動画版
〇 今日は冒頭は2件あります。まず、1件目は令和8年版防衛白書についてです。本日の閣議におきまして、令和8年版防衛白書について説明を行い、配布いたしました。防衛白書は、白書担当審議官と陸・海・空の自衛官、事務官、技官からなる白書室のチームを編成し、その作成に当たりました。今年の防衛白書は、防衛や安全保障に関心をお持ちの方々はもちろんのこと、これまで白書を手に取る機会のなかった方々にも、是非読んでいただきたいとの強い思いで作成しました。安全保障は、国民の皆様一人一人の毎日の暮らし、そして未来にも深く関わるものです。そのため、防衛省・自衛隊が直面する課題や、防衛省・自衛隊の取組を分かりやすくお伝えできるよう、試行錯誤を重ね、内容面・表現面の双方に様々な工夫を凝らしました。具体的に工夫した点は以下の4点です。第1に、我が国を取り巻く安全保障環境について解説するとともに、無人アセットやAIの活用など、新しい戦い方をめぐる各国の取組について、新たに章を設けて記載しました。第2に、未来につながる安全保障というテーマの下、新しく設けた部において防衛生産・技術基盤をめぐる状況などを解説し、防衛生産・技術基盤の強化が経済や国民生活にも広く有益であることや、防衛装備移転三原則などの改正の意義についても説明しています。第3に、新たに、プロフェッショナルな自衛隊員の章を設け、様々な任務に従事する誇りある隊員の姿について、隊員を支える御家族の声も含めて紹介しています。最後に、多くの方に白書の内容を知っていただけるよう、防衛省として初めてAIアバターを活用した解説動画を作成するとともに、ビジュアルを重視した小冊子も併せて公表しました。安全保障に詳しくない方にも分かりやすい内容となっていますので、是非御覧いただきたいと思います。今年の防衛白書を通じて、我が国の防衛や安全保障について国民の皆様に理解を深めていただくとともに、安全保障が国民の皆様一人一人の未来にもつながるものであることを考えていただくきっかけとなれば幸いです。なお、今年は、防衛白書はこのような表紙になっております。こういったアイデアもですね、この白書室の陸・海・空の自衛官、そして事務官、本当に労力をかけて考えてくれました。是非手に取っていただければと思います。
〇 2点目はですね、これも冊子の関係になりますが、2026年版「まるわかり!日本の防衛」についてです。本日、将来を担う小中高生の皆さんにも防衛省・自衛隊や我が国の防衛の重要性について理解を深めてもらうべく、我が国防衛の入門書となる「まるわかり!日本の防衛」を公表しました。防衛省のキッズサイトで公開しておりますので是非御覧ください。また、まるわかりの学校への配布については、6月19日の私の会見で、今後の配布に当たっては、小学校だけではなく中学校・高校にも配布を拡大していきたいと考えていると申し上げました。これについて、文部科学省とも相談の上で、本日から都道府県教育委員会及び都道府県の私立学校主管部局への相談を順次開始することとしました。今回の配布に当たっては、冊子での配布を希望する教育委員会や学校に配布することとしていますので、希望する各教育委員会や学校は、是非積極的に防衛省から案内するメールアドレスに御連絡いただければと思います。こちらが今度は白書ではなく、「まるわかり!日本の防衛」ということになりますので、こちらも是非御興味のある教育委員会、都道府県の関係者の皆さんは御連絡を防衛省にいただければと思います。ということで、冒頭は以上です。
記者:
今月16日から始まる、88式地対艦誘導弾の国内2度目の実射訓練について伺います。昨年に引き続き、北海道の静内対空射撃場が訓練場所として選ばれましたけれども、射程の長いミサイルの実射訓練を北海道で行うことの意義について、改めて教えてください。また道内の演習場ではこれまでも日米双方の実弾射撃訓練が常態的に行われており、道民の中には不安を覚える方もいらっしゃいますけれども、本訓練の実施に当たり、事故防止対策や地元住民への説明についてどのように取り組むのかもあわせて教えてください。
大臣:
陸上自衛隊は8月の16日から25日までの間、国内最大規模の射程を有する静内対空射撃場において、88式地対艦誘導弾の射撃訓練を実施します。本訓練は、国内の射場にてより多くの隊員が参加し、各種装備品を用いた訓練の機会を確保することが可能となり、非常に意義が大きいものと考えています。本訓練において、装備品の事前の点検や、参加する隊員への安全教育を確実に行うほか、射撃時の監視体制や関係自治体等との連絡体制を確立するなど、安全管理体制を万全にして訓練を実施します。また本訓練を含め、北海道において自衛隊が良好な環境で訓練を行うことができるのは、周辺の皆様の御理解と御協力の賜物だと考えています。引き続き、訓練の実施に当たって、関係自治体の皆様に対して丁寧に説明を行っていきたいと考えています。
