防衛大臣記者会見

日時
令和6年6月14日(金)09:51~10:23
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
木原防衛大臣閣議後会見
動画版①
動画版②

1 発表事項

 ○ 海上自衛隊のヘリコプターの墜落について、報告をさせていただきます。4月20日に発生した海自ヘリコプターの墜落事故でございますが、事故発生以来、現場周辺海域において、全力で行方不明者や機体の捜索に当たってまいりました。4月27日からは海洋観測艦「しょうなん」を投入しまして、現場海域において海底の捜索を行い、データの解析を進めてきましたが、機体等の発見には至りませんでした。このような中、今般、文部科学省が所管する国立研究開発法人、海洋研究開発機構JAMSTECの保有する深海えい航調査システム「ディープ・トウ」が捜索に参加することになりました。「ディープ・トウ」は、深海調査等にあたって高い能力を有するシステムであると承知しており、文部科学省及びJAMSTECの協力に感謝いたします。「ディープ・トウ」は、所要の整備等を経て、7月上旬から捜索が開始できるよう現在調整中でございます。

2 質疑応答

Q: 岐阜市にあるですね、陸上自衛隊の射撃場で起きた銃撃事件から今日で1年になります。その受け止めと、改めて今後再発防止に向けてどのように取り組んでいくお考えでしょうか。また、今年に入ってからも陸自では手りゅう弾の事故、海自ではヘリの墜落など、訓練中の事故が起きています。こうした事故が相次ぐ背景について、どのようにお考えでしょうか。あわせてお願いします。

A: まず、自衛官候補生による発砲事案の件ですが、おっしゃるように、ちょうど1年前の令和5年6月の14日、岐阜県岐阜市の陸上自衛隊日野基本射撃場において、自衛官候補生、渡邉直杜、当時18歳が他の隊員に対して発砲し、隊員2名が死亡し、隊員1名が負傷した事案からちょうど1年となりました。改めて、亡くなられた2名の隊員の御冥福を心よりお祈り申し上げ、御家族にお悔やみを申し上げますとともに、負傷された隊員、そして御家族にお見舞いを申し上げます。防衛省・自衛隊としましては、昨年6月の発砲事案は、武器を扱う組織として決してあってはならないものであると認識をしておりまして、本年4月18日に公表した再発防止策に基づき、射撃訓練における安全管理の徹底に全力で取り組むことが、最も重要であると考えております。それから、手りゅう弾投てき事故、あるいはSH-60Kの墜落事故についての御指摘もございました。まず、本年5月30日に山梨県の北富士演習場において、手りゅう弾投てき訓練に参加中の第1普通科連隊所属の隊員1名が死亡する事故が発生し、こちらは現在、事故調査委員会において原因究明に取り組んでおります。また、本年4月20日、海上自衛隊SH-60Kの墜落事故が発生し、現在、事故調査委員会において原因究明に取り組んでおります。また、隊員8名が亡くなられたことを重く受け止め、私からは、防衛大臣の指示を発出し、陸海空全ての自衛隊において、安全管理に万全を期しているところであります。事故・事案はそれぞれ背景や事情が異なるものでありますが、これらの事故・事案は決してあってはならず、大変遺憾であり、原因究明に取り組むとともに、訓練における安全管理の徹底を図り、同種の事故・事案の再発防止を図ってまいります。

Q:「ディープ・トウ」についてお尋ねいたします。「しょうなん」がデータを解析した結果として、何かしら手掛かりが出てきたから「ディープ・トウ」を投入するということなのか、あるいは全くそういう当てがない中で、「ディープ・トウ」を投入することになるのか、その辺り、何かしら進展が期待されているところではありますけれども、その辺りの温度感をもしお話できるのであるとすれば、お願いいたします。

A:先ほど申し上げたとおり、海洋観測艦「しょうなん」は4月27日に投入をいたしまして、海域における海底の捜索をずっと行ってきたわけですが、機体等の発見には至らなかったということになります。このような中で、文科省が所管するJAMSTECの保有します「ディープ・トウ」が今回捜索に参加することになりました。「ディープ・トウ」ですが、文部科学省ともずいぶん話をしてですね、その性能なども確認をいたしました。深海調査等にあたっては高い能力を有するシステムであるというふうに理解をいたしまして、その点はですね、文部科学省及びJAMSTECの協力に感謝をいたします。今回、海洋観測艦「しょうなん」については、これは海底の地形を含む海洋の状況を観測する艦艇でありまして、今回の事案は約5,500メートルと見込まれる現場周辺海域の海底においてですね、ヘリコプターの機体等を発見できなかったわけでありまして、「しょうなん」については、今回発見ができなかったということをもってですね、能力に問題があったわけではないというふうに、「しょうなん」については思っております。また一方で、この「ディープ・トウ」というのは船でえい航しながらですね、能力としては、水深6,000メートルまで調査・観測が可能というふうに報告を受けておりますので、こちらの性能、能力、その高い能力というものにですね、期待をし、その結果を待ちたいというふうに思っております。

