防衛大臣臨時記者会見

日時
令和8年5月30日(土)18:30~18:43(現地時間)
場所
シャングリラホテル
備考
日米及び日韓防衛相会談後の小泉防衛大臣臨時会見

動画版

1 発表事項

今日の午後3時から約60分間、アメリカのヘグセス長官と7度目となる日米防衛相会談を行いました。会談では、私から防衛装備移転制度の見直し、我が国の防衛力の一層の強化に向けた進捗について説明したところ、ヘグセス長官からは、日本の防衛装備移転制度の見直しを歓迎し、防衛力を強化しようとする日本の取組については、地域の抑止力を向上させ、地域の平和と安定に一層貢献する取組であるとして、支持の表明がありました。また、中国をめぐる諸課題を含む、地域情勢についても幅広く意見交換を行い、日米が引き続き、揺るぎない姿を示しつつ、いかなる事態にも冷静かつ毅然と対応し、一層緊密に連携していくことを確認しました。日米防衛協力に関しては、より高度かつ実践的な共同訓練の進捗や、日米間の防衛産業協力などに関する定期協議(ⅮICAS)での議論の進展を歓迎し、SM-3ブロックⅡAやAMRAAM等のミサイルの共同開発・共同生産を含む日米協力の取組を更に加速させていくためのイニシアティブとして「オペレーション・スーパーチャージ」を提案し、具体的な方策について議論しました。オーストラリア・韓国・フィリピンをはじめとする同志国との連携についても話し合い、協力を更に進展させることで一致しました。本年3月の高市総理訪米の成果も踏まえ、首脳間で一致した日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していくための、幅広い安全保障協力について、その具体的な実行に切迫感を持って取り組み、ヘグセス長官とともに、日米同盟を更なる高みに引き上げてまいります。そして日韓の防衛大臣会談においては、来月6月に約9年ぶりとなる日韓捜索・救難共同訓練「SAREX」を実施することで一致し、私の韓国訪問について、正式に御招待をいただきました。これを受け、韓国訪問に向けて具体的に調整をして、進めていきたいと思います。これらを含め、防衛当局間で活発な交流が実施されていることを歓迎し、このモメンタムを維持することで一致しました。明日は日本・シンガポール防衛大臣会談、そして、日本・フィリピン防衛大臣会談を行う予定です。シンガポールとの防衛大臣会談では、二国間の防衛協力の進展について確認するとともに、今後の協力について具体的に議論を行います。フィリピンとの防衛大臣会談では、今月上旬にマニラで行った防衛大臣会談のフォローアップとして、防衛装備・技術協力等について議論を行います。また、第5セッションではスピーチを行います。スピーチでは、自由で開かれた秩序の重要性と、その実現のための日本の行動について発信をします。冒頭は以上です。

2 質疑応答

記者:
日米防衛相会談について伺います。会談では、中東情勢やイランをめぐるアメリカの対応について、どのような意見交換を行ったのかをお伺いします。また、米軍が中東に戦力を割いているとして、インド太平洋地域への力の空白を懸念する声もありますが、日本への影響について議論はありましたでしょうか。また、ホルムズ海峡への艦船派遣を含む自衛隊の具体的な協力要請があったのか教えてください。

大臣:
まず、最後にホルムズ海峡への艦船派遣などの具体的な協力要請があったかということですが、具体的な協力要請はありませんでした。そして、私とヘグセス長官の間では、3月に実施した2度の電話会談においても、イラン情勢について意見交換を行うなど、意思疎通を行ってきています。今日の会談では、中国をめぐる諸課題を含む地域情勢について、幅広く時間も使いながら意見交換を行ったということです。その上で、従前からは中東情勢、米軍による我が国周辺の警戒監視態勢に影響しないという説明を受けているのは、従来から説明をしているとおりであります。

記者:
日米防衛相会談について重ねてお伺いします。年内に改定する日本の安保関連三文書や日本の防衛力整備について、どのような議論があったのでしょうか。防衛費の水準や増額について、ヘグセス長官から要請や言及はあったのでしょうか。また、トマホークの調達・納入を含む装備協力についての議論もお願いします。あわせてですね、今朝のヘグセス長官の演説について、演説の中で日本の防衛力強化についての評価や、また、更なる取組への期待に言及があったと思うのですけれども、大臣のその辺りの受け止めをお願いいたします。

