防衛大臣臨時記者会見

日時
令和8年8月20日(木)15:02~15:12(現地時間)
場所
リーラ・パレス
備考
日印防衛相会談後の小泉防衛大臣臨時会見

動画版

1 発表事項

一昨日までのオーストラリア訪問に引き続き、昨日19日から本日の20日までの2日間、インドを公式訪問しました。昨日はデリーに到着後、インド空軍の軍用機に搭乗し、ムンバイに所在する海軍西部司令部及びインド海軍の現役の駆逐艦「チェンナイ」を視察しました。インド海軍のスワミナタン海軍参謀長にはデリーから同行いただき、大変な歓待を受けました。ムンバイはインド海軍の主要な基地であるだけでなく、海賊対処活動に従事する海上自衛隊艦艇の寄港地の一つであり、日本とも深い関係にあります。高市総理が訪印された際には、これに合わせ、ムンバイの沖合で日本とインドの艦艇による共同訓練も実施しました。このように、日本とも深い縁のあるムンバイに日本の防衛大臣としては初めて訪問し、インド海軍の高い能力と士気に直接触れながら、日印の防衛連携の重要性を改めて確認できたことは大きな意義があったと考えます。そして本日は午前中、国立戦争記念碑に献花を行い、インド軍の儀じょうを受けた後、シン国防大臣と初めての防衛相会談に臨みました。防衛相会談では、まず本年7月に高市総理が訪印された際、モディ首相との間で一致した戦略的方向性を共有する信頼のパートナーシップを防衛面から迅速に具体化していくことを改めて確認しました。そして、これまで日印間で取り組んできた3つの協力を更に加速していくことで一致しました。第1に、防衛装備・技術協力について、ユニコーンのインドへの移転を早期に実現するため、両首脳の後押しによるモメンタムの下、「2+2」を目指し、インド国内の手続を含め、緊密に協力することを改めて確認しました。第2に、軍種間の連携について各軍種間の共同訓練が着実に拡大・深化していること、特に近く実施予定の空軍種の共同訓練である「ヴィーア・ガーディアン」では、航空自衛隊の戦闘機の初めてのインド訪問が実現することを歓迎しました。第3に、日印が地域と世界の平和と安定に共に貢献していくため、東南アジア諸国を含む第三国との連携や、日米豪印の枠組みでの協力の拡大と深化を共に具体化していくことで一致しました。その上で、日印の防衛連携を更なる高みに迅速に引き上げていくため、6つの新たな取組を進めていくこととしました。第1に、今後の海上自衛隊とインド海軍との具体的連携の指針となる文書として、「海洋安全保障協力に関する覚書」に署名しました。防衛省が外国との間で海洋安全保障協力に特化した文書に署名するのは、初めてのことです。この覚書を具体化する施策として、第2にインド海軍の機雷対処能力の強化につながる装備品の移転と、インド海軍の造船や設計の共同開発の可能性を共に追求していくことで一致しました。私からは、このような大きな方向性を「Design with Japan, Make in India」と呼ぶことを提案したところ、シン国防大臣からも歓迎の意が示されました。第3に、インド太平洋のシーレーンの安全確保に共に機動的に貢献していくため、日印双方の造船所で修理やメンテナンスを相互に行うことを新たに進めていくことで一致しました。第4に、今後更なる防衛装備・技術協力を具体化していくに当たり、2つのトラックで進めていくことで一致しました。1つ目のトラックは、各軍種間で運用ニーズに関する議論をすること。そして2つ目のトラックは、装備当局間で最先端防衛技術の研究開発で協力していくこと、以上2つのトラックで取組を強化することで一致しました。第5に、我が国の装備品の試験及び訓練について私からシン大臣に対し、自衛隊によるインドの射場の使用を検討していきたいと述べました。今後、「2+2」に向けてインド側と議論していきます。最後に、以上を含め、今回の会談で一致した様々な取組を一体的かつ迅速に推進するため、日印の局長級をヘッドとするワーキング・グループを新たに設置することで一致しました。高市総理とモディ首相の間では、本年中に「2+2」を実施することで一致しています。私とシン大臣のリーダーシップの下で、以上申し上げた案件について、その際の防衛大臣会合でしっかりとした具体的成果が得られるように、今後更に議論を加速させたいと思います。今日はこの後、モディ首相を表敬します。本日の日印防衛相会談の成果を踏まえ、高市総理とモディ首相のリーダーシップの下でシン大臣と共に、日印の防衛関係を迅速かつ具体的に進めていく決意をお伝えしてまいりたいと考えています。最後に改めて、昨日のムンバイにおける海軍施設の視察、本日の儀じょうや防衛大臣会談など、シン大臣をはじめとするインド政府及び国防省の皆様から、心温まる歓迎を賜りましたことに心から感謝を申し上げたいと思います。冒頭は私から以上です。