Q:大臣は1月にですね、1974年の次官通達で、宗教的活動に関する次官通達、これを不断に検討して、必要があれば改正するというふうにおっしゃっているんですけれども、その後、この通達の改正を検討を始めていらっしゃるのかということと、もしそうだとしたら、具体的にどの部分の改正を考えていらっしゃるのかということと、まだ始めていらっしゃらないとしたら、今後始める時期とかですね、改正の時期とか、その可能性についても教えていただきたいんですけれども。

A:宗教活動に関する事務次官通達でございますが、昭和49年に発簡された古いものであるということを、私も指摘をしたところであり、その後ですね、例えば昭和52年に津地鎮祭訴訟等の最高裁判決がありまして、これがいわゆる、目的効果基準という、その後の判例に大きく影響を与えるような判決でありましたから、ということは49年の後に非常に大きな判決もあったということで、そういうことも踏まえて、その同通達については、内容を不断に検討し、必要に応じて改正を行うべきということで、その当時申し上げたというふうに思っております。正に、不断に内容の検討を行うものでありですね、それはもう不断に検討を行っているということであります。具体的な改正の内容とか時期というのは、今の時点ではまだ決まっているわけではございません。

Q:検討は今も行っていらっしゃるんですか。

A:1月に私がこういう発言をしてからは、不断に検討を行っているということでございます。

Q:具体的な点についてはまだ何もないということでしょうか。

A:具体的な改正の内容については、あるいは時期というのはまだ決まっておりません。

Q:輸送機オスプレイの安全性について伺います。米下院の小委員会の公聴会で米海軍航空システム司令部のカール・チェビー司令官がオスプレイについて、安全に影響する可能性がある問題に十分に対処するまで無制限の飛行運用には戻さないとし、全面的な任務再開が来年半ば以降になるとの見通しを示しました。オスプレイの包括的な調査をしており、結論を得るまでに6から9か月かかるとも語っていますが、オスプレイの安全性に懸念が残っているということではないでしょうか。原因究明まで飛行停止を求める考えはありますでしょうか。

A:御指摘の米側の下院の発言でしたね、米議会の下院の発言については承知をしておりますが、その詳細について米側に確認しているところであります。その上で、昨年11月に屋久島沖における事故後に、日米間では、前例のないレベルで技術情報に関するやりとりがなされておりまして、航空機の機能を発揮させるために必要な構成品の中において、特定の部品の不具合が発生したことが事故の原因であるとの認識に至りました。事故原因が、したがって特定されたわけであり、当該原因に対応した各種の安全対策の措置を講じることによって、同種の不具合による事故を予防・対処することが可能であり、日本国内の日米のオスプレイについても安全に運用を行ってきているところであります。そのため、オスプレイの安全性に問題はないというふうに考えておりまして、運用停止を求める考えというのはございません。飛行の安全確保というのが何よりも最優先であることは、これは言うまでもなく、日米間のあらゆるレベルでそのことを確認しており、引き続き、日米は協力しながら安全確保に万全を期さねばならないと、こういうふうに考えております。

Q:火器管制レーダー照射問題について質問します。時事通信の6月の世論調査で、韓国政府と事実解明なく再発防止策で合意したことについて聞いたところ、「あまり評価しない」と「全く評価しない」が合わせて63.5%となりまして、「大いに評価する」と「ある程度評価する」のを合わせて18.8ポイントを大きく上回りました。国民の理解が進んでいない状況が明らかになりましたが、この結果に対する大臣の受け止めと、今後どのように国民に説明し、理解を得ていくかについて考えをお聞かせください。

