防衛大臣臨時記者会見

日時
令和8年8月23日(日)18:40~18:50
場所
陸上自衛隊健軍駐屯地
備考
令和8年熊本地震に伴う災害派遣部隊視察後の小泉防衛大臣臨時会見

動画版

1 発表事項

本日、熊本県内の被災地を視察し、それぞれの現場で活動する隊員を激励してきました。そしてその後は、熊本県の木村県知事と面会をし、現在の被害状況について、率直な意見交換をさせていただきました。改めまして、今回の地震により、お亡くなりになられた方々、また、被災された方々に、心からのお悔やみと御見舞いを申し上げたいと思います。熊本県内の被災地において、自衛隊が災害派遣活動に当たっている現場では、連日の猛暑の中、給水支援や入浴支援など、被災された皆様の生活を支えるため、懸命に任務に取り組んでいる隊員の姿を目の当たりにしました。隊員からは、被災された皆様の不安や困り事に少しでも応えたいという強い気迫を感じました。同時に厳しい環境の中でも、笑顔で、誠実に、そして黙々と任務に向き合う隊員の姿を見て、大変頼もしく、誇りに感じました。また、被災された皆様からいただく「ありがとう」というその言葉が、隊員にとって何よりの大きな励みになっています。隊員には、引き続き、安全に留意しながら、被災された皆様が1日も早く安心した生活を取り戻せるように、しっかりと任務を果たしてもらいたいと思います。明日で、熊本市の火の君文化センターと、宇城市の三角港岸壁の「ひうち」の2か所の入浴支援が終了しますが、宇城市の小川防災拠点センター、宇土市の宇土アリーナ、八代港の岸壁の「うらが」と「はくおうⅡ」、氷川町の氷川中学校の5か所については、入浴支援を継続しますので、引き続き、御利用ください。今回の入浴支援では、これまで延べ約1万9,000人の方々に御利用していただきました。自衛隊は最後の一人の入浴が終了するまで、引き続き、しっかりと、温かいお風呂やシャワーを提供してまいります。今日は木村知事との面会では、発災以来、県民の命と暮らしを守るため、県を挙げて昼夜を問わず対応に当たられている状況や、現在も多くの県民の皆様が厳しい環境の中で避難生活を続けておられる状況について、お話をお伺いしました。また、自衛隊に対し、人命救助や給水支援など、発災直後から人命救助や生活支援活動に尽力したことへの感謝の言葉を知事からいただきました。今回の災害派遣の任務では、連日過酷な猛暑の中で、発災から24時間以内のクーラーの輸送、人命救助活動、給水支援活動、入浴支援活動、関係機関との連携など、過去に例のないオペレーションを、内局、各幕僚監部、各部隊の隊員に至るまで一体となって、スピーディーに対応してくれました。防衛大臣として、改めて、全ての隊員を誇りに思うと同時に、それを支えてくださった隊員の御家族に感謝をしたいと思います。また今回は、アメリカ軍も被災された熊本県の皆様の命と暮らしを守るため、約45トンの救援物資を熊本に届け、被災者支援の場面においても日米同盟が実際に機能していることを内外に示すことができました。今回の支援を実現させた、在日アメリカ軍、在京アメリカ大使館、アメリカ太平洋軍、アメリカ戦争省・国務省など、全ての関係者に御礼申し上げます。防衛省・自衛隊は、現在も給水支援や入浴支援を継続しています。引き続き、熊本県をはじめ、関係自治体や関係機関と緊密に連携し、被災された皆様に必要な支援を確実に届けることができるよう、災害対応に万全を期してまいります。また、最後になりますけども、先ほど、西方総監の鳥海さんからもお話をお伺いをしましたら、今、目の前にいらっしゃる記者の皆さんの中にも御地元のメディアの方の中に、被災をされた中でこのように取材活動されている方々がいらっしゃることもお伺いをしました。そういった皆さんにも、今日このように大変な中でも取材をいただいていること、心から感謝を申し上げたいと思います。冒頭は以上です。

