海上自衛隊ヘリコプターの墜落について申し上げます。海上自衛隊のヘリコプター墜落事故につきましては、防衛省・自衛隊は、米海軍とも連携し、行方不明の7名と機体の捜索に全力で当たっているところです。あわせて、事故発生以来、原因究明に全力を尽くしてまいりました。今般、回収されたフライトデータレコーダーの一次的な解析の結果、針路・速力・高度等の飛行諸元及びエンジン等の諸元から、事故発生前の飛行状態及び機体に異常を示すデータは確認されませんでした。また、2機のフライトレコーダーには、同時刻に同じ場所で、急激かつ大きな衝撃の発生が記録をされており、衝突に至った原因については更に調査を継続する必要があるものの、当該2機は衝突したことが原因で墜落したと判明いたしました。事故発生後、海上自衛隊のSH-60K及び同型機については、任務を除く訓練飛行を見合わせていましたが、今般の解析結果を踏まえ、衝突のおそれがない単機、1機ですね、単機での訓練飛行の見合わせについては、明日、5月3日から解除することとしました。事故発生当初より、私の指示に基づき、飛行前後の点検、操縦者への安全管理・緊急時の手順に関する教育、各部隊における指導を徹底してまいりました。引き続き、これらの点検・教育・指導を徹底してまいります。我が国は四方を海に囲まれております。海の守りというものは、一瞬の隙も許されない非常に重要なものであります。今般、一部解除することとした訓練飛行によって、搭乗員の練度を確実に維持するとともに、引き続き、防衛省・自衛隊は、高い能力と即応性によって国民の生命・財産・領土・領海・領空を守り抜くため、全力を尽くしてまいります。
Q:現時点までに機体の異常が確認されず、その上で2機が衝突したことが判明したとの事ですが、要するにこれは人為的な要因で衝突した可能性が高いということでしょうか。現時点での防衛省の評価をお願いします。また、今後の捜索救難活動の予定についても教えてください。
A:2機が衝突を引き起こした状態や原因を特定するためには、フライトデータレコーダーや、その他の情報も併せて分析・評価を継続する必要がありまして、引き続き、事故調査委員会において分析を進めているところでありまして、予断をもってですね、今お答えするということは差し控えたいと思います。今後につきましてはですね、先ほど申し上げたとおりでありまして、引き続き、米海軍とも連携しながら、行方不明の7名と「しょうなん」によってですね、機体も併せた捜索に全力で当たってまいるという、そういうところでございます。
Q:墜落の原因が明らかになっていない中で、単機といえど、飛行再開になるかと思いますが、その中でどのように飛行の安全を確保されるのでしょうか。教えてください。
A:先ほど申し上げましたように、四方を海に囲まれた我が国でありますから、海の守りというのは、一瞬の隙も許されない非常に重要なものでありますので、飛行の安全の確保を大前提とした上でですね、このSH-60K及びその同型機の搭乗員及び部隊の高い能力と即応性を維持するためには、飛行訓練の再開するということは非常に大事なことであります。冒頭発言で申し上げましたようにですね、このフライトレコーダーは別々のものでありまして、その別々のフライトレコーダーが同じ時刻にですね、同じ場所で、そして急激かつ大きな衝撃が記録されているという、それが一致したわけですね、ということは2機が衝突したことが原因だということが判明したんですね、ということは1機で訓練するということは、衝突するおそれはないということなので、ですので今回は単機、1機による訓練を再開するというそういうプロセスであります。だから、まだ複数機による訓練を行うというわけではございません。
Q:捜索状況なんですけれども、「しょうなん」を投入して、海底を調べていると思うのですが、例えばある程度エリア特定できたとか、それらしきものを現状見つけたとかですね、状況についてアップデートをお願いします。
A:「しょうなん」というのはデータを収集するそういう機能があります。その収集したデータをですね、今度は解析、これは別の作業になりますから、これを順次進めているというところであります。
Q:収集は粗方もう終えているということでよろしいでしょうか。
