防衛大臣臨時記者会見

日時
令和6年8月20日(火)21:42~21:49(現地時間)
場所
ザ・リーラパレス・ニューデリー
備考
日印防衛相会談、第3回日印外務・防衛閣僚会合(「2+2」)後の木原防衛大臣臨時会見

1 発表事項

本日、第3回目となる日印「2+2」及び日印防衛省会談を実施いたしました。安全保障・防衛分野における国際協力の必要性がかつてなく高まる中、防衛省・自衛隊として、「自由で開かれたインド太平洋」の実現のためには、インド洋の大国であるインドの理解と協力が不可欠であると考えております。こうした観点から、今回の「2+2」及び防衛相会談では、これまでの日印防衛協力・交流の進展について振り返りつつ、将来的な協力についてインド側と確認し、さらに議論をいたしました。二国間の安全保障・防衛協力につきましては、統幕長と国防参謀長によるハイレベル交流を源泉としまして、これまで全軍種における共同訓練が実現をしています。今後もこれらを複雑化、高度化させ、継続的に実施していくことでインド側と一致した次第です。また、二国間のみならず、インド太平洋地域における多国間の防衛協力と交流の重要性についても再確認いたしました。正に、ちょうど来週の8月29日になりますが、インド空軍が主催して初めて実施される多国間戦闘機共同訓練「タラン・シャクティ」が予定をされております。これらに航空自衛隊が参加するべく現在調整中であり、実現すればインドへの初の戦闘機による寄航ということになります。そして、防衛装備・技術協力につきましては、艦船搭載用複合通信空中線「ユニコーン」の移転の実現に向けた防衛当局間及び企業間における協議が進展していることを評価をし、ユニコーンの移転をきっかけに日印間の防衛装備・技術協力を更にに深化させていくことを確認いたしました。このユニコーンの移転については、防衛装備移転円滑化基金という、その我々が構築した基金からの初めてとなるですね、約15億円の助成を含む仕様等調整計画を私、防衛大臣として、これもう認定しておりますので、あわせてこの点お知らせをいたします。また、インドにおける艦艇整備分野での協力については、海上自衛隊とインド海軍との間の相互運用性の向上等に資するとともに、インド洋方面における海自艦艇の運用の柔軟性向上につながり得るものであることから、海自及びインド海軍の間で検討が進められていることを歓迎いたしました。そして、ハイレベルだけではなくて、実務者間の協力についても、各レベルでの協議を継続して実施していくこと、これも確認をしたところです。このように、インドとの間では、部隊間の協力だけでなく、政策レベルでも着実に協力・交流が進んでいることを、今回の訪問を通じ、再確認することができました。今回のインド訪問の成果をもって、これからもインドとの関係を更に強化していくとともに、地域の平和と安定に向けて、引き続き日印間で緊密に連携していく所存でございます。

2 質疑応答

Q:今回のですね、一連の会談の成果について今お話しいただきましたけれども、日本政府、先月にアメリカともですね、「2+2」を行っております。一方で、今回会談を行ったインド太平洋地域では中国がその進出を強めておりますけれども、今回のインドとの会談がですね、そうしたその安全保障環境の変更、あるいはその安定に向けて、どういった形で資していくというふうにお考えでしょうか。また、そのために今後どういった取組をしていきたいとお考えでしょうか。

A:今回の日印「2+2」及び防衛相会談、シン大臣と実施いたしましたが、先ほども申し上げました共同訓練、これまでやってきたものを更に複雑化、そして高度化していく取組、そしてユニコーンの移転実現に向けた協議、そしてこれは、インドにおける艦艇整備分野での協力に向けた検討等の推進で一致をしたということは、今後の日印間の防衛協力・交流というものを量的にも質的にも拡大、そして深化させていく契機となる、そういう点で、極めて重要な意義があったというふうに考えております。これからの検討・取組の実現というのが大事になってくるわけですが、日印の防衛当局間において、正に私の大臣レベル、そしてハイレベル、そして実務者レベル、あらゆるレベルに至る様々なそういうレベルにおいて、より一層緊密に連携・協議を重ねていく考えであります。また、今、御指摘の点は、中国でありますけれども、東シナ海や南シナ海における力、あるいは威圧による一方的な現状変更、またその試みというものは、先般、日米の「2+2」、7月28日でありましたけれども、その共同発表においてもですね、強い反対を表明するとともに、「自由で開かれたインド太平洋」地域を促進するとのコミットメントを再確認したところであります。今回、日印「2+2」共同声明を発出いたしますけれども、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた共通の戦略的ビジョンを強調したところであり、引き続き、同盟国である米国のみならず、基本的価値や戦略的利益を共有する、今回のインドのようにですね、インドをはじめとして1か国でも多くの国々との連携を強化し、我が国を取り巻く安全保障環境の改善を図っていく考えであります。

以上