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記者:
先日閉会した国会では、防衛省提出法案が全て成立し、航空宇宙自衛隊への改編や沖縄を拠点とする陸上自衛隊15旅団の師団化などが決まりました。また委員会では年末にも改定を控える安保関連三文書に関する議論もされたと思います。改めて大臣から今国会の振り返りをお願いいたします。
大臣:
先週末、今国会が会期末を迎えました。今国会では、防衛力の抜本的強化を着実に進めるため、過去最大の9兆円を超える予算をお認めいただきました。また、安全保障環境が一層厳しさを増す中、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要な法整備を前に進めることができた、大変意義深い国会であったと考えています。具体的には、航空自衛隊の航空宇宙自衛隊への改編、防衛副大臣の増員、陸自第15旅団の第15師団への改編を含む防衛省設置法等の一部改正、そして公務員が予備自衛官の招集に応じる環境を整備する予備自衛官等兼業特例法の成立など、防衛力の抜本的強化や人的基盤の強化に向けた重要な施策を実現することができました。これらの審議に当たっては、私自身、今国会会期中に約200時間にわたり国会に出席し、800問近くの質問通告をいただく中で、分かりやすく丁寧な答弁に努めてまいりました。その結果、与党だけではなく一部の野党にも御理解をいただき、幅広い御支持の下で、法案を成立させることができました。改めて、御審議いただいた与野党議員の皆様をはじめ、国会対応や危機管理に携わった関係者、防衛省職員の尽力に感謝したいと思います。その上で、防衛省自身も変わっていかなければなりません。この会期中には、国会議員会館への資料配付の廃止や、国会対応業務の効率化に向けた生成AIの活用など、様々な業務改革に取り組んできました。今後も長年の慣習にとらわれることなく、より効率的で質の高い行政の実現に向けて、不断に改善を進めてまいります。また、防衛力の強化に加えて、同志国との協力を進める観点から、防衛装備移転三原則及びその運用指針の改正を行いました。今やどの国も一国だけで自国の平和と安全を守ることは困難であり、装備面も含め、同盟国・同志国との連携を一層強化してまいります。私としては国会中の出来事といえば、やはりこの防衛装備移転、この政策変更の大きさ、これを大臣としては特に強く感じています。私自身もこの会期中に、計9か国を訪問し、また、来日した各国要人との会談は約30回を超えました。こうした機会を通じて、各国の国防大臣等と率直な議論を重ね、信頼関係の強化に努めてまいりました。引き続き、我が国と価値観や戦略的利益を共有する国々との連携を一層強化してまいります。また、国会は閉会しましたけれども、防衛省には、なお多くの課題があります。特に、今年中に予定する三文書の改定に向けて、幅広い議論を重ね、我が国を取り巻く安全保障環境に対応した防衛力の在り方を検討してまいります。また、この会期中には全国各地の部隊を視察をしました。その中で、自衛官が社会の中で誇りをもって仕事に邁進でき、御家族も安心して生活できる環境を整えることの必要性を改めて実感しました。自衛官の処遇改善や退職自衛隊員・家族支援の強化としての新たな庁の設置を含む体制の検討など、必要な施策を着実に進めてまいります。今後も防衛大臣として、今この瞬間も国内外で任務に当たる隊員たちの先頭に立って、国民の生命と平和な暮らしを守るために、緊張感を持って責務を果たしてまいります。
記者:
陸上自衛隊の部隊による情報収集についてお尋ねします。陸上自衛隊の中央情報隊の対外情報部門が、日本人の大学教授ら市民を対象に愛国心や異性関係といった個人情報を組織的に調査・収集しているとされる問題で、熊日新聞の取材では、隊員が身分を隠して対象者に接触する人的情報収集活動が部隊内で承認されていたとみられることが明らかになっています。小泉大臣は前回の閣議後会見で、対外情報部門の活動は防衛省設置法に基づくものであり、不適切な活動は確認されていないと述べられました。自衛隊員が身分を隠して、秘密裏に民間人の私的な内容を調査することは適切な情報活動と言えるのでしょうか。活動が確認されていないとして回答を控える場合には、一般論として、こうした手法が適切と考えるか、不適切と考えるかも含めてお尋ねします。
大臣:
陸上自衛隊中央情報隊の対外情報部門の隊員が、自らの身分を偽って情報収集を行ったとの事実は確認されておりません。その上で、報道の前提とされている文書については、防衛省・自衛隊が公表したものではなく、その出所や真正性を確認できていないため、当該文書の内容を前提としたお答えは差し控えます。したがって、御指摘のような身分を秘匿した接触が行われていたとの前提で、その適否についてお答えすることは困難であります。
記者:
関連でお尋ねします。自衛隊法第59条ですとか、また、国家公務員法第100条1項では、隊員や職員は職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならないと規定されています。今回の一連の報道の中で、この元自衛隊員の告発は違法に当たるとお考えでしょうか。違法であると考える場合に、捜査機関に相談の上、対応することは考えているのか、現時点の対応方針を伺います。
大臣:
報道で言及されている文書については、防衛省・自衛隊が公表したものではなく、その出所や真正性も確認できていないことから、当該文書を前提とした御質問については、お答えすることは差し控えます。
記者:
普天間飛行場の早期返還や返還期日の確定を求める、チーム宜野湾が結成されたことについて伺います。結成式に主催者発表で市民ら1,000人が参加しました。1996年に日米両政府が普天間返還を合意してから、今年で30年が経ちましたが、いまだ返還は実現していません。今回の結成式で採択された共同声明は、返還が実現していないことについて、非常に残念で、極めて遺憾だと訴えており、このままでは返還合意から40年が経過するとも指摘しています。また、政府が普天間の代替施設として進める辺野古新基地建設については触れないなど、市民らの複雑な感情が共同声明に表れています。大臣はチーム宜野湾の結成や共同声明の内容について、どのように受け止めていますか。また、普天間の返還期日が確定できない理由についてお聞かせください。
大臣:
普天間飛行場については、日米両政府がその返還に合意してから30年を迎える中、いまだ返還が実現していないことを重く受け止めています。普天間飛行場をめぐる問題の原点は、市街地に位置し、住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の危険性を一日も早く除去することです。普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければなりません。これは、政府と地元の皆様との共通認識であると思います。防衛省としては、引き続き、地元の皆様に丁寧な説明を行いながら、辺野古移設に向けた工事を着実に進め、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現してまいります。
記者:
TBSでは、現在放送中のドラマ「VIVANT」に関連して伺います。作品内では陸上自衛隊の秘密情報部隊「別班」と呼ばれる組織を中心にストーリーが描かれています。政府は過去には、こういった別班と呼ばれる組織を存在しないとしている一方でですね、石破前総理などは、あるとも言えないとした上で、そういう組織はあるべきと必要性についても言及しています。改めてですけれども、こうした「別班」ないし、これに準じる組織は自衛隊内に存在するのでしょうか。先ほどもちょっと質問でもありましたけれども、その上で、諜報や情報を専門とする部隊の必要性もあわせて大臣はどのようにお考えになられているか教えてください。
大臣:
御指摘の諜報・情報を専門とする部隊などの人的情報収集能力の強化は、防衛省を含む政府全体の課題であると認識しています。防衛省としては、引き続き関係省庁と連携しつつ、人的情報を含む情報機能の強化に取り組んでまいります。その上で、今、御指摘の陸上自衛隊の「別班」といったような組織は、これまで存在しておらず、また現在も存在していません。ドラマは好きですけどね。
以上