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それでは今日は冒頭1件です。明日27日から28日までの間、私の就任以降、初めて韓国を訪問します。そして、5月末のシンガポールでの会談以来となる6回目の日韓防衛相会談をアン・ギュベク国防部長官と行う予定です。今回の訪韓は、今年1月にアン長官を私の地元である横須賀にお迎えし、両閣僚の相互訪問及び防衛相会談の定例化に合意したことによるものです。韓国では、防衛相会談のほか、韓国空軍のアクロバット飛行チームであるブラック・イーグルスの視察や、韓国の若い世代の方々との対話、チョ・ヒョン外交部長官との懇談等を予定をしています。地域の安全保障環境が厳しさと複雑さを増す中、日韓、日米韓の連携がますます重要であることには変わりありません。今回の訪韓を通じ、地域情勢に関する認識を共有するともに、安定的かつ未来志向的な日韓防衛協力・交流の発展に向け議論を行い、アン長官との信頼関係を更に深めていき、シャトル防衛外交を続けていきたいと考えています。冒頭は以上です。
記者:
陸上自衛隊のレンジャーの訓練再開について伺います。防衛省は、一部で中止していたレンジャー訓練をこの夏にも再開する予定と承知しています。訓練の中止は、新しい戦い方に対応するため、訓練内容などの見直しの必要性があったとこれまで説明をされていますが、新たに訓練再開の際にですね、訓練で取り入れるもの、またその理由をあわせて教えてください。また、これまで必ずしも一定で定められていなかった安全確保、つまり水分補給などの基準も定められたと承知しています。訓練内容の見直しの際に隊員の安全確保という点で取り入れられた要素を御説明ください。
大臣:
これまで陸上自衛隊の各師団・旅団におけるレンジャー養成教育については、令和7年3月に中止していましたが、本年4月より、見直し後の教育内容を隊員に教育するための準備を開始しており、新たに各方面混成団において、7月以降に逐次実施する予定です。今般のレンジャー教育の見直しについては、現代戦に対応するため、レンジャー隊員がより高度な能力を保持できるようにすることを目的として、教育期間や教育内容について、現代の作戦環境に適合させるとともに、一般隊員では対応が困難な任務に即応し得るように、新たに小火器射撃や市街地戦闘等の能力を付与すること、身体要件や健康管理、安全管理の基準を明確化することなどについて見直しを行っています。なお、教育内容については、無人機の操縦なども含まれております。また、身体要件や健康管理、安全管理の基準の明確化の具体的な内容としては、身体要件については、科学的根拠が不明確であった項目、例えば年齢制限、そして背筋力などの身体要件、これらを削除し、自衛官の採用基準と整合を図ること、安全管理については、酷暑時期を避けた教育期間の設定、水分補給の基準及び睡眠時間の基準を設定すること、健康管理については、ウェアラブル端末を活用し、日々の健康状態、体温や血圧、睡眠時間等の確認をとること、こういったことが具体的な内容となります。防衛省・自衛隊としては、新たなレンジャー教育を速やかに開始できるよう準備を進めており、現代戦に対応した、より高度な能力を持つ隊員を育成することで、我が国の安全保障に万全を期してまいります。
記者:
2点お伺いします。まずは、本日の参議院本会議で採決される防衛省設置法案についてお伺いします。こちらの法案は自衛官への若年定年退職者給付金の引き上げですとか、あるいは再就職支援の拡充が盛り込まれています。自衛官へのこうした金銭面、再就職の支援を強化することが、自衛隊の人手不足の解消にどういう効果を発揮するとお考えになっているか教えてください。また、大臣は先日の省内の会議で、退職自衛隊員と家族の支援のための司令塔組織と言いますか、新しい組織を検討する姿勢も示しました。こちらを、その防衛省ではなくて別組織として切り出して作る意義について教えてください。
大臣:
令和7年度末の自衛官の充足率は約90%であり、私は強い危機感を持っています。今後、自衛隊にとって採用数を確保することは言うまでもありませんが、今いる人材を大切にすることが最重要の課題です。このため、自衛隊創設以来、初めてとなる自衛官の給与体系の独自改定などの、処遇改善の取組を推進しており、募集や隊員の定着の後押しになるものと考えています。また、再就職支援などの新たな生涯設計の確立等に係る取組は、若年定年制の下にある自衛官が安心して任務に邁進するために必要不可欠だと考えています。そして、令和7年度の自衛官等の採用者数については11,177人と、前年度と比較して1,453人の増加となりましたが、これはこうした取組が一定の効果を上げた結果だと考えています。また、募集環境が厳しさを増す中で、自衛隊員という職業を選択して続けていただくためには、現職の自衛隊員の処遇改善はもちろんのこと、退職した自衛隊員や御家族の皆様も誇りを持って、胸を張って人生を全うできる環境を構築することが必要です。このため、退職自衛隊員の管理、退職自衛隊員御家族の社会的地位向上、退職後の給付金の在り方の検討、有事を見据え必要となる負傷隊員への対応、社会的復帰支援、こういったことを担う、私が使っている言葉で言えば、いわば退職自衛隊員・家族支援庁、こういった組織の創設が必要だと考えております。こうした観点から、今月17日に第1回退職自衛隊員・家族支援の強化に関する検討委員会を実施し、この検討の加速・深化を指示したものです。退職自衛隊員や家族の支援に係る施策の具体的な推進体制については引き続き、この委員会で議論をしていきますが、政務三役、そして防衛省・自衛隊一丸となってこの関連する施策をしっかりと迅速に進めることができるように検討を進めていきます。
