防衛大臣記者会見

日時
令和8年9月8日(火)10:34~10:44
場所
参議院別館3階防衛省政府控室
備考
小泉防衛大臣閣議後会見

動画版

1 発表事項

先ほど上野厚生労働大臣と会談し、自衛隊衛生の戦傷医療能力向上の観点から、防衛省と厚生労働省の間で、より強固な協力体制を構築したい旨のお願いを私からさせていただきました。具体的には、昨日の海上自衛隊江田島地区の視察の際に、特別警備隊の隊員から要望のあった、部隊の第一線救護能力の強化に係る検討への御協力、そして、有事に負傷した隊員の治療が自衛隊病院だけでは困難な場合に、部外医療機関と連携して、どのように対応していくかの検討に必要な情報の提供や助言、自衛隊医官等の戦傷医療対処能力の向上に必要な研修先の候補となる、部外医療機関の紹介、戦傷医療に必要な医薬品・医療資機材の確保に関する知見や関係機関とのネットワークの共有。また、これに限らず、自衛隊衛生の機能強化に向けて、今後も幅広い御協力をお願いしました。上野大臣からは、是非協力していきましょうと心強いお言葉をいただきました。今後は、事務次官級の防衛・厚労協議会を設置するとともに、今回のような防衛・厚労両大臣による協議も継続的に開催したいと考えています。これからも防衛大臣として、自衛隊を、世界で最も隊員の命を大切にする組織とするため、今後も必要な取組を、スピード感を持って進めていきたいと思います。今日は冒頭は以上です。

2 質疑応答

記者:
今の冒頭発言に関連してお伺いします。今、お話のあったところと被る部分もあると思うのですが、中東やウクライナでは無人機を使用した新しい戦い方が一般的になる中で、戦傷医療についてもこれまでとは異なる難易度になっているような部分があるという話もあります。これについて、これから省としてどのように取り組んでいきたいか大臣のお考えを教えてください。

大臣:
先ほどの冒頭の発言で、厚労省との協力の一つとして、部隊の第一線救護能力の強化について触れましたけれども、この一つの例として、特別警備隊のような極めて厳しい任務を行う部隊の隊員が、部隊としての訓練と医療技術の習得を同時並行で行うことができるようにしてほしいという要望を昨日、隊員から現場で受けました。詳細は控えますけれども、早速、この具体的な、かなり隊員からは具体的な中身だったので、その中身につきまして、先ほど厚労省で厚労大臣、また同席をしていただいた、迫井技監についてもですね、そのことを共有させていただいて、私からは、厚労省の御協力を、お願いをしたところです。そして御質問にありました新しい戦い方への対応、こちらについても、ウクライナ侵略の教訓から、PTSD等が高頻度で確認されることや、兵器の能力向上に伴って、四肢に重度の障害を負う事例が増加していることを踏まえ、より一層の衛生機能、PTSD対策やリハビリテーション体制の整備など、より一層の衛生機能の強化が課題であると考えています。本年中の三文書の改定に向けた検討を、これも、このテーマについてもですね、しっかりと進めていきたいと思います。

記者:
航空自衛隊は9月9日から21日にインド空軍との共同訓練「ヴィーア・ガーディアン26」を実施し、このために、F-2戦闘機を派遣すると発表しています。戦闘機のインド訪問は初めてということですが、この狙いと意義、また、インドと防衛協力を進めていくことの重要性を改めて大臣の言葉で聞かせてください。また、昨年9月にはF-15戦闘機4機を初めてヨーロッパに派遣し、今年3月から4月には、オランダが戦闘機を日本に派遣して共同訓練を実施するなど、近年、戦闘機の往来が増えています。こうした戦闘機派遣を通じた防衛協力を進めていくことの意義も教えてください。

