防衛大臣記者会見

日時
令和7年10月29日(水)11:53~12:23
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
日米防衛相会談後の日米共同記者会見

1 発表事項

小泉防衛大臣:
昨日、高市総理は、日米同盟は今や「世界で最も偉大な同盟」であり、日米両国をより強く、豊かにする日米同盟の新たな歴史を共に創りあげていくとの決意を示されました。その実行こそが私とヘグセス長官の課せられた共通の責任であります。早速、今日は2人で約1時間にわたり、将来の日米同盟の具体的な絵姿について率直に議論をして、大変実りのある会談になりました。高市総理の方針を受け、我が国は、戦略三文書の改定に向けた検討を開始しました。この検討を通じ、日本の防衛力を更に強化し、その基盤の上に日米同盟の抑止力・対処力が一層高まっていくことになります。そして、「世界で最も偉大な同盟」として、日米が、インド太平洋地域の平和と安定のための責務を果たしてまいります。ヘグセス長官からもこの点、強い支持をいただけました。「世界で最も偉大な日米同盟」をこれまでにないスピード感で強化していくため、まずは、日米の指揮・統制枠組みの向上、南西地域における日米共同プレゼンスの拡大、そして実践的な共同訓練の拡充が不可欠です。これは、同盟の最優先事項の一つです。自衛隊と米軍は共に、この課題に取り組んでまいります。第二に、防衛装備・技術協力です。日米の基盤は相互補完的であるとの視点をもつことが重要です。今後、ミサイル共同生産や米軍艦船・航空機の共同維持整備にかかる取組を一層推進することを確認しました。第三に、日米を中核とする多国間協力です。豪州、韓国、フィリピンをはじめとするパートナー国との情報共有や運用面を含む協力を更に進展させてまいります。抑止力を維持し、地元への影響を軽減するため、普天間飛行場代替施設の建設と普天間飛行場の全面返還を含む、在日米軍再編の着実な進展に向けて引き続き日米間で緊密に協力していくことでも一致しました。国際秩序が重大な挑戦に直面をして、最も厳しい安保環境に直面する中、軍人出身で軍人を最も大切にするヘグセス長官と、あらゆる機会にあらゆる手段で意思疎通しつつ、私も、一人一人の自衛隊員を大切にし、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務める。」という決意で、共にヘグセス長官と道を切り開いていきたいと思います。

ヘグセス長官:
まず大臣ご着任おめでとうございます。この新しい役割、非常に重要な立場であります。そして今日昨日、時間を一緒に過ごすことができ、とても嬉しく思っております。日米同盟がいかに重要であるかという象徴でもあると考えています。今年は東京に2度訪問することができ、私もとても嬉しく思っています。今日は大臣ともいろいろと話をしました。特に日本を取り巻く安保環境が日々非常に厳しいということで強調しております。我々が直面する脅威は喫緊の脅威、中国の著しい近代化や強硬な軍事活動を見ればお分かりのとおりだと思います。だからこそ、トランプ大統領の力による平和が重要なのです。日米同盟を更に強化するには、より力強い殺傷力、信頼おける部隊を維持・強化し、戦争を抑止し、命あれば戦い勝利する準備が必須であります。これを可能にするには、ハードパワー、これが必要です。この点について先日、高市総理が日本の防衛費増を意欲的に示されたことを嬉しく思っております。これは大きな一歩、速やかに実行されることを期待しています。この平和を実際に確保するには、私たちの力を上げ、投資をするということもとても重要であります。時間があるうち、つまり今、迅速に私達の努力を進めていく必要があります。本日、小泉大臣と即応態勢強化、これを部隊態勢、演習・訓練を開始、達成することの重要性について認識を共有しました。この他、今回の訪問で光栄にもトランプ大統領と横須賀、これは小泉大臣の故郷でもありますけども、横須賀で空母ジョージ・ワシントンに乗艦することができました。これをすることで私は非常に感銘を受けました。なぜならば、日米の部隊同士、そして大統領、総理が肩を並べて立ち並び、日米同盟の強固な姿勢というものを示すことができたからです。昨日の話でもありましたけれども、まず、日本には55,000人ほど駐留している米軍を、温かく受け入れくださり感謝しております。彼らは自衛隊隊員と肩を並べ、この私達日米双方の国を守り抜いてくれる、この準備をもつということを私は確信しています。ですので、実戦的なステップを踏み、部隊が練習し、戦い勝利するに必要な関係や物を提供していきたいと私は考えています。近代化に向けた戦争省の取組についても説明しました。3月に東京でこの近代化について発表した時からかなりの進展があります。まずフェーズ1、人員は揃いました。来年にはフェーズ2を開始いたします。ここでの変化は戦闘能力、殺傷力、即応能力を向上、これにつながっていきます。そして間違いなく中国の威圧的な行動を抑止し、地域における有事、国の安全を保つために、日米同盟は不可欠であり、協力を続けていきます。肩を並べ、日本と共に日米同盟強化を継続していくことを嬉しく思います。そして、これを実践的また常識ある形で活動を進めて、力強い活動を進めていきたいと思います。改めまして大臣、そして日本の皆様、歓待預かりありがとうございます。これから質問をお受けしたいと思います。

2 質疑応答

記者:
小泉大臣にお伺いします。今回の会談で戦略三文書の改定や防衛費のGDP比2%の実現を前倒しすることを説明したのでしょうか。次にヘグセス長官にお伺いします。防衛費増額の必要性や具体的な数値目標を、今回の会談で日本側に要求しましたでしょうか。

