防衛大臣臨時記者会見

日時
令和8年6月28日(日)17:18~17:29(現地時間)
場所
ロッテホテル ソウル
備考
日韓防衛相会談後の小泉防衛大臣臨時会見

動画版

1 発表事項

私の今回の訪韓は、1月に横須賀で開催した日韓防衛相会談の際にアン長官との間で確認した、両閣僚の相互訪問及び防衛相会談の定例化を実現するものです。両閣僚の相互訪問については、私がこの度、アン長官の来日から5か月足らずで訪韓したことで、短期間で達成されました。防衛大臣が1年のうちに相互訪問したのは過去にはわずか2回で、今回は23年ぶりとなります。また、これまでに日韓の両大臣がお互いの地元を訪問し合ったことは、これまでなかったと思います。まず昨日は、韓国空軍曲技飛行チーム、ブラック・イーグルスの基地であるウォンジュ基地にアン長官の専用ヘリで訪問し、ブラック・イーグルスのコックピットに搭乗しました。これらも、いずれも外国の防衛大臣として初めてのことであります。私も、航空自衛隊のブルーインパルスの機体に体験搭乗したことがありますが、基地ではブラック・イーグルスの機体をアン長官とともに視察し、隊員の方々とも意見交換をさせていただきました。そして、本日午前には国防部の庁舎にて、私とアン長官の間では6回目となる日韓防衛相会談を開催しました。今回の会談では、両閣僚の相互訪問及び防衛相会談が定例化されたこと、日韓捜索・救難共同訓練(SAREX)が約9年ぶりに実施されたこと、防衛当局間でAI分野に関する議論が実施されるなど、我々リーダー間の強い信頼関係を基礎として、着実に具体的な防衛協力が進んでいることを確認しました。その上で、厳しい安全保障環境の中で、地域の平和と安定の維持のために引き続き協力するとともに、朝鮮半島の完全な非核化と恒久的平和構築に向けた意思を再確認し、日韓、日米韓協力を継続していくことで一致しました。特に、韓国空軍ブラック・イーグルスによる我が国への寄航をきっかけに、両国の曲技飛行チーム間の協力・交流を引き続き発展させていくこと、様々な海難事故の状況に備えて捜索・救難共同訓練を更に発展させていくこと、日本の装備移転に関する政策の変更を踏まえ、日韓の防衛装備・技術協力について議論を進めること、AIのみならず、その他の先端科学技術協力分野でも、日韓間の意見交換を継続していくことで一致しました。また、昨日は中露の爆撃機による共同飛行がありましたが、両国による度重なる爆撃機の共同飛行は、我が国周辺における活動の拡大・活発化を意味するとともに、我が国に対する示威行動と捉えざるを得ないものです。こういったケースに対して、タイムリーにアン長官と意見交換・情報交換をできたことも、今回の訪問の意義の一つになったと考えています。そしてその後、本日午後には、韓国の学生・若手社会人の方々、そして韓国で勉強されている日本人留学生の方々と対話を行いました。このような形で、日韓の防衛大臣同士が両国の若い世代の皆さんと向き合いながら、共に対話を行うということも未だかつてないことだと伺いました。こういった案件を実現をするために、アン長官の取り計らい、そして日曜日にも関わらず、今日は防衛研究所を開けていただいて大変温かく迎えていただいたことも、両国の防衛協力が今までにない次元へと歩みを進めている1つのケースだと感じています。そしてその対話の後には、恒例となりました卓球についても開催をしました。1月の横須賀では、私とアン長官の間はシングルスで対決をしましたが、今回はアン長官と私がダブルスを組み、日韓両国の学生と対決をするという形になりました。最後、私が何とかかろうじて拾った球をアン長官がスマッシュで見事に決めるというフィナーレで、このダブルスは終わりました。日韓の防衛協力の今後の発展を感じさせるような素晴らしい連携を見せることができたと思います。このように、私とアン長官が前例のないペースで会談を重ね、訪韓時には今日お話ししたような多くの初めてとなるケースを実現をしている、こうした事実こそが、今までにない日韓の良好な関係、そして防衛協力・交流の取組の積み重ねの証だと思います。1月に始まった我々のラリーは、お互いの信頼関係を強固にしながら、これからも間違いなく続いていくと信じています。今後も、相互の理解と信頼の増進を通じて、安定的かつ未来指向的な日韓防衛協力・交流の発展のために、意思疎通と努力を強化していきたいと思います。冒頭は以上です。

2 質疑応答

記者:
ACSAについて伺います。今回の会談で話題に上ったのか、上っていればどのようなやり取りがあったのか教えてください。また、イ・ジェミョン大統領はですね、その必要性に言及していますけれども、一方で慎重な姿勢も示しています。こうした中、大臣はACSA締結の必要性どのように認識していらっしゃいますでしょうか。また、今後の日韓協議や締結の見通しについて教えてください。

