防衛大臣臨時記者会見

日時
令和6年5月3日(金)09:24~09:31(現地時間)
場所
米国ハワイ シェラトンワイキキホテル2階
備考
日比防衛相会談後の木原防衛大臣臨時会見

1 発表事項

私から、フィリピンとの大臣会合を実施しました件をですね、報告します。先ほど、3日の8時30分から9時15分までの約45分間、フィリピンのテオドロ国防大臣との間で、日比防衛相会談を実施しました。会談では、南シナ海情勢を含む地域情勢について意見を交わしました。こうした中で、私とテオドロ大臣は、「自由で開かれたインド太平洋」を実現していくことが重要との考えを再確認いたしました。また、二国間協力については、移動式警戒管制レーダーの移転といった日本、フィリピン間の安全保障面での協力が近年進展していることを歓迎するとともに、今後も様々な分野で両国間の防衛協力・交流を進めていくことで一致をいたしました。昨年11月に交渉を発表したRAA、円滑化協定につきましては、その早期の妥結について両国が一層連携していくことで、こちらも一致しました。防衛省・自衛隊としては、二国間及び日本、フィリピンを含む多国間での防衛協力を一層進めていきたいというふうに考えています。

2 質疑応答

Q:今のフィリピンとの会談も含めて、昨日、今日と日米豪比4か国や3か国、バイ会談、様々な会談をこなされました。改めてこの2日間、日程きつかった中ですけれども、意義と、今後大臣として、またどのように4か国で取り組んでいくか教えてください。

A:正に今、我が国周辺がですね、軍事増強が急速に進展しているという状況の中で、力による一方的な現状変更及びその試みというものが、圧力が高まってくるという中で、インド太平洋地域において、安全保障環境が極めて厳しくなっていると意識するそれぞれの国々が集ったということは、大変これは有意義な機会だというふうに思います。そうした中で、まず、日本にとっての基軸は日米同盟ですから、同盟のさらなる強化に加えて、オーストラリア、そしてフィリピン、同志国との連携の強化というものがしっかりと確認できたというふうに思っています。いわゆる米国についでですね、地域の重要な緊密な協力を構築している豪州のですね、マールズ国防大臣であったり、あるいは地域の重要なパートナーであるフィリピンのテオドロ国防大臣、それぞれと短い時間でしたけれども、しかし濃密な話をしましてですね、より一層我々のきずなも深まりですね、そして、いわゆる胸襟を開いて色々なことを率直に話しができたなというふうに、私は率直に思います。米国と、インド太平洋地域における米国の同盟国であるオーストラリア、そしてフィリピン、それぞれがですね、「自由で開かれたインド太平洋」というビジョンというものが共有されているなということを改めて感じ、そして、私は確認をしたというところであります。そういったですね、この4か国の同盟国・同志国のネットワークというものを、重層的に構築していく、そして拡大していく、そういったことが抑止力・対処力の向上につながっていくのだというふうに思っております。そういう意味で、新たなステージに向かう、非常に極めて重要なきっかけになった今回の日米豪比、そしてそれぞれのバイ会談だったんだろうと思ってます。

Q:昨日の日米の防衛相会談の関連でお伺いします。今、自衛隊で統合作戦司令部の創設に関して、この前の首脳会談でも米軍と自衛隊の指揮・統制枠組みを見直すことで合意しておりますけれども、昨日の日米の会談でですね、米軍側の検討状況について説明があったかと、進捗状況と併せてですね、今後の日米の協議の見通しについてお聞かせください。

A:昨日の会談ではですね、米軍と自衛隊のいわゆる相互運用性、その強化のために、それぞれの指揮・統制枠組の向上について、米側においても検討しているということであり、この点は日米間で引き続き議論していくことというふうにしました。そこで一致をしております。米側とですね、そういった意味で議論しており、そして、これからもしていくということでありますから、見通しというか、今後については、現時点で予断をもって申し上げることは難しいわけですが、私とオースティンがですね、直接話をしました。いわゆる閣僚レベル、そしてこれまでも事務レベルでの協議がさらに加速していく、進展していくものというふうに思っていますから、あらゆるレベルでの議論をですね、今後しっかりとやっていきたいというふうに思っております。

Q:関連でもう1問お聞かせください。これまで大臣、国会などの場でですね、繰り返し日米が指揮・統制の向上後も日米は独立した指揮系統のままであるという点を御説明されていますが、この点改めて御見解をお聞かせください。

A:これはいつも申し上げていることですが、自衛隊による私どものすべての活動がですね、我が国の主体的な判断の下で行われて、JJOCができた後もですね、自衛隊及び米軍というものはそれぞれ独立した指揮系統に従って行動するということ、これになんら変化はないということは間違いなく言えます。

以上