防衛大臣記者会見

日時
令和8年6月16日(火)08:50~09:05
場所
参議院別館3階防衛省政府控室
備考
小泉防衛大臣閣議後会見

動画版

1 発表事項

今日は冒頭1件です。令和7年度の自衛官等の採用者数について報告したいと思います。少子化による募集対象者人口の減少により、我が国が深刻な人手不足を迎える中、令和7年7月末の高校新卒有効求人倍率は、前年と同様に高い水準で推移しており、人材獲得競争は、引き続き厳しい状況となっています。こうした中、令和7年度の自衛官等の採用者数については、11,177人と、前年度と比較し1,453人の増加となりました。これは14.9%のプラスになります。このうち、一般曹候補生については、4,946人と、5年ぶりに増加し、自衛官候補生については、4,320人と前年度に引き続き増加となりました。特に、自衛官候補生の採用者数は、前年度と比較して約35%増となりました。採用者数の増加は、これまで防衛省が取り組んできた、自衛官の処遇、生活・勤務環境の改善、新たな生涯設計の確立等に関する各種の施策が一定の効果を上げたとともに、自衛官募集という重要な任務に当たる現場の広報官の努力の賜物であると考えております。防衛力の基盤は人であり、自衛官の人材確保は至上命題です。防衛省として、これまでの各種施策に引き続き取り組み、自衛官が士気高く、国防という任務に当たることができるよう、防衛省・自衛隊を真に人を大切にする組織へと変革をしていきたいと思います。冒頭は以上です。

2 質疑応答

記者:
イギリスとの関係について伺います。イギリスのヒーリー国防大臣の交代をですね、イギリス首相官邸が11日に発表しました。日本とイギリスは、イタリアとともに次期戦闘機の開発など、将来的な防衛面での連携を深めていく中での影響をどのように考えているか教えてください。

大臣:
ヒーリー大臣とは、先月末のシャングリラ会合でもお会いをしました。今までの会談は4回にわたって様々な意思疎通をしてきましたので、私個人としてもですね、仕事相手をこのような形で失うということは大変残念に思いますし、同時にヒ―リー大臣が今まで国防政策の強化にどれだけ貢献してきたかもよく理解をしていますので、心から敬意と、そしてまた、ともにGCAPにイギリスの政府内でいろんなやり取りがある中でも、常に日本との協力というものの重要性を重きを置いて、最善の努力をしてくださった、そのことに心から感謝を表したいと思います。この、ヒーリー大臣との間で築いてきた信頼関係を土台にして、今後ともアジア・欧州における相互に最も緊密な安全保障上のパートナーとして、幅広い分野での安全保障・防衛協力に一層取り組みたいと思っています。なお、次期戦闘機の共同開発については、14日に実施された日英首脳会談において、スターマー首相から、共同開発を更に加速していける環境が整ったと、そういう話があったとともに、スターマー首相、高市首相が、関係機関、国際機関であるGIGOと合弁会社エッジウィング社の間で6月末に次の契約が締結されるよう支援することを通じ、次期戦闘機の共同開発を更に加速することで一致したところであり、引き続き、日英伊3か国の官民で連携しながら、効率的な次期戦闘機の開発に取り組んでまいります。この今の時期にですね、G7の前にイギリス、イタリア、高市首相に訪問していただいて、両国の首脳とGCAPについても議論をいただいたと、こういったことっていうのは、今後の弾みになる大変非常に心強い後押しになる、そんな首脳間の意思疎通だと思います。

記者:
イラン情勢について伺います。アメリカとイランは、戦闘終結に向けた覚書を交わすことで合意しました。停戦後のホルムズ海峡をめぐりですね、今後、自衛隊の派遣についての必要性と現在の検討状況について伺います。

大臣:
現時点で、自衛隊の派遣については決まっておらず、今後は、今回の覚書が着実に実施され、ホルムズ海峡における自由で安全な航行が実際に確保されるとともに、イランの核問題等につき最終的な合意が一日も早く実現することを強く期待すると、これが日本の立場です。同盟国である米国を含む同志国・関係国ともよく意思疎通をしながら、現下の情勢をよく踏まえつつ、国際法、そして国内法の範囲内で、必要な対応を検討していきたいと思います。