大臣:
日印共同訓練「ヴィーア・ガーディアン26」は、令和5年にインド空軍戦闘機が初めて日本を訪問して実施した「ヴィーア・ガーディアン23」に続く、2回目の日印戦闘機による共同訓練です。今回の訓練は、今年の8月に、私がインドを訪問した際に、日印防衛相共同プレスステートメントで発表したとおり、航空自衛隊の戦闘機がインドにおいて実施する初めての共同訓練であり、これにより日印両国の戦闘機による相互訪問が実現します。これは、日印防衛協力の深化を象徴する重要な取組です。戦略的認識を共有するインドとの防衛協力はますます重要となっており、防衛省・自衛隊としては、このような訓練を通じて日印両国の連携と結束を一層強化してまいります。また、昨年の戦闘機の北米及び欧州への派遣や、本年3月から4月にかけて実施した日・米・オランダ、3か国の戦闘機による共同訓練は、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障は一体不可分であり、相互に連関しているとの共通認識を体現する取組です。インド太平洋地域の安全保障環境が急速に複雑化し、不確実性が増す中で、同盟国・同志国との防衛協力はこれまで以上に重要となっています。戦闘機の相互訪問や共同訓練は、単に部隊や装備品を派遣し合うこと自体に意義があるのではなく、実際に部隊同士がともに活動することを通じて、両国の戦闘機部隊同士の戦術の共有や、技量の向上を図るとともに、将来にわたる協力・連携の基盤を築く上で重要な取組です。このような地道な積み重ねが、必要な時に同盟国・同志国との協力を可能にし、地域の平和と安定に資するものとなると考えています。

記者:
来年度の設置を目指す退職自衛隊員・家族支援庁について伺います。これまでも退職した自衛隊員や家族について支援を行ってきた中で、新たに庁を設置して支援を行うことの意義を教えてください。また、定員割れが続き、処遇改善などを進めて自衛隊員のなり手不足解消を目指す中で、隊員の採用にもどのような影響を期待しているか教えてください。

大臣:
自衛隊員の確保は政府を挙げて取り組むべき至上命題であり、現職の自衛隊員の処遇改善に加えて、国防の任務を全うした退職自衛隊員や、平素から自衛隊員を支える御家族も、誇りをもって安心して生活できる環境の構築が必要であり、退職した自衛隊員や御家族に対する支援を充実させていくことが重要だと考えています。これまでも、若年定年制自衛官及び任期制自衛官に対する再就職支援や託児施設の整備などに取り組んできました。その上で、課題があることも事実で、例えば退職自衛隊員とのネットワークや連絡体制は、隊友会などに委ね、防衛省・自衛隊として主体的に取り組んでこなかったこと、退職自衛隊員及び御家族に対する社会的地位の向上を含む支援施策も不十分であることなどもあります。このような課題を、防衛省が責任を持って解決していく体制は国防に不可欠です。なぜなら、どのような最新装備品や武器を持っても、人を大切にしない自衛隊に未来はないからです。採用への影響についても御質問がありましたけれども、自衛隊が真に人を大切にする組織だと伝われば、もっと人が集まってくると思います。中途退職も減って、長く働き続けたいと思ってもらえる自衛隊にもなれると思います。令和9年度概算要求では、施策を一元的に企画立案し、関係省庁や自治体、企業との連携を図りながら、退職自衛隊員及び御家族に対する支援を総合的かつ戦略的に推進するため、退職自衛隊員・家族支援庁の設置を入れていますが、これは、防衛省自衛隊が真に人を大切にする組織でありたいという決意でもあります。外ばかり見ていないで、まず今いる人を大切にする。そして、再任用を含めて、もう1回自衛官として働きたいという思いを持ってくれている方々にも、呼びかけを強化したいと考えています。そして、もちろん採用の在り方自身もですね、今までの発想にとらわれず、より効果的な取組みも必要だと考えています。上田人事教育局長とは、今日も打ち合わせが入っていますけれども、人事教育局のこの1年の凄まじい働きぶりと、政策の深化を見ていれば、私は必ず自衛官や御家族の支えになる、そんな新しい庁と政策が実現できると自信を持っています。

以上