A:しっかり解析を進めているということであります。
Q:先ほど御説明がありました急激かつ大きな衝撃というのは、もう少し具体的にどのようなものが記録されていたのでしょうか。
A:これはフライトデータレコーダーの非常に技術的な解析によるものですから、なかなかここで答えるようなものでは、もし答えられる範囲であれば、ちょっと事務方に聞いていただきたいと思いますが、フライトデータレコーダーというのは、あらゆるそういった航空機のですね、記録がございます。あわせて、それぞれの通信などもですね、記録、ボイスなども記録をされておりますので、そういったものによってですね、衝突に至った原因というのが、更にこれは継続して調査はしますけども、衝突したことが原因であるということは判明したと、私どもはそういう理解をしております。
Q:飛行諸元についても分析されたということなんですが、衝突の瞬間というのは、向き合うような形でぶつかっていたんでしょうか。
A:一部そういう報道があったということは承知しておりますが、そういった解析の内容についてはですね、これはもう予断を持って今申し上げることはできませんので、事故調査委員会において、様々な情報をそれぞれ解析し、そして整合させて、そして最終的に発表するものというふうに承知しております。
Q:先ほど冒頭で、フライトデータレコーダーの解析で、同じ時刻に記録があったということだったんですけれども、そうすると衝突した時刻は特定されているということでよろしいでしょうか。
A:その通りです。
Q:20日の午後何時だったかというのを、今明らかにすることはできますか。
A:それは手元にはございませんので、事務方で公表できる内容については公表させていただきますが、それはちょっと今はございません。
Q:1点だけ確認します。今回、事故原因について、人為的ミスかどうかは予断を持っては言えないということは納得なんですけれども、要するに単機での飛行が安全であるという判断した根拠としては、どういうものがありますでしょうか。フライトデータレコーダーで直前の機動などを見ても異常がなかった、制御できる状態だというふうに判断できないとそこで単機で安全というふうにならないと思うんですが、その点の根拠を教えてください。
A:正に先ほど申し上げたとおりでありますけれども、事故発生前後ですね、前後、フライトレコーダーというのは、衝突し墜落した後もある程度記録をされておりますので、その前後の機体の状況について、現時点、一次解析で明らかになったところだと、先ほど言った針路とか、速力、高度等、そういった情報から飛行の状態あるいは、その機体に異常を示すデータというのは確認できなかったということになりますので、そして一方で、それぞれ先ほど言ったそれぞれの別々のフライトレコーダーの同時刻に、同じ場所でですね、同じ緯度経度で、同じ地点で2機がですね、同じ記録をしたということは、もう衝突ということなので。衝突というのは、2機以上がないと衝突しませんから、ですから、単機での今回訓練は安全だという、そういう判断をしたということです。
Q:ですから、オートパイロットとかではなく、人的な要因であるという、機体には異常なく、人的な要因であったということはミスかどうかは別として、そういう判断をしたということですか。
A:いや、そこまではまだ分析をしておりません。様々な要因はあるかと思いますので、今申し上げたようなフライトレコーダーの分析の判断だと、そういう衝突ということまでが言えるということです。
Q:訓練の再開なんですけれども、具体的にどこでやるのか基地の周辺だとかも教えていただけますでしょうか。
A:訓練解除は、明日5月3日から解除することにしましたけれども、詳細については、それは事務方に聞いてもらえればと思います。
Q:訓練の再開ですが、夜間の訓練も行うということでしょうか。
A:(海幕長)単機での昼間夜間を問わず、単機での訓練は実施いたします。
Q:もう1点確認しますが、単機での訓練であれば、例えば日米共同なり、同志国との共同訓練も行うのか教えてください。
A:(海幕長)共同訓練において、単機の訓練で共同訓練というのはちょっと考えづらいものだと思ってますので、そこは多分入ってこないと思います。
以上