A:御指摘の世論調査の結果については真摯に受け止めたいと思います。その上で、火器管制レーダー照射事案につきましては、韓国駆逐艦から火器管制レーダーの照射はあったということ、また、海上自衛隊の哨戒機は韓国側が主張するような低空脅威飛行というのは行っていないということ、そういう事実関係に関する防衛省の立場はこれまでも、これからも変わらないということは申し上げました。火器管制レーダーの照射というのは、火器の使用に先立って実施する行為であり、極めて危険なものでありますから、私は、防衛大臣に就任して以降、現場で任務に当たる海上自衛官の正に安全にかかわること、そしてその再発防止が採られていないという状況、このことがですね、過去5年半にわたってずっと継続してきたということを極めて深刻に捉えてきました。また、このことがですね、主な要因の一つとなって、日韓の防衛協力、そして防衛交流にも大きな停滞というのを余儀なくされたということになってきたわけです。他方で、その5年半の間にもですね、安全保障環境というのは随分変わってまいりました。北朝鮮はとりわけ、「極超音速ミサイル」と称する弾道ミサイルの発射など、極めて速いスピードで弾道ミサイル等の開発を推進していますし、2022年に策定した私どもの国家安全保障戦略においても、「同盟国・同志国間のネットワークを重層的に構築するとともに、それを拡大し、抑止力を強化していく」というふうにされているように、こうした北朝鮮の脅威等、厳しい安全保障環境に対応する上で、日韓、そして日米韓連携の必要性というものは、ますます高まってまいりました。更に言うと、今回ですね、シャングリラ会合では、日豪韓、オーストラリアと韓国とのマルチの防衛相会談を実施したように、この日韓関係という防衛協力・防衛交流が、また再開することによってですね、新たな多国間協力の可能性というのを広がってきたわけであります。また、私、防衛大臣としては自衛官の命を預かる立場でもありますので、自衛官の安全を確保することというのは、我が国の平和と安全を守ることと同様に重要な責務であると考えています。日本海及びその上空というのは、日本も韓国も、その両国のですね、海・空のそれぞれのアセットが恒常的に活動しておりまして、日韓のその懸念、レーダー照射事案の再発防止は採られていないというその状況が、ずっと放置していれば類似の事案というのは発生する可能性は残り続けるということになりますから、私は今回そういう決断に至ったということを改めて皆様方にもお伝えしたいと思いますし、事実関係というのは、日韓双方の立場、これ依然として違いはございます。このことを理由に、私は自衛官諸君を危険に晒し、日韓の防衛協力を今後もですね、停滞させ続けることはできないと判断したわけであります。私は、世論調査の結果というのは、受け止めなければいけませんが、私はですね、今回の決断が我が国の国益には適うものだというふうに確信をしておりまして、再発防止策を含む今回の韓国側との協議結果については、国民の皆様方の御理解を得られるようですね、今後もこういう場を通じて、また国会などあらゆる機会を通じて、丁寧に説明を尽くすことをしっかりとやっていきたいというふうに思っております。

Q:2月に開かれた防衛力の抜本的強化に関する有識者会議についてお伺いします。この会議の議事要旨が4か月経っても公開されていませんが、大臣の受け止めをお願いします。いつ頃公表する予定なのか、なぜ4か月経つのに公開されていないのか理由を教えてください。

A:御指摘の有識者会議でございますが、各委員からは、率直な御意見を頂き、活発な御議論をしていただくために、各委員の御発言というものを、逐一掲載した議事録ではなくて、議論の要旨を公表するということとしております。本年2月に開催した第1回の総会における議事要旨ですが、その内容については引き続き調整中であります。全ての調整が整い次第、防衛省のホームページで公表をいたします。私もその第1回の総会に出席をしまして、委員の方々からの御意見をお伺いしたところであります。この大変有意義な御意見でございましたから、それを取りまとめて、できるだけ速やかに議事要旨として公表したいというふうに考えておりますが、各委員のですね、個々の発言について、正確性を期すためにも、委員の方々にそれぞれ御確認をいただく必要があるということからも、現時点では公表できないということを御理解いただきたいというふうに思います。

Q:関連なんですけれども、例えば、内閣官房所管の能動的サイバー防御を議論している有識者会議は、6月7日に開催されて、昨日、議事要旨が公開されていますが、率直に防衛省の有識者会議の議事要旨の公開は遅いと思われますか、どうですか。

A:各委員の方々の発言でございます、そことの当然やりとりも必要になってくるわけですので、ほかの委員会と単純に比較はできないと思いますが、正確性を期すために、委員のそれぞれの御確認というのをやる必要があるということで御了解いただきたいと思います。

Q:確認ですが、委員との間の文言調整で何かトラブルが起きているということではないのですか。

A:正に委員の方々との関係もあるものでございますから、調整状況の詳細については、申し上げることはできないことは御理解ください。

Q:米軍の大型無人偵察機MQ-4の配備計画について伺います。今月9日に、MQ-4、2機目が嘉手納基地に飛来したことが確認されています。沖縄防衛局から周辺の自治体に対しては、10月までの一時的な配備と説明をされてきていると思いますけれども、配備期間の延長はなく、10月までの一時的配備という計画から変更はないでしょうか。防衛省の認識を教えてください。

A:米側からはですね、そのトライトンですね、本年のトライトンの一時展開の期間につきましては、5月から10月を予定しており、10月末を超えて展開を継続する計画はないと説明を受けております。現状においては、この点に変更はございません。