記者:
防衛白書についてお伺いします。中国に関して、中国の安全保障上の脅威は増していると思いますが、今回の防衛白書では中国の脅威認識の表現を昨年と同様にした理由を教えてください。また、防衛白書では中国の最新の軍事動向や新しい戦い方、防衛生産・技術基盤など、安保三文書改定のテーマとなり得る論点について触れています。これについての大臣の受け止めとともにですね、こうした分析を踏まえて三文書改定にどのように取り組むか、お伺いします。
大臣:
まず、我が国周辺国等の軍事動向については、政府内において議論を重ねているところでありますので、今般の令和8年版防衛白書においては、これまでの評価を踏襲することとしました。今、我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しく複雑なものとなっています。例えば、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序への挑戦が勢いを増し、ロシアによるウクライナ侵略は、最も苛烈な形でこれを表面化させています。また、インド太平洋では、中国・北朝鮮の更なる軍事力の増強や、中露や露朝の連携強化などが見られ、各国は、ロシアによるウクライナ侵略を教訓に、無人機の大量運用を含む、新しい戦い方や長期戦への備えを急ぐなど、安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じ、国際社会は戦後最大の試練の時を迎え、新たな危機の時代に突入しつつあります。令和8年版の防衛白書では、こうした情勢認識や、このような認識を踏まえて防衛省が進めている取組を示す観点から、昨年度の事象を中心に、我が国周辺国等の軍事動向についてしっかりと記述したほか、新しい戦い方をめぐる動向に関する記述を、第1部に新規項目として追加をしたこと、また、第4部を新設をして、防衛産業や科学技術に関する記述を充実させております。今後の我が国の防衛力強化の方向性に関しては、我が国の平和国家としての歩みは、今後も決して変わりませんが、一方で、安全保障環境の急速な変化に適切に対応し、強い覚悟を持って、国民の皆様の命と平和な暮らしを守り抜くためには、防衛力を我が国自身が主体的に整備していくことが必要です。引き続き、三文書改定に向け、本防衛白書でも重要性を指摘している、戦い方の変化への対応や、持続的な対応能力の確保といった点も含めて、具体的かつ現実的な議論を積み上げてまいります。
記者:
地震の関連でお伺いします。今日で発災から1週間となります。インフラは徐々に復旧していますけれども、猛暑での災害関連死という課題もみえてきています。防衛省・自衛隊として今後の活動や被災地支援の方針についてお聞かせください。
大臣:
熊本地震発生から1週間が経過しました。この地震により、かけがえのない命を失われた方々に深い哀悼の意を表しますとともに、全ての被災者の方々に心から御見舞いを申し上げます。防衛省・自衛隊は、今日も約5,100人態勢で生活支援を中心に熊本県内の被災地において活動を実施しているところです。その上で、被災地における生活支援態勢を一層強化するため、本日の夕方、PFI船舶「はくおうⅡ」が、八代港に到着します。到着後、速やかに受入れ準備を進め、明日14時から入浴支援を開始する予定です。今後、準備ができ次第、食事や宿泊支援などにも拡大していきます。また、7月31日には、陸上自衛隊東部方面隊を中心とした「はくおう支援隊」を編成し、現地における被災者の皆様の受入れ態勢の確立に万全を期しております。「はくおうⅡ」は、大規模な生活支援機能を有する船舶であり、今回、その能力を最大限に活用することで、被災された皆様に必要な支援を提供してまいります。さらに、内閣府等と連携し、船内の一部を活用した初めての取組として、災害医療チーム(JMAT)による医療提供を行います。「はくおうⅡ」は、本年1月から防衛省のPFI船舶として運航を開始した大型船舶であり、一度に約700名を受け入れることが可能です。144ある客室にはテレビも備えているほか、ランドリースペースに洗濯機・乾燥機12台を備えており、長期避難を余儀なくされている被災者の皆様の生活環境の改善にも貢献できると考えています。防衛省・自衛隊としては、「はくおうⅡ」も活用しながら、被災者の皆様が少しでも安心して生活できる環境を確保できるように、生活支援に全力で取り組んでいきたいと思います。
記者:
防衛白書についてお伺いいたします。中国による活動が活発化していることを背景に、南西地域における自衛隊の防衛体制強化や、自衛隊が在沖米軍基地を共同使用する必要性を説く記述が多く見られました。南西地域における防衛力体制の強化に関する記述が防衛白書に手厚く盛り込まれたことについて、大臣の受け止めをお聞かせください。
