していませんが、自治体からの要望があれば、自治体が主催する説明会に参加し御説明をしてきています。いずれにしても、「キーン・ソード」については、現在最終調整中です。現時点で、自治体とも様々な調整をしていますが、説明会への参加の要望があれば適切に対応してまいります。
記者:
長射程ミサイルに関して、10月3日に健軍で地域住民対象の装備品展示会が開かれる予定ですが、地元では対話型の住民説明会を求める声もあります。説明会開催はないのか、展示会で質疑応答はあるのかお聞かせください。
大臣:
現時点において御指摘のような対話型の住民説明会を行う予定はありませんが、今回の装備品展示については、本年3月に熊本県知事、市長等に御参加いただいた装備品展示と同様に、実際の装備品を御覧いただきながら、防衛省から説明を行い、参加者の皆さんからいただいた御質問について対応させていただく予定です。これまでも健軍駐屯地へのこの25式地対艦誘導弾の配備については、防衛省のウェブサイトにおける動画配信による情報発信、九州防衛局のウェブサイトにQ&Aを掲載をしていると、また、問い合わせ窓口を設置するなど、我が国の安全保障上の意義や重要性について、既に積極的な発信に努めているところです。防衛省・自衛隊としては、地元の皆様に対する丁寧な御説明や適切な情報提供にしっかりと努めていくことが大変重要であると考えています。これからもしっかりと対応していきたいと思います。
以上