小泉防衛大臣:
会談では、急速に厳しさを増すインド太平洋地域の安全保障情勢について率直な意見交換を行い、認識を共有しました。その上で、私から、スピード感をもつこと、また、高市総理同様、我が国として主体的に、防衛力の一層の強化と防衛費の増額に引き続き取り組んでいく決意を伝え、現行の国家安全保障戦略に定める「対GDP比2%水準」について、補正予算と合わせて、今年度中に前倒しして措置を講じ、国家安全保障戦略をはじめとする戦略三文書改定の検討を開始したことについて、長官に説明をしました。引き続き、我が国としては、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中で、我が国の独立と平和、国民の命と平和な暮らしを守るための取組を、我が国自身の主体的判断に基づいて行っていきます。

ヘグセス長官:
まず初めに多くの課題について友人同士話すことができました。大臣とはまだ日が浅いんですけども、日米関係というものは何十年来にも強化されて進化してきている関係です。ですので、もちろん訓練、能力、また防衛費についても話すことができました。そして、日米双方で課題にコミットをしてどのように進めていくかという話をしました。ということで、米側から日本に何かを要求したということは一切ありません。ただ忌憚なく、何にコミットをするのか、それを緊急性をもって、スピード感、そして投資も含めて進めていく。そういった話をさせていただきました。この中に含まれるのはもちろん訓練・演習、そういったものでもありますけども、このような形でいかに私たちが事を進めていくかという話をさせていただきました。

記者:
まず小泉大臣に質問なんですけども、二つの重要な点について、インド太平洋においては防空、そして海上安全保障ということがとても重要だと思っております。この点について、日本はどのような形で寄与するのか、これについてお話をお伺いさせてもらえればと思います。そしてヘグセス長官、昨日、大統領そして高市総理が私たち日米双方の部隊に話しかけをしました。特に高市総理が部隊に対して話をしたということ。これは米側の戦士にとって、どういった感情をもたらしたのか、またこの日米同盟に対して疑問をもっている人たちに対して、どのようなメッセージになりましたでしょうか。

小泉防衛大臣:
海・空の領域は領域横断作戦の基本であり、この領域の能力の強化は重要です。防衛省として、F-35戦闘機や、それに搭載するアムラーム護衛艦、潜水艦などの取得に取り組んでいるところです。アメリカ政府はアムラームの納入加速を発表しましたが、これは日米首脳会談と本日の防衛大臣会合の一つの大きな成果であります。これにより我が国の抑止力が高まることになります。また、我が国周辺において、ミサイル戦力が著しく増強されている状況を踏まえ、ミサイル防衛能力を不断に強化していくことも重要だと考えています。これまでも、現行の国家防衛戦略に基づき、ミサイル迎撃能力の更なる向上に着実に取り組んできたほか、「統合防空ミサイル防衛能力」の下、ミサイル防衛と反撃能力を組み合わせて、ミサイル攻撃そのものを抑止する態勢の構築に努めてきたところです。その上で申し上げれば、中国は、国防費を継続的に高い水準で増加させ、十分な透明性を欠いたまま、軍事力を広範かつ急速に増強させています。防衛省として、我が国周辺の軍事動向に対し、強い関心をもって注視しながら、冷静かつ毅然と対応していく考えです。安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じる中で、防衛力変革のための取組を進めることについて、遅すぎることはあっても、早すぎることはありません。先般高市総理から示された、「三文書」改定の方針も踏まえ、我が国の独立と平和、国民の命と平和な暮らしを守り抜いていくために何が必要か、あらゆる選択肢を排除せずに検討していく考えです。

ヘグセス長官:
もう全部小泉大臣が言っています。やはりリーダーシップが全ての要だと思います。これはトランプ大統領の行動を見てもお分かりかと思いますけども、何が可能なのか、全ての取引、そして関係そういったものを活用していきながら、彼は事を進めています。特にその関係において、静止状態にあるもの、これを活性化するところに大統領は努めております。そこでどんな協力ができるのか、どのように平和をもたらせるのか、力による平和をどのように実行していくのか。こういったことを大統領は進めております。まず国というものは、そのいろんな形で自分たちのことを考えます。そこであまり深く考えないということにもなってしまいますけれども、だからこそ大統領はアメリカファーストというものを掲げています。ですけども、アメリカファーストというものは、アメリカ単独でするということではなく、自国が自国の防衛をしながらも、どのような機会を共に見いだしていきながら、どのように相互に恩恵を受け入れるような形が保てるのか、尊敬をもちながら歴史を認識し、また共通の価値観を共有していきながら、互いに何ができるかということを進めていくのが常だと思います。ですので、日本に対して私たちは何かを要求するということではなく、自国同士、お互いする必要があるというものは行い、そして自国で行っていること、それを強力にどのように変化していけるのかということを考えていくのが重要だと思っております。そういう意味では、トランプ大統領は多くの国の日本を牽引していきながら、どのように訓練をしていくのか、どのように共に平和を求めていくのか、そういった形で彼は政策を進めています。高市総理ですけども、新たな関係というものが今築かれようとしています。私たちは目を見開いて、どのような形でこの世を見る必要があるのかということを、責任をもちながら進めていくというふうに感じています。ですので、これは投資も必要です。投資をすることによって、日米双方で世界の利益になるような影響力ができると思っています。

ヘグセス米戦争長官の発言及び英語での質問については、通訳者の発言そのまま。

以上