記者:
沖縄県は6月12日、有機フッ素化合物PFASの汚染源との疑いがある米軍嘉手納基地や普天間飛行場などへの立ち入り調査について、沖縄防衛局を通じて米軍へ再申請したと発表いたしました。この件について、防衛省として今後どのように対応するのか、また、米軍基地由来が疑われるPFAS汚染について、大臣はどのような御懸念や御認識をお持ちなのか教えてください。

大臣:
6月の12日に、沖縄県から沖縄防衛局に対し、PFOSに係る在日アメリカ軍施設・区域への立入申請が再提出されたところです。防衛省としては、沖縄県の再提出を受け、速やかに立入申請をアメリカ側に送付したところであり、アメリカ側による更なる検討が円滑に行われるよう、関係省庁と連携し、可能な限り協力していきたいと思っています。また、PFOS等は、日本国内において、これまで様々な用途に使用されてきたと承知しており、現時点で、在日アメリカ軍施設・区域周辺で検出されたPFOS等と、在日アメリカ軍との因果関係について、確たることを申し上げることは困難です。いずれにしても、PFOS等をめぐる問題は、地域の皆様が不安を抱えていることを受け止め、政府全体で取組を進めており、引き続き、関係省庁や関係自治体と緊密に連携し、必要な対応をとってまいります。

記者:
高市総理は、昨日、イギリス・フランス・ドイツ・イタリアの欧州4か国首脳が出した、ホルムズ海峡の安全確保に向けた共同声明に参加する考えを表明しました。事実関係と大臣の受け止め、今後の自衛隊に関する対応方針を伺います。

大臣:
日本時間15日、フランス・イギリス・ドイツ・イタリアの4か国が共同声明を発出し、日本にも、これへの参加について申入れがありました。高市総理からも会見で申し上げているとおり、我が国としても、ホルムズ海峡における、全ての国の船舶の自由で安全な航行の確保に向けた国際社会の決意を支持し、後押しする観点から、この共同声明に参加することとしています。現時点で、自衛隊の派遣については何ら決まっておらず、同盟国であるアメリカを含む同志国・関係国ともよく意思疎通をしながら、現下の情勢をよく踏まえつつ、国際法及び国内法の範囲内で、必要な対応を検討していきたいと思っています。

記者:
先日の大臣のインドネシア訪問に関連して、2点お尋ねします。1点目が、5月4日、6月5日、6月12日と、かなりの頻度で、防衛相会談が実施されています。この頻度で会談を実施した目的、狙いと、防衛装備移転を含むインドネシアとの防衛協力の必要性について、改めて大臣の言葉で聞かせて下さい。

大臣:
プラボウォ大統領への表敬においてですね、海洋状況を含む機微な軍事情報の共有や、これに必要なメカニズムも含め、新たな協力の可能性についても検討を開始することで一致しました。インドネシアはマラッカ海峡、ロンボク海峡など、戦略的に重要な要衝を有しており、海洋状況を含む機微な軍事情報の共有は、海洋安全保障分野における連携強化に資するものであります。また、そのための軍事情報の保護の在り方に関する議論についても前進させていくことで一致しております。引き続き、軍事情報の共有や保護の在り方については、インドネシア側との間で議論を深めていく考えですが、現時点ではですね、来月にもワーキンググループを開催する予定で、その中で今の機微な軍事情報の共有の在り方などについても議論される予定です。

記者:
今、伺っていたらすみません。防衛相会談が結構高頻度で行われていることの狙いをお願いします。

大臣:
これは、やはり個人的な信頼関係を築きながらですね、お互い両国にとって、海洋の安全保障というのが、一致をするテーマであると、その中で具体的に「あさぎり」型の護衛艦の移転の話も、今までは、ここまで具体的な話はインドネシアとの間でやったことはありませんでしたが、そういったことも含め、そしてさらに今回は、機微な軍事情報の共有も含めてですね、インドネシア側と思いを一致することができたという、これはやはり、頻繁に、そして直接、様々な形で意思疎通を交わしていることが、国家間の具体的な防衛協力、安全保障協力の形になってきているので、これからもですね、インドネシアのシャフリィ大臣とは、最近3回の日付を紹介されましたけど、成田空港で会ったり、夜中会ったり、そして、すぐあちらに訪問したり、型に捉われない、そして、今までの相互訪問の頻度とか、そういったことに捉われず、必要な今の安全保障環境の厳しさに応じて、迅速に様々な強化を実現をしていきたいというふうに思っています。