大臣:
我が国は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しています。こうした中において、南西地域における防衛体制の強化は喫緊の課題であり、着実に進めていかなければならないと考えています。こうしたことを踏まえ、令和8年版防衛白書においては、沖縄県の防衛・警備等を担任する第15旅団の第15師団への改編、水陸機動団とオスプレイを一体的に運用できる体制を構築するための、佐賀駐屯地の新設、宮崎県の新田原基地へのF-35Bの配備などの南西地域を含む防衛体制の強化について記述しています。安全保障環境に適応する防衛体制を構築し、部隊配備などの取組を通じて、我が国に対する攻撃そのものを防ぐ抑止力と、万が一の場合に備える対処力を強化していくことは、南西地域の皆様を含む国民の皆様を守るためにも必要不可欠なものです。そのことを御理解いただけるように、防衛省として今般の防衛白書も含め、今後とも効果的な発信をしっかりと続けていきたいと思っています。
記者:
2問お尋ねします。防衛省は3日、中国海軍の艦艇3隻が対馬海峡を南下し、東シナ海に入ったことを発表しました。中国艦艇は、日本のまわりをほぼ一周したことになります。これらの艦艇は、ロシアと共同航行していたほか、沖ノ鳥島周辺の日本の排他的経済水域で射撃訓練したミサイル駆逐艦も含まれていますが、こうした中国の一連の軍事活動への小泉大臣の受け止め、そして今後どのように対処されていくか、お聞かせください。
大臣:
まず、これからでいいですか。今月2日、海上自衛隊は、対馬海域を南西進する中国海軍レンハイ級ミサイル駆逐艦等計3隻を確認したところ、これらの艦艇は、先日実施された中露共同航行に参加していたものとみられます。今回の中露共同航行は、7月16日に中露艦艇が沖縄本島と宮古島の間の海域を南進し太平洋へ航行した後、太平洋上を航行し、27日に宗谷海峡を西進するという、我が国を周回する形で実施されたこと、また、その中で中国海軍艦艇が機関銃による射撃訓練を実施したことを確認しています。このような中露両国による一連の活動は、我が国に対する示威活動を明確に意図したものであり、我が国の安全保障上、重大な懸念と考えております。防衛省・自衛隊としては、中露艦艇の我が国周辺海域における動向について懸念をもって注視してきており、引き続き、我が国周辺海空域における警戒監視に万全を期してまいります。
記者:
もう1問、お願いします。小泉大臣は、核兵器についてあらゆるタブーなく議論をしなければ、もはやどの国も1か国で安全保障を確立することはできないと発言されています。こうした発言に対し、被爆者団体からは、核兵器の恐怖が分かっていないなどの指摘、広島県知事からは、厳しい安全保障環境にあたっても被爆地の思いをしっかりと受け止めていただきたい。非核三原則を堅持し、外交の力で核抑止からの脱却に全力を尽くしていただきたいという声明が出ていました。まもなくの8月6日は広島、9日は長崎への原爆投下の日を迎えますが、小泉大臣がこういった被爆地や被爆者の声をどのように受け止められておられるのか、お聞かせください。
大臣:
先月24日の会見でも申し上げましたが、御指摘の私の発言は、防衛政策に関する一般論として、我が国として国民の命と平和な暮らしを守り抜くための政策について、あらゆる選択肢を排除することなく、国民の皆様に丁寧に説明しながら議論していくことが重要であるという趣旨を述べたものです。これまでも繰り返し申し上げているとおり、政府としては、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずとの非核三原則を政策上の方針として堅持しています。また、持ち込ませずについては、2010年当時の岡田外務大臣による答弁を引き継いでいます。その上で、被爆地や被爆者の方々が訴えてこられた核兵器のない世界を願う切実な思いに、私も強く共感しています。昨年末、長崎市の平和公園を訪れ献花を行いましたが、その際にも核の惨禍を決して繰り返してはならないとの思いを改めて強く胸に刻みました。核兵器によってもたらされた広島、長崎の惨禍を決して繰り返してはならないとの強い決意は、これまでもこれからも決して変わりません。我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けた現実的かつ実践的な取組を国際社会に呼び掛けてきました。今後とも、国際的な軍縮・不拡散体制の維持・強化に積極的に取り組んでいきます。
記者:
戦後81年目を迎える中、防衛費は増えて武器輸出が緩和され、特にドローンで顕著かと思うのですけれども、民間の技術が日本の防衛で活用され始めています。様々な変化を見せる中、日本の防衛というのは、新たなフェーズに入ったと大臣はお考えでしょうか。
