防衛大臣記者会見

日時
令和8年9月25日(金)11:40~11:48
場所
参議院別館3階防衛省政府控室
備考
小泉防衛大臣閣議後会見

動画版

1 発表事項

○ 今日は冒頭2件あります。まず1点目は台風25号関係です。台風25号による大雨の影響で、神奈川県と千葉県では土砂崩れにより、行方不明者が発生しました。このため、神奈川県知事及び千葉県知事から第1師団長に対し、人命救助の災害派遣要請がありました。これを受け、神奈川県では武山駐屯地の第31普通科連隊が、千葉県では習志野駐屯地の第1空挺団と下志津駐屯地の高射学校の隊員が、迅速に現場に入り、現地の消防・警察と連携し、土砂災害により行方不明となった方々の捜索活動などに当たっております。現在、神奈川県三浦市南下浦町で、第31普通科連隊の隊員が約25名態勢で、千葉県長柄町では、高射学校の隊員約45名態勢で、行方不明者の発見に向けて、懸命に捜索を続けています。現場では、二次被害の防止にも十分注意しながら、一刻も早く行方不明になっている方を発見するため、地元の消防・警察をはじめとする関係機関と緊密に連携し、引き続き、隊員一人一人が使命感を持って全力で活動してまいります。

○ 2点目は、防衛省版のSBIR制度の開始についてです。本日は、新たに開始する防衛省版SBIR制度について申し上げます。無人機やAIをはじめ、民生分野の技術は極めて速いスピードで進展しています。こうした先端技術を防衛省・自衛隊の活動に迅速かつ的確に取り込むことは、我が国の防衛力を強化する上で、ますます重要となっています。とりわけ、スタートアップは、柔軟な発想と優れた技術力によって、従来の延長線上にない解決策を生み出す存在でもあります。防衛省として、そのスタートアップの皆さんの力を積極的に活用し、防衛力の強化につなげたいと考えております。そして、この度、スタートアップの皆さんの優れた技術を迅速に取り込むファストパス調達の取組の一つとして、今年度中の開始をお約束しておりました、防衛省版SBIRについて、来月2日から公募を開始することといたしました。この防衛省版SBIRでは、部隊が現場で直面する課題やニーズを研究開発課題として設定し、その解決につながる革新的な技術やアイデアをスタートアップの皆さんから広く募集します。今回公募する課題としては、一つ目がですね、国産部品を最大限使用した陸上発射の小型対処用UAV。これは陸上自衛隊のニーズです。二つ目は、国産部品を最大限使用した水上艦発射の小型対処用UAV。これは海上自衛隊のニーズです。そして三つ目が、補給倉庫の運用を最適化するシステム。そして四つ目が、航空機騒音を低減し、執務環境を改善する装置。三と四、これらは航空自衛隊のニーズです。この陸・海・空の各自衛隊におけるニーズを踏まえた研究開発課題を予定しています。こうした課題の提示は、これまで我々に不足していた防衛省・自衛隊の技術ニーズをスタートアップの皆様に明確にお示しするという狙いもあります。これらの課題の中には、直ちに具体的な応募に結び付かない課題もあるかもしれません。しかしながら、防衛省・自衛隊の現場のニーズを広く共有すること自体に大きな意義があると考えています。今後も、部隊の現場から寄せられるニーズ等を踏まえて、新たな研究開発課題を設定し、順次、公募してまいります。積極的に応募いただけることを心から期待をしています。以上です。

2 質疑応答

記者:
冒頭発言でありました防衛省版SBIR制度に関連して伺います。大臣は、スタートアップの資金調達支援やファストパス調達に力を入れてきまして、来年度の概算要求では防衛省版SBIR制度のほか、政府出資金の制度新設も打ち出しました。今回の防衛省版SBIR制度にいち早く取り組む狙いとともに、防衛分野でスタートアップの活力を生かす取組に力を入れる意義について、大臣の見解を伺います。

大臣:
先ほども述べましたけれども、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、スタートアップの皆さんが有する優れた技術を防衛装備品に迅速に活用していくことが、世界でみられる新しい戦い方に対応するための技術的優越の確保や、我が国の防衛生産・技術基盤の維持・強化といった観点からも極めて重要です。しかし、先端技術の社会実装の担い手であるスタートアップの皆さんについては、我が国では、防衛分野への参入が十分に進んでいないという課題がありました。また、スタートアップの皆さんの方からは、防衛ニーズが見えにくい、調達手続が複雑で時間がかかる、部隊のフィードバックを得ながら実証する機会が不足しているといった声がありました。このため、現場部隊のニーズに基づく課題を提示した上で、複数スタートアップに研究開発を実施していただき、段階的な審査を通じて有望な技術を絞り込みながら、研究開発から試験運用、装備化につながる仕組みを有する防衛省版SBIR制度を構築しました。これによって、これまで防衛分野に参入してこなかったスタートアップの皆さんの優れた技術を迅速に防衛分野に取り込み、防衛力の強化と防衛イノベーションエコシステムの構築を図るとともに、防衛生産・技術基盤の強化を目指していきたいと思います。

記者:
北朝鮮の動向について伺います。朝鮮中央通信は北朝鮮が20日に発射したミサイルは新型兵器の実験だったと報じています。防衛省・自衛隊として発射された弾道ミサイルが新型の兵器だったのかなど、どのように分析されているのか教えてください。また、この日1度目のミサイル発射後、政府が厳重に抗議した直後にもかかわらず、2度目となるミサイル発射が行われました。改めてですが、今回の北朝鮮側の意図について、どのようにお考えになられているか教えてください。

大臣:
北朝鮮の発表の一つ一つにコメントすることは差し控えますが、その上で申し上げれば、20日に発射された弾道ミサイルについては、新型の弾道ミサイルであった可能性を含め、引き続き、日米韓3か国で緊密に連携して分析を行っているところです。北朝鮮は、今年に入ってから、9回、少なくとも15発の弾道ミサイルを発射しており、昨年と比べると、既に回数は2倍を超え、発数は少なくとも3倍となっています。北朝鮮による個々の発射の意図について、我が方から確定的にお答えすることは困難ですが、その上で申し上げれば、北朝鮮による弾道ミサイルの一連の開発・発射の背景には、核兵器や長射程弾道ミサイルの保有による核抑止力の獲得に加え、米韓両軍との間で発生し得る通常戦力や戦術核を用いた武力紛争においても対処可能な手段を獲得するという狙いがあるものとみられます。どのような狙いがあるにせよ、今般の弾道ミサイルの発射を含め、北朝鮮による核・ミサイル開発は、我が国及び国際社会の平和と安定を脅かすものであり、断じて容認できません。また、このような弾道ミサイルの発射は、関連する国連安保理決議に違反し、国民の安全に関わる重大な問題です。政府としては、引き続き、必要な情報の収集・分析及び警戒監視に全力を挙げていくとともに、アメリカや韓国をはじめとする国際社会とも協力しながら、関連する国連安保理決議の完全な履行に向けた取組を進め、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の完全な廃棄を求めていく考えです。

以上