Q:オスプレイに関連して何点か伺います。現在、陸自のオスプレイは、安全対策上、運用制限をかけて飛行をしているのか教えてください。

A:陸上自衛隊のV-22オスプレイでございますが、米軍オスプレイと同様にですね、異常探知システムによる予防的点検や維持整備の頻度の増加、航空機の整備記録の確認、通常時・緊急時の搭乗員の手順の更新、運用計画の更新、そういった各種の安全対策を講じた上で運用を実施しております。こうした安全対策の詳細についてはですね、つまり運用制限をかけているかいないかといった、そういったことは、運用保全上の理由から、これは対外的に明らかにすることができない、手の内を明かすことはできないということは御理解いただきたいと思います。

Q:関連しまして、米海軍航空システムコマンドの司令官は、米下院公聴会で、無制限の飛行に戻れる基準をクリアするまでは、飛行制限は継続されるとも証言しています。現在、陸自のオスプレイの飛行には制限はかかっているのでしょうか。教えてください。

A:御指摘の発言については、詳細について米側に確認しているところであります。昨年11月の屋久島沖における事故後、日米間では、前例のないレベルで技術情報に関するやりとりがなされておりまして、航空機の機能を発揮させるために必要な構成品の中において、特定の部品の不具合が発生したことが事故の原因であると、そういう認識に至ったということを先ほども申し上げました。したがって、事故の原因が特定されたということであるので、当該原因に対応した各種の安全対策を講じることによって、同種の不具合による事故を予防・対処することが可能であるということ、したがって、陸上自衛隊のオスプレイについても安全に運用を行ってきているところです。具体的に、いくつか例を挙げると、私の地元の高遊原分屯地の記念行事、5月にありましたが、そこへの参加であったり、先日行われた令和6年度の富士総合火力演習への参加にも陸上自衛隊のオスプレイを、こちらも訓練展示をさせていただきました。そういった安全な飛行実績を積み重ねてきておりまして、現在、陸上自衛隊は必要な教育や訓練を実施しております。引き続き、陸上自衛隊のオスプレイの運用にあたっては、教育訓練や機体の点検・整備、これを確実に実施をして、安全管理を実施してまいります。

Q:先ほどから、オスプレイのシステム・コマンドの公聴会での発言に関して、詳細を確認しているということで大臣繰り返されていた、米側に対してですね、詳細を確認しているとおっしゃっていたと思うんですけど、ということは、事前には知らされていなかったという理解でいいんでしょうか。

A: 米の下院議会での、これは米海軍の航空システム司令官の発言については、これ事前に承知をしていない、ですので、その詳細について米側に現在確認しているということになります。

Q:オスプレイ関係なんですけれども、そういうった米議会での発言があるということは、大臣これはオスプレイの安全性に懸念というのがやはり残っているんでしょうか。

A:先ほど、縷々申し上げましたけれども、これは、事故原因が特定をされておりますので、その原因に対応した各種の安全対策、これも講じております。したがって、同種の不具合による事故を予防し、そして対処するということが可能であるというふうに判断をしたわけであります。したがって、陸上自衛隊のオスプレイについても安全に運用しているということになりますから、先ほど、私が具体例を二つ程申し上げたように、実際に今も訓練などで、あるいは、記念行事などでもですね、国民の前に展示をさせていただいているところであります。しかしながら、引き続き、教育訓練、機体の点検・整備というのは確実に実施しながら、安全管理は徹底していくと、そういうことであります。

Q:冒頭御説明のあった海自ヘリの捜索の関係なんですけれども、こちらは7月上旬からスタートして、どれぐらいの期間お借りできるという想定になっているのでしょうか。また、あわせてですね、JAMSTECに対して何か防衛省からお金を支払ったりするということはないのでしょうか。2点お尋ねします。

A:例の「ディープ・トウ」ですよね、文部科学省、JAMSTECを活用してですね、「ディープ・トウ」をこれから私どもで運用していくわけですが、その期間というのはまだ決まっておりません。もう1つは何でしたっけ。

Q:借りるのにお金とかは掛かるのですか。

A:これは捜索に関する経費については、防衛省が負担します。

Q:つまり借りるためのお金は掛からないということなんですか。あるいは、システムを運用するための人も来ていただく必要があるのかと思いますけれども。

A:そういうのも含めて捜索に要する経費というのは、防衛省の負担だというふうに承知をしております。詳細は事務方にお尋ねいただければ。 

Q:先ほど大臣は、米海軍システムコマンドの司令官の米下院議会の公聴会の証言は、防衛省として掌握していなかったということでよろしいでしょうか。

A:事前には、防衛省にはなかったというので、今現在その内容を確認中ということであります。

Q:議会の証言自体は、御担当の方が御認識はあったのでしょうか。要するに、議会の公聴会は聞いていらっしゃったのでしょうか。

A:私は聞いていなかったので事務方に聞きましたけれども、発言そのものについてはですね、いわゆるこちら側の窓口も事前には聞いていないということでありました。いずれにしても、安全対策についてはですね、この点緊密にやり取りはしているところですが、今の米国下院議員での発言そのものについては、伺っていなかったということであります。

以上