2 質疑応答

記者:
会談では、5類型撤廃を踏まえた両国のやり取りとして具体的な装備品の供与について、どのようなやり取りがありましたでしょうか。また、装備移転について、今後、両国間でどのような協議を重ねていくか、方針をお伺いします。

大臣:
会談では、私から日本政府の防衛装備移転三原則、そして運用指針の改正について説明をし、これは地域と世界の平和と安定に対する日本の貢献を更に強化するものであるとお伝えをしました。これに対しシン大臣からは歓迎の意とともに、この改正が両国の防衛協力の更なる深化につながることへの期待が示されました。シン大臣とは、まずユニコーンプロジェクトが両国間で初めての装備移転案件として両国の防衛装備移転に係る協力深化の象徴となるものであるとの認識を共有し、早期に実現するため、両首脳の後押しによるモメンタムの下、「2+2」を目指し、インド国内の手続を含め緊密に協力することを改めて確認しました。その上で、このユニコーンプロジェクトはゴールではなく、今後の装備協力深化の出発点である旨の認識を共有し、更なる案件の具体化に向け、2つのトラックで進めていくこと、それは先ほど申し上げたとおりです。さらに、インド海軍の機雷対処能力の強化につながる装備品の移転、インド海軍の造船や設計の共同開発の可能性を共に追求していくことで一致したところです。シン大臣からも歓迎の意が示されました。日印両国の軍種間、そして政策当局間、装備当局間、こういった様々なチャンネルで議論を深めていきたいと考えています。

記者:
大臣はインド太平洋地域で網目状の連携を構築することを重視して、オーストラリアやインドネシアの国防相とも頻繁に会談を重ねています。地域の大国であるインドと防衛協力を進める重要性について教えてください。また、日印両国はこれまで共同訓練の強化を進めてきていますが、今回の訪問を踏まえて、こうした協力の進展についての意義と所感を教えてください。

大臣:
現在、ホルムズ海峡情勢を含め、インド太平洋地域の安全保障環境が急速に複雑化し不確実性が高まる中、日本とインドが国際秩序を維持するために果たすべき責任と役割はますます大きくなっています。先月、高市総理がインドを訪問された際は、モディ首相との間で戦略的方向性を共有する信頼のパートナーとして日印関係を強化していくことで一致したところです。これを受けて、本日シン大臣との会談を行いました。今日の会談でも、日印の防衛関係を迅速に引き上げるとの観点から、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の下で、防衛面での協力を強化していくべく、幅広い分野での連携について精力的かつ具体的に議論しました。そして、これまでの取組を加速だけでなく、新たな取組にも取り組んでいこうと、進めていこうということで一致しました。御指摘の共同訓練については、全ての軍種の間で共同訓練が実施されていますが、これを更に強化していきます。例えば、先ほど申し上げたとおり、近く実施予定の空軍種の「ヴィーア・ガーディアン」では、航空自衛隊の戦闘機が初めてインドを訪問する予定であり、シン大臣と共に、これを歓迎したところです。さらに、日印で共にインド太平洋地域の平和と安定に貢献していくとの観点からは、東南アジアやオーストラリアを含む第三国との協力や連携が不可欠です。今日の会談においても、こうした国々との運用面を含む様々な連携のあり方について議論しました。先ほどインドネシアにも触れていましたけど、インドネシア、インド、日本、こういった3か国の連携も進めていこうとこういったことでも認識を共有できました。今日はこれから、モディ首相との間で、こうした戦略的な観点からもしっかり議論していきたいと思います。

以上