記者:
もう1点よろしいでしょうか。話題変わります。陸上自衛隊が2025年、昨年の2月までですね、ウイルスに感染したUSBメモリを機密システムで1年ほど使っていたということが、日本経済新聞の取材で明らかになりました。こちらについてお伺いしますが、まず1点目が、開かれた自衛隊を目指す観点から、事前にこういった事案があったということを公表した方が良かったのではないかということについて、大臣のお考えをお聞かせください。もう一つが、サプライチェーンの安全保障というのを実践する上で、今回のこうしたチェック体制の不備といいますか、そうしたものをどのように大臣受け止めて、今後どういうふうに改善していくかお考えをお聞かせください。
大臣:
陸上自衛隊中部方面総監部において、令和7年2月、保有するUSBメモリにマルウェアが含まれていることを検知した事例がありました。本件については、当該マルウェアが自己増殖の動作にとどまる古典的なものであり、情報窃取や外部への通信を行うものではなかったこと、USBメモリを接続したシステムへのマルウェアの拡散は見られなかったことから、陸上自衛隊のシステムへの影響はなかったと報告を受けております。その上で、防衛省・自衛隊の各種規則においては、USBメモリの安全性を確認する複数の方策を規定しており、例えば、USBメモリの調達に際し、重要性や運用環境等に応じて、事前に安全性を確認するなど、適切にサプライチェーンリスクに対応することとしているほか、USBメモリの使用に際しても、例外なくウイルスチェックを実施し、安全性を確認することとしております。本件に係るUSBメモリは、能登半島地震への対応に際し、中部方面総監部が物品登録し利用していたものですが、その取得までの経緯については、現在、改めて調査を行っているものと報告を受けております。いずれにしても、本件においては、USBメモリの使用に際し、例外なくウイルスチェックを実施し、安全性を確認するという規則が遵守されていなかったことは問題だったと考えています。こうしたことが起きないよう、現在、ウイルスチェックの実施を徹底しているところです。またお尋ねの公表につきましては、本件のUSBメモリの同型製品に同様にマルウェアが含まれているかといった点について、防衛省・自衛隊として判断し、公表することは困難であると考えておりますが、今後、国家サイバー統括室(NCO)への情報共有を適切に行うなど、我が国全体のサイバーセキュリティの強化に貢献していく考えです。松本サイバー安全保障担当大臣ともよく連携していきたいと思います。
記者:
日経さんの質問と若干重複しますが、防衛省設置法改正について伺います。本日の本会議で成立の見通しですが、先ほどの質問以外でも、航空宇宙自衛隊への改編ですとか、副大臣の増員が盛り込まれております。改めて本法律の意義について大臣の考えを教えてください。
大臣:
今国会において、御審議いただいている法律案は、防衛省・自衛隊が、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対応できるよう、その組織を変革させ、自衛官の処遇を改善させるためにも必要不可欠なものです。具体的には、防衛省・自衛隊の組織改編として、防衛副大臣の増員、カーナビや地図アプリ、天気予報など、もはや宇宙利用なしに国民生活が成り立たない中で、宇宙領域における防衛体制の強化のための航空宇宙自衛隊への改編、我が国防衛の最前線ともいえる南西地域の防衛体制の強化のための第15師団への改編、これを行いますし、人的基盤の抜本的強化として、若年定年退職者給付金の支給水準の引き上げや再就職支援の拡充などを行うものであり、我が国自身の防衛力強化に不可欠なものです。防衛省としては、今後も多くの国民の皆様に、法案の趣旨を御理解いただき、広い御支持が得られるように、分かりやすく丁寧な説明を続けていくとともに、任務の円滑な遂行に必要な取組を着実に進めてまいります。
記者:
2点伺います。1点目、日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン」で、陸自のオスプレイが、初めて米軍普天間飛行場に着陸した件について伺います。22日に陸自オスプレイ3機が普天間飛行場に着陸しました。宜野湾市の佐喜真淳市長は、外来機の飛来は市民の負担が増加するので、飛行は自粛してほしいと述べています。市民からも、基地機能の強化だ、と怒りの声があります。今回の陸自による普天間の使用は、政府が繰り返し言及する沖縄の基地負担軽減とは逆行していないでしょうか、大臣の見解をお願いします。
大臣:
戦後80年を経た今もなお、沖縄県には多くのアメリカ軍施設・区域が集中しており、沖縄の皆様には大きな基地負担を担っていただいていることを重く受け止めております。沖縄の基地負担軽減は、政府の最重要課題の一つであり、これまでも様々な形でアメリカ軍施設・区域の整理・統合・縮小の努力を積み重ねてきました。その一方で、我が国周辺の海空域において、周辺国等が活動を拡大・活発化させている中、南西地域における抑止力・対処力の向上は喫緊の課題であり、国民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、島嶼部を含む南西地域において、日米共同訓練をはじめとする各種訓練・演習を着実に実施することは、沖縄県民の皆様を含む国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要不可欠なものです。「レゾリュート・ドラゴン26」では、陸上自衛隊オスプレイが普天間飛行場を拠点として、宮古島や石垣島での災害対処訓練に参加予定であり、これは南西地域における災害対処能力の強化につながるものです。その上で、本訓練では、アメリカ海兵隊のMV-22オスプレイが、沖縄県外の高遊原分屯地を拠点として、九州の演習場等において、各種訓練を実施することとしており、沖縄の基地負担軽減に資するものだと考えています。防衛省としては、沖縄の基地負担軽減が目に見える形で実現するよう、引き続き嘉手納以南の土地の返還をはじめとする施策に全力で取り組みつつ、南西地域における抑止力・対処力の強化についてもしっかりと進めてまいります。
記者:
もう1点、米海兵隊岩国基地に暫定配備中の戦闘攻撃機FA18Cホーネットが、慰霊の日の23日に嘉手納基地に飛来した件について伺います。沖縄防衛局によると、慰霊の日に航空機が嘉手納基地を離着陸するのは少なくとも4年連続とのことです。沖縄県は15日に防衛局に対して、慰霊の日は米軍の訓練飛行を自粛するように要請していました。日米が合意した航空機騒音規制措置は「慰霊の日のような周辺地域社会にとって特別に意義のある日については、訓練飛行を最小限にするよう配慮する」と記しています。航空機が少なくとも4年連続、慰霊の日に嘉手納基地に飛来したことについての大臣の受け止めをお願いします。また、日米合意による航空機騒音規制措置は形骸化していないでしょうか、大臣の見解をお願いします。
大臣:
嘉手納飛行場には日米両政府の合意により、航空機騒音規制措置が定められており、午後10時から午前6時の間は、運用上の所要があるものに制限され、訓練も必要最小限に制限されています。また日曜の訓練飛行は差し控え、慰霊の日のような特別に意義のある日は訓練飛行を最小限にするよう配慮することとされています。今般、慰霊の日にアメリカ軍の航空機が嘉手納飛行場に離着陸する様子が確認されましたが、これも我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、アメリカ軍は日米安全保障条約の目的を達成するため、周辺地域の安全確保を大前提としつつ、アメリカ軍機の必要な運用を行ったものと認識しております。航空機騒音規制措置に関しては、できるだけ周辺地域への影響を最小限にする運用に努めていると、平素よりアメリカ側から説明を受けており、航空機騒音規制措置が形骸化しているとは考えていませんが、いずれにせよ、防衛省としても引き続きアメリカ側に対して、日米合意を遵守し、周辺住民の方々に与える影響を最小限にとどめるよう働きかけてまいります。
記者:
新しい守り方についてお尋ねします。大臣は5月頃から記者会見の場などで使用されたと認識しておりますが、この言葉を使われるようになった経緯と大臣御自身の狙い、また現時点で想定しているその中身について御説明ください。この守り方は、既に現行の国家防衛戦略にも記述されている新しい戦い方とどのように違うのかもお尋ねします。宜しくお願いします。
大臣:
戦い方の変化への対応は、三文書改定に向けた大きなテーマの1つです。近年、技術開発によって戦闘の様相は大きく変化しています。無人機が大量に運用され、AIによって意思決定のスピードは飛躍的に高まりました。更に、宇宙、サイバー、電子戦、情報戦などを組み合わせた戦い方が、現代では当たり前になっています。こうした変化は、現在の三文書を策定した時点でも見られましたが、その後3年以上が経過し、その傾向は更に顕著になっています。こうした世界の新しい戦い方を、我が国がそのまま取り入れるのではありません。日本は四方を海に囲まれているなど、他国とは異なる地理的・戦略的な特性があります。そうした我が国を取り巻く安全保障環境を踏まえ、日本に最も適した独自の戦略を築いていくことが必要です。その考え方を国民の皆様にわかりやすくお伝えするため、私は最近新しい守り方という表現を使っています。その具体的な内容については、三文書の改定に向けた議論の中で、今後更に検討を深めていきます。現在は攻撃側のコストが、防御側のコストを大きく下回る時代になっています。その中で、専守防衛を基本とする我が国が、戦い方の変化にどう対応し、いかに非対照的で優位なコスト構造を実現するかが重要なポイントです。例えば、AIを活用して、自衛隊がより正確に戦況を把握し、迅速に意思決定できる体制を整えること、比較的低コストの迎撃手段も活用しながら空からの脅威に効率的に対処できるようにすること、スタンド・オフ・ミサイルや無人アセットを活用し、海を経て接近する脅威に対して海上で相手に大きなコストを負わせること、こうした非対照的な対処を可能とする防衛力を大幅に強化し、新しい守り方を実現するための方策について、引き続き、検討を進めてまいります。
以上