大臣:
自衛隊は発足以降、その時々の安全保障環境に応じて、その役割と任務を変化させてきました。冷戦期には、我が国自らが力の空白となって地域の不安定要因とならないことが重視をされ、冷戦終結後には国連PKO活動への参加など様々な事態への対応が求められるようになりました。また2000年代には、国際テロなどに対応するための各種の活動を実施するようになりました。さらに、2010年代には平和安全法制により、あらゆる事態に切れ目のない対応を行えるようになりました。そして現在、日本は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面し、新たな危機の時代に突入しつつあり、そういったことを考えれば、今御指摘のように新たなフェーズに入ったと認識をしています。一方で、我が国は平和国家としての歩みを変えることはありませんが、国民の皆様の命と平和な暮らしを守り抜くため、防衛力を整備していくことが必要です。こうしたことを背景に、高市内閣では現行の国家安保戦略に定める対GDP比2%水準について前倒しで令和7年度中に措置をしました。また、新しい守り方をどのように構築するか、こういったことや持続的な対応能力の確保、防衛力強化に求められるスピードの実現、このような点を踏まえ、三文書の改定に向けて今検討を進めているところです。さらに今や、どの国も一国では、自国の安全を守ることはできません。安全保障環境が一層急速に厳しさを増している中で、同盟国・同志国等との間で、訓練、部隊運用、装備品、産業基盤、こういったあらゆる面で相互連結性を高め、地域全体で抑止力を向上させていくことが重要です。防衛装備移転制度の見直しも、こうした考え方に基づいて行っているものであり、日本として各国が地域の安定に貢献していくに当たっての頼りになるパートナー、そして地域の努力を結びつける結節点であれるように積極的な役割を果たしていきたいと考えています。CBCさんですから、5月にも愛知県で、私が防衛産業の現場を視察をした際にもお会いをさせていただきましたが、あの時三菱重工さんにもお伺いをしたし、プロドローン社という、ドローンを今担っているスタートアップにもお邪魔させていただきました。あの時にですね、DBJからの融資案件というか、あの時まだなかなか今までだったら融資が下りなかったような環境にあったところ、その制限というのをDBJが撤廃をするというアナウンスがあって、確認をしたところですね、つい先日、7月31日にプロドローン社がDBJから資金調達を行ったと、こういった公表がされるなど、間違いなくこの防衛産業を取り巻く環境も変わってきています。このように、やはり自前で生産力を持たなければ、抑止力を持つことにはつながらないと、この生産力こそ抑止力と、こういった考え方を持って、スタートアップの皆さんにも御協力をいただきながら、防衛生産の基盤、そして技術基盤、防衛産業を強くしていくと、その上で、やはり愛知県の中には非常に有望な企業がいっぱいあります。今までも航空宇宙産業をはじめ担ってきていただいておりますけど、やはり防衛産業のことを考えても、愛知県の皆さんのこの貢献、そして技術、これは是非ですね、愛知県の皆さんにも、この防衛産業に携わっている皆さんに対して、不可欠な大切なお仕事をされている方々だと、そういった御理解が得られるように、私も丁寧に説明をし、そしてまた応援をしていきたいと思っております。
記者:
話題変わり恐縮ですが、先週、自民党の戦略本部が取りまとめた、インテリジェンス機能強化に関する提言案について伺います。正式な党内了承の前ではあるのですが、提言案では安全保障目的の通信傍受を可能にする法整備の必要性などを盛り込んでいます。現在、防衛省では情報本部の電波部が外国の軍用無線やレーダー電波などの傍受を行っているとされていますが、通信傍受の必要性について大臣の見解を伺います。また、民間人のメールやSNSなどが令状なしで傍受できるようになる可能性があることで、通信の秘密やプライバシー侵害に対する懸念の声が上がっています。こうした懸念についてどのように向き合うか、こちらも大臣の見解を伺えればと思います。
大臣:
自民党において、様々な議論が行われていることは承知をしておりますが、政府としてコメントをすることは差し控えます。その上で、我が国周辺での中国・ロシアの軍事活動の活発化や、北朝鮮の核・ミサイル開発など、我が国周辺の安全保障環境は厳しさと不確実性を増しており、こうした状況に適切に対応するためにも、情報機能の強化は必要不可欠です。防衛省においては、現在、防衛力を変革すべく、防衛力強化の在り方についての議論も行っています。その中で、情報機能の強化についても、しっかりと検討していく考えです。
以上