記者:
昨日15日の参議院決算委員会での質疑について伺います。質問者からですね、自衛隊は経済的に厳しい子が行くといった発言がありました。その場で撤回するということで、大臣もその場で御指摘をされていましたが、この発言に対する御見解を改めてお聞かせください。

大臣:
私は大臣就任以降ですね、各部隊、各地域の駐屯地・基地の訪問を重ねる時に、隊員の皆さんだけではなくて、隊員の御家族の皆さんとの意見交換を交わしてきました、重ねてきました。それは、やはり隊員の方の中には、また家族の中には、肩身の狭い思いをされて生活をされたり、自衛官としての人生を歩んできた方々がいらっしゃって、その皆さんの名誉ある自衛官人生、そして家族の皆さんにとっても、子供を含めて、胸を張って自分の家族は自衛官だと、そう言えるような環境を必ず実現しなければならないと、この思いで、こういった家族の皆さんとの交流も重ねてきました。今回の発言は、看過できないのは、その自衛官や家族の皆さんが傷ついていることです。一方的な偏見に満ちた、そういった見方を国会の中でされたことを、やはり、大臣として黙ってるわけにはいかないと、その思いが強くあります。そして、様々な報道が既にされてますけれども、特に、後段の方でですね、北朝鮮、中国、ロシア、こういった国々の子供達が日本の学校にいるかもしれないから、その国々の子供達への配慮が必要じゃないか、ついては、防衛白書、この表現についても、見直すべきではないかというような趣旨を、お話をされていましたが、まず優先されるべきは、我が国のために働いている自衛官やその家族の皆さん、子供達に対する配慮なのではないでしょうか。それを抜きに、この周辺諸国への子供達に対する配慮という、こういった発想というのは、私は全く理解が出来ません。撤回されたということでありますけれども、このことで、傷ついた自衛官、そして家族の皆さんがいることを忘れないでいただきたいというふうに思いますし、今インドネシアの話ありましたけど、恵まれないから自衛官になった人が、今の自衛官の姿なんてとんでもないですね。インドネシアで私の通訳をやってくれた防衛駐在官、この方はですね、兄弟でインドネシアの防衛駐在官をやられている方で、その兄弟は、父親もインドネシアの防衛駐在官であったことで、その父親の姿を見て、自分も自衛官になって、いつかインドネシアで日本とインドネシアの防衛協力を自分が関わりたいという崇高な志で、自衛官になってます。私の地元には自衛官の高校がありますけれども、陸上自衛隊高等工科学校、防衛大学校、そして、武山、久里浜、色んな所で自衛官が働いてますけれども、親の姿を見たり、国家の貢献を考えたり、公共への思い、社会への思い、そういった志を持って、自衛官に自ら進んで志願をした。そして自衛官になった。こういった方々へ、今回の発言は、私は冒涜に当たるようなものだと思います。そういったことをですね、御家族の皆さん、地域の中で、なかなか言えないと思いますから、それを代わって、やはり黙ってはいられないと、そのメッセージを代わりに言うのも、防衛大臣としての責務だと思いますので、これからも、自衛隊の隊員、そして御家族を一人一人を守り抜くと、その思いを持って、防衛大臣の責務を果たしていきたいと思います。

記者:
今の質問に関連で、大臣、先ほど冒頭でも、自衛官の採用者数のお話もされました。そういう採用者数が増加の傾向を見せる中で、ある意味、水を差す議論になっているんじゃないかと感じます。防衛力の基盤は人とする大臣や政府の考えとは真っ向から反対するものだと、昨日の質疑のやり取りは私も思うのですけれども、政治の側から、こうした声が上がっている現状について、自衛隊に対する理解が、今、現時点で十分に得られているということは、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。

大臣:
間違いなく発言された方は無理解ですね。日教組の中央執行委員までお勤めになられた方ですから、学校現場のことをよく分かられてる方がこういう発言をするわけですから、改めてですね、今回のことを受けて、今までは白書の分かりやすい冊子を小学校向けには配布をしていましたけれども、これは小学校にとどまらず、中学校や高校についても広く展開をしていかなければいけないと、自衛隊の理解を更に広げていくような、そういった取組につなげていきたいと、こういうふうに思っています。

以上