大臣:
詳細は控えますけれども、その上で申し上げますと、韓国とのACSAの締結について現時点で決まっていることはありませんが、日韓間においては現下の厳しい安全保障環境についての認識を共有しており、イ・ジェミョン大統領からは、このACSAについて現実的な必要はあるが、国民感情として今のところ難しいとの発言があったことを承知をしています。今回、韓国の若い世代の皆さんとの対話の機会を得ましたが、このことは正に日韓の防衛協力・交流に関する韓国の国民の皆様の御理解を少しでも深めていただくために、アン長官の取り計らいで実現したものです。こうしたことを一足飛びに進展させることは、必ずしも容易なことではありませんが、一歩一歩着実に日韓防衛協力・交流を更に発展させるべく、引き続き、韓国側との意思疎通を、そしてまた努力を強化していく考えです。

記者:
海上自衛隊と韓国海軍による捜索救難共同訓練(SAREX)の再開や、韓国軍のブラック・イーグルスとの交流など、韓国との間での防衛交流が活発化しています。こうした日韓防衛協力には、どのような意義があるとお考えでしょうか。また、今後どのような形で交流・協力を深化させていくか伺います。あわせてですね、先ほど言及ありましたが、昨日の中国とロシアによる共同飛行に関して、先ほど言及あったとおり、アン長官との間でどのようなやり取りが行われたのか、この連携を今後どのように生かしていくか、お伺いします。

大臣:
地域の安全保障環境が厳しさと複雑さを増す中、日韓、日米韓の連携がますます重要であることに変わりありません。これまで日韓、日米韓の防衛当局においては、大臣同士の間での意思疎通のほか、幕僚長級、実務者級や現場の部隊の間などの様々なレベルで緊密に意思疎通を図り、防衛協力・交流を推進してきました。また今日は、これも外国の防衛大臣としては初めてだと聞きましたが、防衛省の中の広報院、ここにも訪問をして、そして安居院報道官と韓国の報道官の間でも、今回意思疎通を新たにすることになって、今後こういった情報戦の時代、認知戦の時代に幅広い協力の可能性というのを私も感じたところでもあります。あらゆるレベルで緊密に連携を強化したいと思います。また、先ほども言いましたけれども、私とアン長官の間ではこれで6度目、そして今後も国会の状況によりますけれども、様々お会いをする機会も近いうちに想定をされます。今日のフォローアップも含めて、更に連携を強化をしたいと思います。また、ブルーインパルスとブラック・イーグルスの間の交流が実施をされたことも良かったですし、SAREXも9年ぶりと、このように自衛隊と韓国軍の間でも防衛協力・交流が促進・強化をされています。そして、引き続き、日韓、日米韓で協力を深めていくことの重要性、これはお互いも確認をしましたので、これをしっかりと強化をしていきたいと思います。また最後、御質問ありました昨日の中露の共同の行動に対しては、昨日アン長官と正にそういった事案が発生をしたことを受けて、タイムリーにお互いの情報共有、こういったことができたこともですね、やはり有意義な会談に、結果として、一つの価値を与えていただいたと思っております。私は、今までも例えば中国のレーダー照射があった後とか、こういった時にオーストラリアのマールズ大臣が来日をされて、そういった事案にタイムリーに各国の防衛大臣同士で情報共有や意思疎通をしてきましたので、やはり日頃からのトップ同士の信頼関係の構築というのが、この不測の事態にも緊密な連携と情報共有という形で生きると、こういったことを日韓でもしっかりと積み上げていけるように今後も努力をしたいと思います。

記者:
今回の会談では、日本の防衛装備移転政策や防衛装備分野での日韓協力について議論はありましたでしょうか。韓国は近年、防衛産業や装備輸出で存在感を高めていますが、日本として参考にしたい取組や今後の防衛装備分野における協力の可能性について大臣の考えを伺います。

大臣:
アン長官との間では、先ほど申し上げたように、日韓の防衛装備・技術協力について議論を進めることで一致できました。韓国は、防衛装備移転に大変積極的に取り組んでいまして、ストックホルム国際平和研究所の統計によれば、2016年から2025年までの10年間において世界第9位であると承知しています。そして今回、そのことについてもこちらからお話をしたところ、昨年だけで言えば、世界4位のところだということも聞きました。韓国におけるこの防衛装備移転政策について、我々も研究することがありますし、そして両国間で今後、具体的な議論を進めていきたいと思います。そういった点についても議論ができたことも、今回大変良かったのではないかなと思っています。

以上