2 質疑応答

記者:
自衛隊による災害派遣の意義についてお伺いします。災害派遣は、被災者の安心につながる一方、自衛隊の負担増になり得るとの指摘もあります。今回の視察を踏まえ、災害派遣の意義をどのように捉え、熊本での活動や今後の災害派遣にどう取り組んでいく考えでしょうか。また、今回、病院船としても運用された「はくおうⅡ」の活動の意義と、今後の活用方針について所感を伺います。

大臣:
まず一点目ですけれども、今回の視察を通じ、被災地において迅速に活動できる自衛隊への期待の高さと信頼の厚さ、そして隊員の士気の高さを改めて認識いたしました。確かに今御指摘のように、災害派遣は隊員に大きな負担を伴うこともありますが、大規模災害などにおいて国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜くという自衛隊の使命を果たす上で、極めて重要な活動であると考えております。このため、防衛省・自衛隊としては、隊員の安全や心身の負担にも十分配慮しながら、自治体や関係機関との連携を強化し、引き続き、迅速かつ効果的な災害派遣に取り組んでまいります。また、各種生活支援機能を有する「はくおうⅡ」についてでありますが、今回「はくおうⅡ」を活用して入浴支援や食事付きの宿泊支援を行っています。さらに内閣府等と連携をして、船内の一部を活用した初めての取組として、災害医療チーム(JMAT)による医療支援を行いました。大規模災害への対応においては、関係府省庁が一体となり、協力・連携することが極めて重要であると考えており、今回の取組では、被災地における医療支援などの選択肢の拡大につながることができた点に意義があると考えています。今後もですね、今日、木村知事からいただいた言葉にあったように、長年、自衛隊と熊本県の皆さんが築き上げた信頼を大切にして、今後も緊密に連携をして、国民の命と平和な暮らしを守るため、災害派遣活動に万全を期してまいりたいと思います。

記者:
10年前の災害派遣と今回の災害派遣について違いがあるかというのと、特に重視している点が何か、そして今後どのような支援というものを検討、実行していくかお聞かせください。

大臣:
10年前に発生した平成28年熊本地震は、最大震度7の地震が短期間に2度発生するという、極めて特異で甚大な災害であり、多くの尊い命が失われました。防衛省・自衛隊は、発災直後から、陸・海・空自衛隊の総力を挙げ、人命救助、給水支援、入浴支援など、被災された皆様の命と暮らしを守るための活動に全力で取り組みました。この経験から、自衛隊にとって、「命を守る初動」と「生活を支える継続支援」の双方が重要であることを改めて認識をしました。そして、今回の令和8年熊本地震においては、当時の経験を踏まえ、発災直後から迅速な情報収集を開始し、イオンモール熊本や日本製紙八代工場における人命救助のため、速やかに初動対処部隊の投入を行いつつ、救援物資の輸送や生活支援など、被災地の状況や自治体の要望を踏まえた、きめ細やかな支援を継続しており、現在も給水支援や入浴支援を継続しています。今回の災害が10年前と大きく異なる点は、発災時期が真夏であり、厳しい暑さへの対応が大きな課題となっているところです。このため自衛隊は、単純に水を届けるだけではなく、被災された皆様が少しでも安心して過ごせる環境づくりを重視しています。具体的には、発災後24時間以内に関係省庁と緊密に連携してクーラー約300台を被災地へ空輸したほか、防衛省が借り上げた民間の船舶「はくおうⅡ」も活用し、入浴支援やクーラーの効いた休憩場所の提供を行っています。また、夏の猛暑の中ではシャワーの方がお風呂よりも良いという自治体の御要望を踏まえ、入浴支援では、シャワーを中心とした対応を行うなど、熱中症対策を踏まえた支援に取り組んでいます。さらに今回の災害対応では、関係機関との連携をこれまで以上に重視しています。例えば、関係省庁が連携したクーラーの輸送、そして「はくおうⅡ」の船内の一部を活用した医療支援、さらには入浴・宿泊利用者のお子様を見守る「こどもの居場所」の設置なども実施しました。災害対応は、自衛隊だけで全てを担うのではなく、それぞれの関係省庁が持つ能力を最大限に結集することで、被災された皆様により質の高い、きめ細やかな支援を届けることができます。自衛隊は、現在も生活支援を継続していますが、今後も、被災された皆様の生活を支えるため、自治体の要望を丁寧に伺いながら、適切な支援に努めていきたいと思います。

以上