大臣:
まず、今回の会談では、本年3月の高市総理訪米の成果も踏まえ、首脳間で一致した日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していく幅広い安全保障協力について、その具体的な実行にスピード感を持って取り組み、日米同盟を更なる高みに引き上げていくことで一致したところです。私から、我が国の防衛力の一層の強化に向けた進捗について説明をしたところ、ヘグセス長官からは、防衛力を強化しようとする日本の取組について地域の抑止力を向上させ、地域の平和と安定に一層貢献する取組であるとして支持の表明がありました。こうした防衛力強化の取組について意見交換をする中で、アメリカ側から防衛費についても言及がありましたが、特定の金額や結論を念頭に置いたやり取りを行っていることはありません。ヘグセス長官からは、昨年10月の訪日時の共同記者会見で、尊敬を持ちながら歴史を認識し、また共通の価値観を共有していきながら互いに何ができるかということを進めていく。したがって、日本に対して何かを要求するということはないと、この発言がありましたけども、今回のやり取りもこの言葉に尽きるというところです。防衛力整備については、自らの国は自ら守ると、この基本姿勢の下、引き続き、我が国自身が主体的な判断で具体的な議論を積み上げていきたいと思います。そして、具体的な防衛装備協力・技術協力については、第4回日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議(DICAS)での議論の進展を歓迎し、私から、SM-3ブロックⅡAやAMRAAM等のミサイルの共同生産を含む日米協力の取組を更に加速させていくためのイニシアティブとして、「オペレーション・スーパーチャージ」を提案し、その具体的な方策について議論しました。1月に公表されたアメリカの国家防衛戦略における4つの柱の一つとして、防衛産業のスーパーチャージが掲げられています。このスーパーチャージとは、防衛装備の生産などを加速的に強化することを指している言葉です。世界的なミサイル需要の高まりとも相まって、日米同盟にとっての最重要課題の一つが防衛産業協力となっています。本日の第1セッションで、私がヘグセス長官に質問したように、この地域でアメリカと同盟国や同志国が、いざというときにお互いを支え合うようにすることは、地域の安全保障にとっても重要だと考えています。引き続き、アメリカと緊密に連携して、適切な取得に努めてまいります。そして、御質問のトマホークについては、現時点で令和7年度から令和9年度にかけて取得を行う予定であることに変わりはありません。

記者:
すみません。演説につきまして、午前中に大臣から言及ありましたが、Q&Aの部分と別に、演説の中でヘグセス長官が日本の防衛力強化について評価したり、更なる取組への高い期待を示されていましたが、その受け止めをお願いできますか。

大臣:
非常に前向きに日本の取組を信頼をもって見ていただいているということは感じますし、今回の議論の中でも、個人的な信頼関係を積み上げてきたからこそできる具体的な議論、今詳細はお答えすることはできませんが、やはりこの私が大臣に就任して、約半年ちょっとですか、その中で今回7度目という、この緊密な連携があるからこそ、この議論の質が伴ってくるなっていうものがあったことは御紹介しておきたいと思いますし、私が言うよりも、客観的な評価の一つで言えば、私の隣にイタリアのクロセット大臣が、ヘグセス長官のスピーチの時に座ってましたけれど、ヘグセス長官が日本について非常に前向きに期待を込めて言及をされた後に、ポンポンとクロセット大臣から日本はさすがだなと、他の国々の言及する時の表現とはちょっと違いましたよね。そういった受け止めが、私は、各国からの受け止めとしてはあるのではないでしょうか。そして、昨夜の夕食会、今日の昼食会、様々なメディアの皆さんが入らない、こういった場でも、ヘグセス長官とは相当緊密に言葉を交わしながら、時には他の国々も巻き込みながら議論をやっていますので、今、日米のトップ同士で相当緊密に連携が取れているということは、私は多くの国々に、今日の朝の私の質問も含めてですね、伝わったのではないかなと思います。

記者:
今回のシャングリラ会合ではですね、日米韓、日米豪などマルチの会談はセットされませんでした。一方で、日米豪ではフォトセッションが公表されたところですが、アメリカが西半球重視の姿勢を示す中で、日米を中核とする多国間協力、この重要性について大臣の見解をお伺いします。あわせて、今後の多国間協力推進に向けた対応方針、あとまたですね、先ほどおっしゃられたとおり、様々な場を活用して、こういうマルチの意見交換の場を設けてきた、そういったことへの意気込み、意義をお伺いします。

大臣:
そうですね。まず、各国の防衛大臣をはじめとする地域の防衛関係者が広く集まるこのシャングリラ会合に、ヘグセス長官が参加をしてスピーチを行い、そして、これだけ各国との会談が詰まっている中でも、1時間という時間を割いて、我々日米で会談をしたというこの事実こそがですね、アメリカがインド太平洋を重視しているということを明確に示すものだと考えています。また、アメリカが西半球を重視して、アジア太平洋地域へのコミットメントが小さくなっているんじゃないかと、こういったことの不安、そして、思いというのが、様々なところで聞こえているけれども、私がヘグセス長官と話をしたり、コミュニケーションをとっている中では、アメリカのコミットメントは揺るぎないというふうに感じているので、その揺るぎない決意、そして関与というものを各国に共有してもらうべきだという思いから、今日私はあのような質問をしたわけです。そして、ヘグセス長官の回答は、正に明確にそれに応える力強いメッセージをこの地域に与えてくれたというふうに思っています。日米防衛大臣会議の概要は今日結果を公表しておりますが、その中でも豪州、韓国、フィリピン、こういった地域とのパートナーとの間で協力を更に進展させていくことで一致をしていますので、今後も私ができることでアメリカの地域に対する明確な関与の姿勢、こういったことについても様々な国々や、また多くの地域の皆さんにも伝えていく、そんな努力も日本ができることの一つではないかというふうに思います。

以上